ベトナムの美を象徴する民族衣装「アオザイ」

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ベトナムといえば「アオザイ」といっても過言ではないほど、アオザイはべトナムを象徴するイメージのひとつ。ベトナム人女性が華麗にアオザイを着こなしている姿は、誰もがうっとりしてしまいますよね。この記事ではアオザイの歴史や特徴のほかに、オーダーメイドできるお店も紹介しています。アオザイの魅力をぜひ感じてみてください。

アオザイとは?

アオザイを着ている女性
photo by risariingo

「アオザイ」はベトナムを代表する民族衣装です。ベトナム語の表記は「Áo Dài 」。「Áo」は ”衣服” 、「Dài 」は ”長い” という意味があり、その名のとおり、アオザイはロングドレスにズボンを組み合わせたもの。ベトナムで印象的な美のシンボルのひとつといわれています。アオザイは数百年もの間ベトナムの歴史とともに発展し、高潔なものから実用的なもの、素朴なものからファッショナブルなものへと変化してきました。

アオザイの歴史

ベトナムのアオザイを着た学生が通学している様子

ベトナムが内陸と外地の2つの領土に分割された1744年、当時の内陸の国王が国民を見分けるために国民に、前ボタン付のガウンとズボンを着用させました。5つのパーツからできたその衣服が、現在のアオザイの原型になったといわれています。

1884年にベトナムがフランスの植民地となりフランス文化が浸透すると、アオザイも大きく変化します。西洋ファッションの影響を受け、体のラインに沿わせたシルエットは人気でしたが、その一方で本来のベトナムのアオザイの雰囲気とは異なるため多くの批判もあったよう。しかし次第に都会の女性たちが現代的なスタイルを受け入れ、広く普及していきました。

ベトナムの結婚式

1930年代、アオザイはベトナムの芸術家によって現在と同様の2パーツにまで簡略化されます。長い間、仕事がしやすいようにゆったりとした作りでしたが、デザインの変化とともに特別な日のための「正装」として着用されるようになりました。

2000年代になると、アオザイはベトナムの “文化” として認知され、海外からもそのファッション性を評価されはじめます。国際的なファッションイベントなどを通じてその美しさと魅力が広まり、現在も多彩なスタイルのアオザイが生まれています。

アオザイはどんな時に着るの?

アオザイを着ている女性

日本の着物と同じように、アオザイは結婚式や成人式など伝統的セレモニーや特別な機会で着られています。また旧正月には、ベトナム人女性がアオザイをおしゃれに着こなし、美しい景色のなかで写真撮影する光景がよく見られます。その時期のインスタグラムはアオザイ姿の女性の写真がたくさん!さらに最近では、旅行者がアオザイを着てベトナム観光をするのがブームで、アオザイ姿で街を散策する外国人も増えているそうです。

デザイン

アオザイはもともと単色が主流でしたが、次第に鮮やかな色、華やかな柄をあしらったデザインも着られるようになって来ました。また、アオザイは体にフィットしたシルエットが美しいとされています。上着の襟はやや高めで腕や胸まわりはジャストサイズ、下半身に向けてラインは真っ直ぐか少々Aラインになっているのが特徴です。ズボンは基本的にゆったりした形で、丈が広めで長さは足首くらいまであります。

カラー

ベトナムで販売されているアオザイの生地

アオザイの色にはそれぞれ意味があります。例えば、赤には幸運と繁栄の意味があるので結婚式で着られることが多く、黒は主にお葬式のときに着用されます。かつて王朝時代は、金色は王族の色とされていました。ベトナム人女性は、生年月日と五行思想(古代中国の自然哲学の思想)を関連させて、縁起の良い色を選ぶことが多いです。

素材

アオザイの素材も、綿、シルク、ポリエステルなどさまざま。着用するシーンや好みによって選ぶことができます。暑い気候で着用する場合は、通気性と吸水性に優れた綿がおすすめ。上品な印象を与えたいときには高級感のあるシルク、また普段使いのアオザイには丈夫でシワになりにくいポリエステルがおすすめです。

ホーチミン

ホーチミン

せっかくのベトナム旅行。自分へのお土産にアオザイを作るのはいかがですか?オーダーメイドできるお店の多くはホーチミンにあります。その中から、2つのお店をご紹介します。

うさぎ(Usagi)

アオザイやワンピース、洋服、スーツなどのオーダーメイド専門店。日本語堪能のスタッフがいるため、細かいニュアンスが必要になるオーダーメイドでも安心して任せることができます。客層はほぼ日本人とのことで、そのことからも品質の高さをうかがえます。完全オーダーメイド制なので、事前に好みのデザインを用意しておくことをおすすめします。

うさぎ(Usagi)
(08)38226433
9:00〜19:30
なし(旧正月「テト」期間は要確認)
※お買い求めの際には、必ず最新情報を店舗の公式ウェブサイトでご確認いただくか、店舗にお問い合わせください。

マングローブ(Mangrove)

マングローブの看板
photo by misako_vietnam

ホーチミン在住の多くの日本人から支持され、リーズナブルな価格でしっかりした縫製のアオザイが作れます。さらに仕上がりはどれも翌日仕上げなので、早い・安い・良質、と三拍子そろった貴重なお店。広々とした店内には、色々なアオザイや洋服がディスプレイされているので観光のついでに立ち寄ってみるだけでも楽しめます。

マングローブ(Mangrove)
(08)38243465
9:00〜19:00
なし
なし
※お買い求めの際には、必ず最新情報を店舗にお問い合わせください。

ハノイ

ハノイの街

ハノイでもアオザイを作れる場所もご紹介します。カラーや素材など、自分好みのアオザイを作ってみてくださいね。

フン・カック・コアン通り(Phung Khac Khoan)

ハノイで衣料品店や生地店が集中しているのが、フン・カック・コアン通り。アオザイのオーダーメイドに対応しているお店もありますが、仕上がりまで少し時間がかかるのでオーダー前に必ず確認するようにしましょう。まず2、3店舗まわってみて、どのお店でオーダーするか決めるのがおすすめです。

ドンスアン市場(Dong Xaun Market)

ハノイのドンスアン市場で売られている生地
photo by flange0604

ハノイ最大級の屋内型市場「ドンスアン市場」。旧市街の北端に位置します。数百ものお店がひしめき、衣類の他にもお菓子やバッグ、小物など様々なものが揃います。アオザイ探しは2階へ。デザインのサンプルは無いことが多いので、どのようなものを作りたいか予めイメージを用意しておきましょう。

早めに閉めてしまうお店も多かったり、観光客には高めの価格を提示してきたりと注意は必要ですが、アジアの雰囲気を感じられる市場なので、ぜひ一度足を運んでみてください。

ドンスアン市場(Dong Xaun Market)
なし
7:00〜18:00
なし
なし
※お買い求めの際には、必ず最新情報を各店舗にお問い合わせください。

伝統と流行が調和したアオザイ

歴史や伝統とともに変遷し、いまだ進化し続けているアオザイ。今では伝統衣装という枠を超え、ベトナムの文化的シンボルとなっています。さまざまな国や文化が介入したベトナムの歴史があるからこそ、多くの人がアオザイに魅了されるのですね。次にベトナムへ訪れた際には、違った視点でアオザイに触れてみるのも楽しいかもしれません。

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エクセンス編集部
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