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イベリア半島の大半を占めるスペインは観光大国として知られています。スペインの最も有名な観光地といえば、サグラダ・ファミリア聖堂ではないでしょうか。スペインが世界に誇る建築家・ガウディが後半生の全てを費やしたとされるサクラダ・ファミリアは着工して140年経った今でも完成に至っていません。しかし、ガウディが生んだ最高傑作はサグラダ・ファミリア聖堂ではなく、コロニア・グエル教会といわれています。今回は6月25日で生誕170年を迎えるガウディの傑作、コロニア・グエル教会の秘密に迫っていきます。
コロニア・グエル教会とは?
労働者のための教会!?
コロニア・グエル教会は繊維工業住宅地区の一角に建てられた教会です。実業家・グエル氏が自身の経営する繊維工場を移設する際に、工場で働く労働者のために住宅や学校、病院などの街を作る計画を立てました。その際、街中の教会の設計を依頼されたのがガウディでした。まさに労働者のために造られた街の教会といえます。
未完の大器「コロニア・グエル教会」
教会は1908年に着工され、地下聖堂となる地下の基礎や教会に通じる階段は完成しました。しかし、ガウディは1914年にサクラダ・ファミリア聖堂の設計に専念するために建設は一時中止となります。その後、教会としてオープンできるように教会の屋根と鐘楼が建てられました。ガウディが設計に携わったのは地下聖堂のみでしたが、現在では地下礼拝堂として知られています。数々の歴史に残る建築物を世に残してきたガウディの最高傑作が未完の作品であることは、いかにガウディが偉大であったか表すのにふさわしいでしょう。
アクセス
コロニア・グエル教会はバルセロナ中心地から北西に約20kmに位置しています。行き方はカタルーニャ鉄道のスペイン広場駅から約20分に乗り、コロニアグエル駅で下車して徒歩で約12分です。
コロニア・グエル教会の特徴
構造模型の使用
コロニア・グエル教会は、逆さ吊り模型構造を参考に造られています。逆さ吊り模型構造とは錘を入れた袋に多くのロープで吊るしてアーチを造り、建物全体のバランスを把握する方法です。ガウディは完璧なアーチを描いた外観の教会を建てるために逆さ吊り構造模型に10年の歳月を費やしました。この模型構造を取り入れることで、多くのガウディの作品に見られる、複雑な構造の外観でも頑丈で耐久性のある建物ができるのです。逆さ吊り模型構造はサクラダ・ファミリア聖堂建設の際にも大いに役立ちました。
七色の花柄のステンドグラス
コロニア・グエル教会の内部に入るとまず目に止まるのが七色の花柄のステンドグラスでしょう。七色の花柄のステンドグラスはガウディの弟子であるジュセップ・マリア・ジュジョールによって造られました。色鮮やかに光り輝くステンドグラスに光が差し込むと構内が独創的な雰囲気に包まれます。ステンドグラスは窓の役割を担っており、窓を開くと蝶が羽を広げたような美しい形を見せてくれます。
礼拝用の椅子
ガウディは構内の礼拝用に椅子もこだわり、礼拝で懺悔する際に前の椅子に手が置けるように椅子の後ろに板を設置。椅子は2人掛け用ですが、お祈りの際に隣の人を気にせず、自分の世界に集中できるようにとお互いの体が外側に向くような形をしています。ガウディの、教会を訪れる人への細かな配慮が椅子にもよく表れています。
ガウディ作品の定番「トレンカディス技法」
コロニア・グエル教会の外観はガウディ作品の基本である「トレンカディス技法」を採用。「トレンカディス」とはカタルーニャ語で破砕タイルを指します。破砕タイルをバランスよく組み合わせて建物を造る技法が「トレンカディス技法」です。コロニア・グエル教会では窓などの開口部に多くのトレンカディスが施されており、防水の役割を担っています。他のガウディ作品には見られない、宗教的なシンボルや装飾にも多くのトレンカディスが用いられているのも特徴です。
ガウディゆかりのスポット
サグラダ・ファミリア聖堂
ガウディ作品の代表的な建物。3つのファサードと呼ばれる門の真ん中に4本の空へと伸びた尖塔が特徴的な建築物です。3つのファサードはキリスト教の生みの親であるイエス・キリストの生涯を「生誕・喜び」「死・悲しみ」「永遠の生・栄光」のそれぞれ3つのテーマにわけて造られました。受胎告知や最後の晩餐などイエスの有名なシーンが彫刻で描かれています。塔にはエレベーターが付いており、塔に登るとバルセロナ市内が一望できます。夜になるとライトアップされると昼間とは違った、黄金に輝く聖堂と見られます。毎年多くの観光客でにぎわうため、入場チケットを事前に予約しておくことがおすすめです。
グエル公園
実業家・グエルがバルセロナの一角にイギリス風の田園都市を造ろうと計画しましたが、工事を中止となった跡地がグエル公園です。芸術的価値だけでなく、住みやすさに配慮した未来都市をイメージして造られた点が世界的に評価されています。園内には童話「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家をモチーフにした正門やギリシア神殿の柱に似せた柱が特徴的な市場があります。園内の環境維持の目的で入場制限が設けられ、観光シーズンには数時間待つこともあるため、入場の際は事前に入場チケットを予約しましょう。
カサ・ミラ
バルセロナのメインストリートであるグラシア通りの建つモデニスモ建築の集合住宅。直線を一切使わず、地中海の波をイメージしたゆがんだ曲線が特徴的です。完成当時は周辺市民からは醜悪な建物として石切り場を意味する「ラ・ペドレラ」と呼ばれていました。現在も賃貸住宅として4世帯が住んでいます。屋上はガウディ作品の真骨頂といえるユニークなオブジェ群を間近で見られると人気です。
バルセロナで観光するならガウディ建築を!
バルセロナにはガウディ作品の建築物が多数あり、そのほとんど世界遺産に登録されています。サクラダ・ファミリアはガウディ没後100年である、2026年の完成に向けて工事の真っ只中です。ユニークで幻想的なガウディ作品の建物を目に焼き付けてみてはいかがでしょうか。
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