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美食の都として知られるフランス。その首都のパリではこのところ有名店が軒並み新店舗を構えています。慌ただしいパリでの滞在時間にわざわざ本店に出向かなくても、新店舗でゆっくりとその味わいを満喫することもできる……。パリの今のパティスリーのトレンドと共に、オープンしたばかりの新しいお店についてご紹介します。


まずは、Ritz Paris Le Comptoir Sèvresから。オテル・リッツ・パリといえば、かつてココ・シャネルが暮らしていたことでも有名。ココはアパルトマンではなく、オテル・リッツ・パリのスイート・ココ・シャネルの部屋に住んでいました。そして、ココはアトリエのあるカンボン通りにオテル・リッツ・パリから毎日通っていたのですが、そのカンボン通りに面したオテル・リッツ・パリのサロン・ド・テが、“リッツ・パリ・ル・コントワール”なのです。
この店の2号店がパリの左岸、ボンマルシェのデパートのすぐ向かいに昨年6月にオープンしました。しかも今年からはリッツ・パリ・ル・コントワールの新たなシェフ・パティシエとしてJoris Theyssetが就任。ジョリス・テッセが手掛ける新作Pavlova To Goは、本来ならばアシェット・デセールとしてレストラン内でお皿の上で提供されるパヴロヴァをあえて細長いフォルムとすることで、テイクアウトして食べられるフィンガーデザートへと見事に昇華させたのです。

そして、リッツ・パリ・ル・コントワールのオリジナルブレンドコーヒーRitz Paris Le Comptoir × lomiもお薦め。
コーヒー豆の焙煎を行うパリのコーヒー専門店“ロミ”とのコラボレーションによって生まれたこのコーヒーは、ホンジュラスとコロンビア、エチオピアの3つのテロワールから採れたコーヒー豆を使用。チョコレートとキャラメルのような深みを感じさせる甘い匂いと柑橘系のフルーツのような瑞々しい香り、そして華やかなフラワーノートが漂う、唯一無二の個性的でとても香しい香りです。
筆者がこのコーヒー豆をプレゼントされた時、コーヒーのはずなのに柑橘系の果実のような甘酸っぱいフレッシュな香りが袋から漂ってきたので、袋を開けるまではてっきりコーヒー豆に柑橘類のドライピールやカカオ豆もミックスしているのかと思ってしまったほど……!けれども袋の中を見たらコーヒービーンズだけだったので、とても驚くと共に感銘を受けたのです。コーヒー好きの方にはぜひプレゼントしたい逸品です。


45 Rue de Sèvres, 75006 Paris, フランス
+33961045313
10:00~20:00
https://www.ritzparislecomptoir.com/en
ラデュレのコーヒー専門店Ladurée CaféとLadurée Paris Jardin du Luxembourg Coffee Shopも見逃せない。

このところパリはコーヒーブームとあって、ラデュレは今年の3月にヴィクトル・ユーゴー界隈に新店舗のLadurée Caféをオープンしました。 “ラデュレ・カフェ”のエスプレッソは、フローラルな中にもちょっぴりスパイシーな香りのアクセントが効いたエチオピアのモカをチョイス。こちらのカフェ・ラデュレのペーパーカップはモダンでシンプルなデザインのロゴですが、実はコーヒー好きにお薦めなのがリュクサンブール公園を臨むLadurée Paris Jardin du Luxembourg Coffee shopです。
見目麗しいコーヒードリッパーで淹れてくれるオリジナルブレンドMélange Laduréeを店内で味わうも良し、あるいはチェック・パターンがかわいらしいペーパーカップに注がれたカフェ・クレームやカフェ・ラテ、カプチーノなどのコーヒーをテイクアウトして、フィンガーデザートやサンドイッチを味わいながらリュクサンブール公園を散策するのも楽しいひととき。
例えるならば、スターバックスが洗練された都会の街をスニーカーでカッコ良く闊歩するニューヨーカーのお供といったアメリカナイズされたイメージならば、“ラデュレ・パリ・ジャルダン・デュ・リュクサンブール・コーヒーショップ”のコーヒーは、自然溢れる木漏れ日の下を散歩しながら、歴史あるフランス庭園へのロマンティックな想いを馳せつつ味わうといった感じでしょうか。これこそが、まさしくフランス流のコーヒーなのです。


