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しばらく自由に旅ができない状態が続いています。少しでも旅気分を味わおうということで成田空港となりの航空科学博物館を目指しました。最近では、日本テレビ系列で2月2日放送の『有吉の壁』のロケ地にもなっていましたが、航空科学博物館には旅心をくすぐるさまざまな展示があります。今回は、学芸員の栁本真央さんにご案内いただいた館内の見どころをご紹介していきます。
さまざまな角度から飛行機を楽しもう
航空科学博物館の展示は、西棟、中央棟、東棟、体験館、747セクション41、屋外展示場で行われています。各展示棟のフロアごとに見どころをご紹介いたします。
西棟1階
「ボーイング747」館と呼べるほどB747に関する展示が充実しています。米国ボーイング社が開発したボーイング747は、「ジャンボジェット」の愛称で親しまれ、大量輸送時代を象徴する旅客機です。ここにはボーイング747-400(ダッシュ400)の大型可動模型、ボーイング747のエンジン、主翼断面、胴体断面、主翼の先端部分の展示もあります。キャビンモックアップや全日空とコラボしたリカちゃん人形をはじめ、世界の航空会社の制服をまとった人形たちも迎えてくれます。
ボーイング747-400大型可動模型とパノラマビジョン
西棟の1階に入ると、その存在感に圧倒されるのが、ボーイング747-400大型可動模型です。実物の1/8のスケールで再現され、可動するものとしては世界最大級の模型です。この大型模型と後方に設置されたコックピットが連動しており、壁面や床をスクリーンにして映像が流れ、実際に操縦しているような感覚を体験することができます。外形だけでなく各部の動きも実物そっくりに再現されているので、操縦に合わせて、車輪の出し入れや主翼のフラップの動作など飛行機の仕組みを見ることができます。
キャビンモックアップ
ボーイング747のエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスの実際の座席が並び、旅気分を盛り上げてくれると、女性に人気の場所がキャビンモックアップです。モックアップ内には、客室のほか、客室乗務員のギャレイ、ラバトリー(化粧室)のほかにボーイング747-400のコックピットの展示があります。このコックピットは矢口史靖監督の映画『ハッピーフライト』(2008年公開)の撮影に使用されたもので、実機を採寸し忠実に再現された。注意深く中を覗いてみると3つのサインが残されています。もしかして綾瀬はるかさんのサインもと探してみましたが、このセットで撮影を行った機長役の時任三郎さん、副操縦士役の田辺誠一さん、そして監督のものでした。
胴体断面の展示
B747の大きさや構造がわかる胴体断面の展示。ぜひ近づいてジュラルミンのボディをよく見てください。その厚さはほぼ一円と同等です。
西棟2階 航空機の変遷
ライト兄弟が世界初の有人動力飛行を成功させた1903年から1932年までを黎明期、翌1933年から第二次世界大戦終結の1945年までの発展期、ジェット機による初の国際旅客飛行が行われた1946年から現代までを成熟期として展示が行われています。それぞれの期間で活躍した飛行機模型300機が並び、約120年の短期間での驚くほど急速な進化を遂げた飛行機の歴史を見ることができます。発展期を埋め尽くすのはほとんど戦闘機であり、皮肉にも戦争が飛行機を急速に進化させたという事実を証明しています。
中央棟3階 展望台
成田空港を離着陸する飛行機を間近に眺めることができます。「5階にも展望デッキがありますが、飛行機好きの方は、エンジン音を楽しめるこの展望台の方を好まれます」と、栁本さん。
中央棟4階 展望レストラン パノラマテラス「バルーン」
4階にある展望レストラン、パノラマテラス「バルーン」では、成田空港を眺めながらの食事を楽しむことができます。おすすめは『機内食風ランチ』で、A.和風オニオンソースハンバーグ、B.デミグラスソースハンバーグ、C.フィットチーネにポルチーニのクリームソースの3種(税込価格:A、B:1,000円、C:1,200円)から選べます。※メニューは季節によって変更あり
パノラマテラス バルーン
◎営業時間10:30~16:00(平日、~15:00)
◎オーダーストップ平日14:30、土日祝15:30
中央棟5階 展望デッキ
館内で最も高い位置から空港をはじめとした周囲360度を眺められる展望室。レーダー管制卓など航空管制に関する機器が並び、管制塔さながらの雰囲気で、飛行機の離着陸の様子や駐機している航空機や空港で働く車両なども間近に見ることができます。
中央棟1階 ミュージアム・ショップ
中央棟1階の入場ゲートの手前がミュージアム・ショップとなっています。小さなぬいぐるみや模型から大きいものでは機内で使用するハーフカートまで並んでいます。航空関係の雑誌や書籍の種類も豊富です。
