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Part 01でブルゴーニュ地方をご紹介したのに続き、Part 02では、もう一つの銘醸地であるボルドー地方をご紹介します。ワイン愛好家でなくても「ボルド-」の名前は聞いたことがあるのではないかというほど世界に知れ渡る有名なワイン産地であり、生産量の9割が赤ワインです。
ブルゴーニュ地方と大きく異なる点は、ボルドーでは複数のぶどうを混ぜてワインを造ることです。
ボルドー地方へ行くには?

ボルドー地方へのアクセスは、パリのモンパルナス駅から高速鉄道TGVを利用するのが便利です。ノンストップで約2時間10分、ガロンヌ川に架かる鉄道橋を渡ると間もなくボルドー・サン・ジャン駅に到着します。
ボルドー
世界遺産に登録された美しい街


ボルドーは、ピレネー山脈に源流を持つガロンヌ川の左岸に位置し、古くからこの地方の中心都市として栄え、港も整備されました。
ユネスコ世界遺産に登録されている街の中心に建つゴシック様式のサンタンドレ大聖堂は、ボルドーの象徴的な歴史的建造物であり、その威容に圧倒されます。



パリのオペラ座のモデルとなったと言われている大劇場、水鏡、かつて城壁に囲まれていた面影を今に残すサンテロワ門など見どころも多く、散歩も楽しい街です。
ISHIKAWAという本格的な日本食レストランもあります。
ワイナリー巡りスタート
ボルドー地方の主要生産地
ボルドー地方はガロンヌ川とドルドーニュ川が合流してジロンド川となって大西洋に流れ込む河川流域に広がっています。3つの川の沿岸にぶどう畑が広がり、産地は大きく5つに分かれ、地質も異なります。
- ジロンド川左岸:メドック地区(砂利質主体で水はけのよい土壌)
- ドルドーニュ川右岸:サンテミリオン地区、ポムロール地区(石灰質、粘土質)
- ガロンヌ川左岸:グラーヴ地区(砂利を多く含む)
- ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれたエリア:アントル・ドゥ・メール地区(砂、砂利、粘土質が混ざる)
メドック地区と格付け

ジロンド川下流のメドック地区、上流のオー・メドック地区に分かれ、オー・メドック地区には格付シャトーが集中しています。
メドック地区の格付けは、パリ万国博覧会にあわせて1855年にナポレオン3世により制定され、61のシャトーが1級から5級に格付けされました。1級に格付けされたシャトーは5大シャトーと呼ばれています。
ブルゴーニュではぶどうの栽培から醸造、瓶詰まで行う生産者を「ドメーヌ」と呼ぶのに対し、ボルドーではワインの醸造所と生産者を「シャトー」と呼びます。ボルドーではブルゴーニュのように畑を複数の生産者で所有することはなく、「シャトー」が一つの畑を所有しています。その畑のぶどうから、文字通りお城のようなシャトーでワインを造っていることに由来しています。
シャトー・マルゴー(マルゴー)

5大シャトーの一つであるシャトー・マルゴー。
ここは、その名の通り立派な建物のシャトーの周りに畑が広がります。
予約をすれば一般の訪問者でも無料で約1時間かけて内部を案内してくれます(ただし、予約は非常に取りにくいです)。
ツアーではぶどうの絞り機、樽製作所、樽発酵、貯蔵庫等を惜しげもなく見せてくれるだけでなく、ワイン造り研究に関するシャトーの取り組みまでも詳しく説明いただきました。シャトー入り口前の実験用ぶどう畑では根のはり方を地下深くまで観察できるような施設があったり、日照とぶどうの木の並びを10年単位で探求したり、そういった仕事に携わる研究職の方々が約80名(多くが博士)もいるそうです。

新しいセラーは周りの景観と調和するような、樹をイメージした柱が並び、シャトーと共にエレガントな佇まいを見せています。

最後にセカンドラベル(Pavillon Rouge)の試飲も見学に含まれます。
予約は取りにくいものの素晴らしい体験ができますので、ボルドーに行かれるときはまず最初にシャトー・マルゴーの見学日程を確認されることをお勧めします。

ラ・ミッション・オー・ブリオン(ペサック レオニャン / グラーヴ)
5大シャトーの一つであるシャトー・オー・ブリオンと道を挟んで向かい合い、所有者は同じでワイン作りも共同で行っています。
1959年のグラーヴの格付けでグラン・クリュ・クラッセ・ド・グラーヴに選ばれ、質の高いワインを造り、年によってはオー・ブリオンを超えることもあります。
古くは修道士が管理していた名残が敷地内のチャペルに残っています。