フランスらしいロマンティックなチェックのカップに、ラデュレのロゴをあしらったカフェ・クレームやカフェ・ラテ、カプチーノなどをオーダーして、いざリュクサンブール公園へ……。コーヒーと共に、公園のベンチに腰掛けてフィンガーサンドイッチやフィンガーデザートを味わうのも楽しいひととき。


4 Pl. Edmond Rostand, 75006 Paris, フランス
+33183320056
8:30~19:00
さて、最近話題を集めている新しいパティスリーがLa Divine。かつてラデュレのアーティスティック・ディレクターを務めていたSafia Thomass Bendaliが、シェフ・パティシエのSimon de Cagnyとタッグを組んで打ち出した新たなるスイーツが、ラ・ディヴィーヌです。

店名を冠した“ラ・ディヴィーヌ”というこのパティスリーはこれまでどこにも無かった新種のスイーツで、「マカロンに続くような、外国にもお土産として持っていける日持ちのする新たなるガトー・ド・ヴォヤージュ」というコンセプトを掲げて誕生したお菓子なのです。
サブレ生地のベースの上にアーモンドクリームとカスタードクリームを入れて焼いてから、表面をグラサージュしたタルトレットで、“ラ・ディヴィーヌ”の店に毎日並ぶのは6種類のラ・ディヴィーヌと、毎月フレーバーが替わる各月毎の1種類の特別なラ・ディヴィーヌの、計7種類のみという潔さ。
マレ地区に位置するブティックではパティシエが焼きあがったタルトレットの上でグラサージュする様子を目の前で見ることができてとても興味深いです。


ラ・ディヴィーヌのコレクションは、ピスタチオ味のDivine pistache verte de Bronte、 コーヒーのアロマのDivine café Arabica、 芳醇なラム酒が香るLa Divine rhum Ambré、 レモンとベルガモットが爽やかなDivine citron Bergamote、カカオ80%のガーナチョコレートを用いた Divine chocolat noir Ghana 80%、ローズ・ド・ダマスのフレーバーがポエティックな Divine rose de Damasの6種類。そこに、月替わりのラ・ディヴィーヌが1種類加わります。
37 Rue du Roi de Sicile, 75004 Paris, フランス
+33184160658
10:00~20:00


そして、このリポートのフィナーレを飾るのは、マロングラッセを生み出した老舗のBoissier。2027年に創業200周年を迎えるとあって、それに先駆けてアニバーサリー・イヤーを祝えるようにと、2025年の夏にギャルリー・ヴィヴィエンヌというパッサージュの中に、歴代のパッケージやチョコレートのムールなどのアーカイヴを飾るスペースを設けたブティックをオープンしました。
マロングラッセを並べるために温度と湿度が保たれているカーヴ・ア・マロン・エ・フリュイ・グラッセもあり、店内からはボワシエの長い歴史と伝統、フィロソフィーが伝わってきます。ルーブル美術館やパレ・ロワイヤルからも程近いので、ギャルリー・ヴィヴィエンヌの素敵なパッサージュを眺めながらぜひ立ち寄りたい新アドレスです。

64 Galerie Vivienne, 75002 Paris, フランス
+33189294231
11:00~13:30 / 14:00~19:00
定休日:日曜日
https://maison-boissier.com/en
東京モード学園を卒業後、同校のスカラシップにてロンドンのセントマーチンズへ留学。その後パリに移り住み、雑誌やカタログのための撮影コーディネートや原稿執筆に従事。また、ホテルの国際コンクールPrix Villégiature (プリ・ヴィレジアトゥール)で日本人唯一の審査員として10年以上務め、現在はビジネスや観光でフランスを訪れるお客様のプライベートプランの御相談に乗り、企画の提出からアテンドまで全てに携わっている。
portrait © Katsumi Nakao