東棟1階 DC-8のフライトシミュレーター
東棟1階にはDC-8のフライトシミュレーターがあり、成田空港から発着するフライト体験ができます。パイロット訓練用シミュレーターを改修したもので、実際の飛行映像に合わせて搭乗体験を楽しむスタイルのものです。また、DC-8のシミュレーターへの搭乗ドアとして活用されているのは、DC-10のドアトレーナーで、ノースウエスト航空が客室乗務員の訓練に使用していたものです。通常の運航では地上職員によってドアの開閉が行われるため、乗務員は操作することがありませんので、非常時に備えてドア操作の訓練が行われています。
東棟2階展示室 NAAコーナー
東棟2階の展示室は成田国際空港(NAA)が運営するコーナーで、成田空港のジオラマや空港の仕事、エコへの取り組みなど、さまざまな角度からNAAの全体像を紹介する体験型の施設になっています。2019年の航空科学博物館の開館30周年に合わせて導入された、大型スクリーンに展開される空港のグラフィックで空港の仕事が学べる「空港を支えるプロフェッショナルたち ~TEAM NRT~」、スーツケースを預けてから飛行機に搭載されるまでの様子をスーツケース目線の映像で紹介する「スーツケースの旅」、空港で働く人たちの制服を自身のアバターを使って疑似体験する「制服で記念撮影」などがあります。
成田空港ジオラマ
注目の展示は実物の1/800サイズで作られた成田空港とその周辺のジオラマ。もちろん航空科学博物館も再現され、自分のいる場所と空港との位置関係はもちろん、4,000mのA滑走路、2,500mのB滑走路や各ターミナルや整備地区のレイアウトや空港全体のスケール感が手に取るようにわかります。
NRT Airliners ~成田空港に就航した世界のエアライン~
航空写真家のチャーリィ古庄氏が撮影した飛行機の写真を展示しているコーナー。開港から現在まで、成田空港に歴代就航した機影が並んでいます。今では懐かしいエアラインの姿もあり、眺めているだけで、時間が経つのを忘れてしまいます。筆者は、まず、空の帝国と言われたPAN AM(パン・アメリカン航空)を探してしまいました。
体験館 B737MAXとB777のフライトシミュレーター
2019年に新設された体験館の2階には、実際の訓練で使用されているものと同型のボーイング737MAX型機とボーイング777型機のフライトシミュレーターが設置され、まさに「体験のハイライト」となっています。B737MAXのシミュレーターでは、成田空港へ離陸する一連の流れを体験しますが、精密なコックピットと前方を取り囲むプロジェクター画面で没入感覚を味わえ、操縦桿から伝わるリアルな感触も気分を盛り上げてくれます。B777のシミュレーターは、離陸・飛行・着陸を体験するコースになっています。
747セクション41
ボーイング747の本物の機首部分を公開しています。この機体は、1980年から2004年までシンガポール航空、ガルーダインドネシア航空、ノースウエスト航空などが使用していましたが、役目を終えてアリゾナ州のマラナ砂漠(いわゆる飛行機の墓場)で眠りについていました。セクション41とはボーイング社が機体製造時に機首部分につけた呼称ですが、その機首部分が8つに切断されて、はるばる日本に運ばれて、航空科学博物館で組み立てられたものです。インストラクターが案内する有料見学ツアー(料金:1人500円)でコックピットなどの機内見学ができます。
屋外展示場
屋外展示場には、新聞社の取材や航空機メーカーの社用機として使用されたセスナや海上保安庁、東京消消防庁などで活躍したヘリコプターなどが展示されています。注目したいのは、戦後初の国産旅客機となるYS-11の試作1号機。日本航空機製造で製作された双発ターボプロップエンジン方式の旅客機です。
各種イベント(企画展)
航空科学博物館では、常設展示のほかに期間限定の企画展示も行っています。現在、4月1日(金)から、6月26日(日)の会期で、企画展示『世界の航空切手』が開催中です。航空科学博物館が所蔵する航空機等をテーマとした切手を展示しています。普段は展示していない貴重な資料で、今回の公開は、2003年以来とのこと。(費用:入館料のみ)
カメラを片手に出かけてみませんか
搭乗気分が楽しめるキャビンのモックアップ、空港を眺めながら味わう機内食風のランチ、実機さながらのフライトシミュレーターなど、さまざまな体験の中で、旅気分が味わえるのが航空科学博物館です。空港に隣接、A滑走路からも至近なので、高度を上げていく機影を撮ることができます。天気が良かったので、飛行機の離着陸を眺めているだけで幸せな気分になりました。「旅のビタミン」不足を感じている皆さん、週末、ゴールデンウィークを利用して出かけてみてはいかがでしょうか。
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