This Must Be The Place ~ 1st ~
イギリスが世界に誇るアートとデザインの宝庫
「ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム」

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This Must Be The Placeと題して、私のイギリスでの行動範囲の中から、いろいろな場所を紹介していきます。この記事を読んで、「その場所は知らなかった、今度行ってみよう」「行ったことはあるけど、その情報は知らなかった!」と、新しい発見につながりますように。そしてあなたにとってのお気に入りの場所が増えますように!

サウス・ケンジントンで世界の芸術に触れる場を

V&Aの外観
V&Aとヤルタ・メモリアル・ガーデン。実はこのふたつ、深いつながりがあるんです。

第一回は、ロンドンのサウス・ケンジントンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム(V&A)です。V&Aは、1851年にロンドン・ハイドパークで行われた万国博覧会の収益をもとに、1857年に開館しました。他のヨーロッパ諸国(特にドイツ、イタリア、フランスなど)に比べ美に対する感覚や好みが遅れていたイギリス。基礎を築いたヴィクトリア女王とその夫アルバート公は、この博物館がイギリス国民が芸術に触れられる場所となり、国民の美意識を高め、その洗練された感覚が産業革命で一気に発展していた工業・技術に反映されるようにと願いました。そして、この博物館が、イギリスの最先端の技術を紹介する場にもなっていったのです。(余談ですが、1885年のイギリス万国発明品博覧会には、日本橋の榮太郎もお菓子を出品しています。)

当時は、よほどのお金持ちか、上流階級でなければイタリアやフランスへ旅をすることができなかった時代。イギリス国内の鉄道事情が発達したことで、国内移動の時間はぐっと短縮され、気軽に旅ができるようになりました。ロンドン市民だけでなく、イギリス国内各地から、人々がサウス・ケンジントンにやってくるようになりました。そして子供からお年寄りまで、全ての階級の人が来館できるようにと、入館料は無料となったのです (実は有料の日もあったのですが、それには理由が。これはまた別の機会に!)。仕事の後にも立ち寄れるようにと、週に一回夜遅くまで開館時間を長くしていました 。これは今もFriday Lateとして引き継がれています。

V&Aメインカフェ
V&Aに行ったら、ぜひお茶してほしいカフェ

博物館で1日を過ごせるようにと、V&Aでは世界で初めての来館者のためのカフェが設けられました。1856年に作られたそのカフェは、仮設のようなひどい作りだった上に、とてもくつろげるような空間ではなく、1867年に取り壊し。そして1868年に当時の三大デザイナー、ウィリアム・モリス、エドワード・ポインター、ジェームス・ガンボルによって手がけられた部屋は今でもカフェとして利用されています。興味のある方達はぜひ、V&Aのサイト、Building The Museumをご覧ください。ここではボイラー・ハウスと呼ばれて始まったV&Aが、現在の大きさになるまでの改築・増築の流れなども分かります。

『コロナと共存』

そうイギリス首相ボリス・ジョンソンが宣言して、まだマスク着用や手の消毒などをお願いしているところもありますが、日常生活は、ほぼコロナ以前に戻りつつあります。レストランやカフェなど、テーブルや椅子の数を減らして間隔を取っていたところも元に戻りつつあります。私の通勤も、隣の席が空席でない日が増えてきました。規制が厳しかった映画館や劇場、ライブハウスに加えて、ミュージアムやギャラリーにもまた人が足を運び始めました。

V&Aではマスク着用は義務ではないですが、連日売り切れの大人気だったFabergé in London展などの混雑している場所での自主的なマスク着用率は高いです。

V&Aにある消毒用ハンドジェル
前は目立つ色で際立っていた消毒剤も、こんなふうにひっそりとしています。

昨年2021年5月19日に開館日を週5日として再オープンしたV&Aも、今年4月からコロナ以前のように週7日となりました。毎週金曜日夜10時までのFriday Late、学校の遠足グループやワークショップなども始まり、一気に活気が戻りつつあります。大人気のボランティアスタッフによる、無料のギャラリートークも復活。ロック・ダウンの間に増えたオンラインでのコースやトークなどのイベントは、海外からでも参加できるようになっていて好評です。

V&Aの楽しみ方いろいろ

V&Aは館内地図を手にしていても迷ってしまうほど広く、そしてややこしい作りで、コレクションも200万点を超える大きなミュージアム。じっくりたっぷり回ろうとすると3日はかかるのではないでしょうか? 前もって予習して、見たいもの・興味のあるものに絞り込むのもいいですが、時間に余裕があるようだったら、館内地図は見ずに、ぶらつきながら楽しむのがおすすめ。 館内のあちこちにいるボランティアやスタッフに「あなたの好きな展示はなんですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。タイミングが良ければ、展示物の入れ替えなどで学芸員がケースを開けて作業している場面に出会うかもしれません。混雑具合や、天気によってもギャラリーの見え方が違ってきます。新しい発見を体験する絶好の機会です。

V&AのFashioning Masculinities展のガラスドア
エキジビション・ロード側から見るミュージアムもまた格別。

V&Aの特別展はいつも大人気ですが、3月から始まったFashioning Masculinities展がじわじわと盛り上がりつつあります。いろいろな切り口で取り上げられてる『ダンディズム・男性のおしゃれ』。私は喫煙はしませんが、見た後に葉巻を咥えたくなる気分になりました。2022年11月までの開催です。こちらもまたそのうち他のファッション・コレクションとともにじっくりとご紹介できたらと思います。

