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イギリスにパンケーキデーなる伝統行事があることをご存知でしょうか。年に1回やってくるパンケーキデーでは、各家庭でパンケーキを焼いたり、町中でパンケーキレースが開催されたりと、面白い習慣があります。今回は日本ではあまり知られていない、イギリスのパンケーキデーを紹介します。
パンケーキデーとは何?
まずは、パンケーキデーの由来について見ていきましょう。
パンケーキデーはキリスト教の復活祭(イースター)と深い関係があります。イースターは、十字架にかけられたイエス・キリストが3日後に復活したことを祝う日で、クリスマスに並んでキリスト教の重要な行事です。
キリスト教では、イースターの46日前にあたる灰の水曜日(Ash Wednesday / アッシュ・ウェンズデー)からイースターの前日までを四旬節(Lent / レント)といいます。かつては、四旬節の期間に祈り・断食・慈善を行ない、節制をすることが奨励されました。肉・魚・卵・乳製品などを摂取することが禁じられ、1日1度しか食事ができなかったといいます。
四旬節の1日目が灰の水曜日ですが、その前日は告解火曜日(Shrove Tuesday / シュローブ・チューズデー)と呼ばれます。告解火曜日はすべてのキリスト教徒が強制的に罪の告白を行うという日でした。そして、翌日からの四旬節の断食に備えて、家のなかにある栄養価の高い食材を食べ切ろうとパンケーキを焼くようになったそうです。最後の晩餐ですね!これがパンケーキデーのはじまりといわれています。
現在では宗教的色合いはあまりなく、みんなでパンケーキを食べる日という意味合いが強くなっています。
パンケーキデーはいつ?
イースターは決まった日にちではなく、その年の「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」です。つまり、イースターに連動する告解火曜日=パンケーキデーも年によって日程が変わります。2022年は3月1日でした。
イギリスでは、バレンタインデーが終わるとパンケーキデー商戦が始まります。スーパーにはパンケーキの材料や道具を集めた特設コーナーができ、商戦に励む様子が見かけられます。
イギリスのパンケーキは日本とどう違うの?
アメリカ流のふわふわのパンケーキとは異なり、イギリスのパンケーキはちょっと厚めのクレープのようです。
このパンケーキに、砂糖とレモン汁をふりかけていただきます。また、イギリスの家庭ではおなじみのゴールデンシロップ(糖蜜)をつけて食べるのも人気があります。薄めの素朴なパンケーキですが、レモンと砂糖をかけて食べるシンプルな味わいはなかなかのもの。
フライパンを持って走るパンケーキレースとは?
パンケーキデーには、イギリス各地でパンケーキレースが開催されます。パンケーキレースとは、パンケーキの入ったフライパンを持ち、パンケーキをひっくり返しながらかけっこ競争するというもの。
イギリス南東部バッキンガムシャー州にあるオムニーという町で1455年から行われているレースが有名で、ここが発祥の地とされます。
「オムニーのある主婦が、告解火曜日にパンケーキを焼くのに夢中になるあまり、教会に行く時間を忘れてしまった。罪の告白の時間を告げる教会の鐘の音に気づくと、エプロン姿でフライパンを持ったまま、大慌てで教会に駆けつけた」−−−この出来事がパンケーキレースの始まりと伝えられています。
ロンドンでパンケーキレースを見た!
2022年3月1日のパンケーキデー当日、ロンドン市内でも数ヵ所でパンケーキレースが行われました。
私が訪れたのは、金融街シティにあるレドンホール・マーケット。レストランやショップが並ぶアーケードで、ヴィクトリア朝時代の建築物が美しく、映画『ハリー・ポッター』シリーズのロケ地としても有名な場所です。シティという場所柄、普段のランチタイムは、オフィスワーカーたちで賑わいます。
レースは午後1時からスタート。4人1組から成るチーム対抗で、パンケーキが入ったフライパンを持って走るリレー形式で競技は行われます。レースといっても、ゆるい感じで、参加者も見物客もお祭り気分。
創業1780年という歴史を誇るパブ「ラム・タヴァーン」では、見物客に無料でパンケーキが振る舞われ、みんな和気あいあいと楽しんでいました。
みんなでパンケーキを楽しむ1日
今回は、イギリスのパンケーキデーを紹介しました。
レストランやカフェでパンケーキを食べたり、自宅でパンケーキを焼いたり、パンケーキレースに参加したりと、楽しい1日です。みなさんもチャンスがあったら、パンケーキデーの時期にあわせてイギリスへ旅行してみませんか。
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