こちらのシャトーも予約すれば無料でスタッフが案内してくれます。
見学の最後にラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンドラベル (La Chapelle de La Mission Haut-Brion)と、シャトー・オー・ブリオンのセカンドラベル (Le Clarence de Haut-Brion)の試飲も含まれます。訪れた時にはそれぞれ2017年のワインでした。
オー・ブリオンは(セカンドラベルも含め)、ボルドーの典型的なボトルの形と異なるため、すぐにわかります。首が長く滑らかな曲線を描くこのボトルは1958年のヴィンテージから使われ始めました。


レオヴィル・ポワフェレ(サン ジュリアン)
サンジュリアンでは、レオヴィル・ポワフェレを訪れました。レオヴィル3兄弟と呼ばれる3シャトーの中で、レオヴィル・ラスカーズと同じ敷地内で醸造しています。
こちらは有料ですが、スタッフが1時間かけて丁寧にかつ熱心に案内してくれます。ぶどうの樹を見てカベルネソーヴィニヨンやカベルネフラン等を見分けるのは難しそうですが、葉の形が微妙に異なったり、若葉の頃に少し赤みがかっているなどの違いがある事も教えてくださいました。

その他、ステンレスタンクの内部2重構造の理由や冷却方法、業者による樽の違いなど、大変興味深い説明が続き、あっという間に見学時間が終了しました。
さてこの赤ワイン用貯蔵樽、ブルゴーニュの回で説明した通り真ん中が赤く塗られてますね。それでもウイヤージュの時にあふれてしまった跡があって、やはり難しい作業なんだと改めて思いました。

シャトー・ランシュ・バージュ(ポイヤック)のカフェ
1日で何軒もワイナリーを訪問するのは難しく、シャトー・ランシュ・バージュ見学はかないませんでしたが、隣で経営しているカフェ (Café Lavinal)でランチをいただきながらワインを楽しむことにします。


カフェの隣にはランシュ・バージュのぶどう畑が広がっていました。

魔法の調合、アッサンブラージュ

単一ぶどう品種のワインのみ認められているブルゴーニュに対し、ボルドーでは複数のぶどう品種をブレンドして最終的なワインにするという大きな違いがあります。
このブレンド作業・アッサンブラージュは年毎のぶどう品質の特徴を最大化しそのシャトーの色を出したワインにすることが目的で、言葉にすると簡単そうですが、実際の作業では発酵したてのワイン2種または3種を試飲して、実際に飲み頃となる数年後の姿を予測しながら1%単位で調合するという非常にデリケートなものです。
またこのアッサンブラージュによりそのシャトーのファースト、セカンド、サードワインが作られることもボルドーの特徴です。
メドック地区の歴史
メドック (Medoc)の語源はラテン語で「水の中心」。その名のとおり昔は湿地帯であり、農作物の栽培に適した土地ではありませんでした。優れた灌漑技術を持つオランダ人により干拓されぶどうの栽培が始まると、貴族や裕福な商人は館(シャトー)を建てワイン造りを開始。今では高品質なワインの産地として世界に知れ渡るようになりました。ワイン愛好家としては、オランダ人の功績にスポットを当てたシャトーがあっても良いのでは?と思ったりします。
ボルドー地方のぶどう畑の風景

元々湿地帯だっただけあって一部を除いてぶどう畑は平地に広がり、田んぼが広がる日本の平野を思い起こします。サンテミリオン地区は丘陵地帯になっていてメドックとはまた違う風景です。
メドック地区のお祭り
メドック地区ではワインのイベントもたくさん開催されます。
なかでも2年に一度開催されるボルドー・ワインフェスティバルは、ボルドーワインのテイスティングを存分に楽しむことができます。
今回はドルドーニュ川右岸のサンテミリオン地区とポムロール地区まで足を伸ばすことが叶いませんでした。次回は2年後のワインフェスティバルの時期にボルドーを訪れ、そちらの方にも行ってみたいと思います。
9月に開催されるメドックマラソンは毎年テーマが決められ、ランナーはテーマに沿った仮装をして参加します。
ぶどう畑を眺めながら走るコースの途中、ワインやチーズを味わうことができ、完走するとワインをもらえます。
ワインを楽しみながら走れるなんて、とても素敵なイベントですね。ワインとマラソンがお好きな方は是非挑戦してみませんか。
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