V&Aのビアトリクス・ポター展の入口
ビアトリクス・ポター自身に焦点を当てた展示となります。
ビアトリクス・ポター展の展示物
展示物のあちこちにネズミが走り回っています。

日本でも大人気のビアトリクス・ポターのDrawn to Nature展は、来年2023年1月までの開催なので、ヨーロッパ・イギリス方面へ旅行の予定があれば、ぜひチェックしてみてください。V&Aととても深いつながりのあるビアトリクス・ポター。あらためて展示内容と一緒に紹介できる機会があるかと。あちこち可愛いネズミが走り回っています。

特別展はオンラインで売り切れになっていても、当日館内のチケットデスクで購入できる場合もあります。もし、時間があって、有料特別展を回ったり、ショップでお買い物を楽しんだり、V&AのカフェでのんびりしたいなぁというあなたにはV&A Membershipをお勧めします。1年間有効のメンバーシップの特典は、有料特別展への入場(無料!)や、カフェやお店での割引、メンバーシップ限定のイベントなどがあります。V&Aはイギリス国内在住のメンバーだけでなく、世界中のメンバーに支えられています。

展示だけでなく、V&Aを楽しむのでれば、先にも触れたカフェや、そのカフェの中にある『女王陛下のトイレ』、カフェからシルバー・ギャラリーへと続く陶器で覆われた階段やチフリがデザインしたシャンデリアのあるクロムウェル・ロード・エントランスなどは外せません。それぞれの展示の説明の最後に『ミュージアム・ナンバー』なるものがありますが、その数字の下4桁はそのオブジェクトがV&Aにやってきた年を示します。それにラファエル・カートゥーンやヴィクトリア女王のコロネットなど、ミュージアムにやってくるまでの経緯がわかる説明もお見逃しなく。今現在はバッキンガム・パレスへ貸し出されていますが、日本のギャラリー には1860年に徳川家茂将軍からヴィクトリア女王に贈られた妙椿の鎧が常設展示されています。

V&Aコレクションページのスクリーンショット・メダルキャビネット
ヨーロッパのギャラリーで展示されているメダル・キャビネット。コレクション・ページで詳しく説明されています。

映画の字幕と一緒で、展示の説明はスペースが限られているので、気になったオブジェクトはV&Aのサイト、COLLECTIONでチェックしてみてください。ケースの中に入っていて、後ろ側や、中身が見えないものなども、いろいろなアングルの写真があったりしてなかなか面白いです。

フィグ・リーフ

ここV&Aで「絶対見ておかなくちゃ!」なのは、やはり、ダビデ像のフィグ・リーフではないでしょうか。私の大好きな展示品の一つでもあります。海外へ行かれずにサウス・ケンジントンにやってくる人たちのために、各国の誇る芸術作品や有名な建築物の石膏レプリカが製作・交換されました。アルバート公が提案し、ヨーロッパ諸国が賛成して実現したのです 。その展示で誕生したキャスト・コートの目玉の一つがミケランジェロのダビデ像です。ヴィクトリア女王がその巨大な裸体を見るのに困ったため、石膏のフィグ・リーフが特別に作られました。ケースに収められ、ダビデの足元、裏側(お尻の下のほう)に展示されています。今現在は特別展Fashioning Masculinitiesに展示されているため、終了時までキャスト・コートでは写真のみ。

V&Aのキャスト・コートにあるダビデ像
館内最大規模の展示のあるキャスト・コート。ガラスの天井から入る日差しが素晴らしい影を作り出すので天気のいい日の午前中がおすすめです。
V&Aのキャスト・コートにあるフィグ・リーフ
BBCではなんとドキュメンタリーまで2011年に製作されています。『Fig Leaf The Biggest Cover-Up in History』。ご興味のある方はぜひネットサーフしてみてください。

足を運ばずに楽しむことも!

V&AのYouTubeチャンネルにも学芸員による解説などもあり、来館前の予習にも欠かせません。そして大好評のBBCのSecrets of The Museumもシリーズ3が製作され、今現在放映中です。
これだけ広いV&A、やはり一度で全てを紹介するのは無理でした。実際に何度も足を運んでV&Aを楽しむように、今回はV&Aってどんなところ?という紹介で締めくくり、これから少しづつご紹介していけたらと思います。お楽しみに。

V&Aの公衆電話

最後に、今ではすっかり見かけなくなった公衆電話がひっそりとトイレの近くにあったりもします。どこのトイレかは、V&Aに行った時に探してみてください。

V&Aの外観
Victoria and Albert Museum(ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム)
+44(0)2079422000

hello@vam.ac.uk
毎日10:00~17:45、金曜日は22:00まで
12月24日〜26日
V&A YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCmaflrfppKNfq8uuZVZZxQg
※お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。

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M
EXSENSES公式ライター

半年の予定の渡英が、かれこれ20年ちょっとのイギリス在住歴。
学生の時に出会った『路上観察学会』の影響で観察大好きになる。
イギリスの片田舎に住みながら、免許も車もないけど、自転車を7台持っているチャリキチ。