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「漫画アクション」連載の漫画『駅弁ひとり旅』の監修を務め、全国の駅弁6000食を完食した鉄道写真家の櫻井寛氏による北海道から九州まで全国各地の櫻井氏おすすめの駅弁をご紹介していきます。
第3回目は、関東です。駅弁発祥の地といわれる宇都宮駅、わたらせ渓谷鐵道の神戸駅の名物駅弁、そして「だるま弁当」ではない隠れた高崎駅のおすすめ駅弁をそれぞれご紹介していきます。
駅弁発祥の地、宇都宮駅で味わう日本最初の駅弁
駅弁まんぷく旅の第3回は関東編、トップバッターは東京駅からスタートしようと思ったが、栃木県の宇都宮駅に決めた。なぜなら、日本最初の駅弁は、上野駅、大阪駅、天王寺駅…など、諸説あるものの、最も有力なのが宇都宮駅なのだ。明治18(1885)年7月16日、日本鉄道(現在のJR東日本)の宇都宮駅開業と同時に、宇都宮で旅館を営んでいた「白木屋」の斎藤嘉平が「黒ゴマをまぶしたニギリメシ2ケ、タクワン」を竹皮で包み、1個5銭で販売したという記録が残されている。日本の鉄道開業は明治5(1872)年の新橋〜横浜間だが、当時は「車内での飲食はまかりならぬ」という決まりだった。所要時間も53分だったので飲食の必要もなかったわけだ。けれども、それから13年が経過し線路も大宮から宇都宮(利根川は渡し船)まで伸びたことから飲食の需要が生まれ、記念すべき日本初の駅弁が宇都宮駅に誕生したというわけだ。その駅弁を再現したのが松廼屋(まつのや)謹製「滊車辨當(きしゃべんとう)」。竹の皮を開けば、梅とゴマのおにぎりが仲良く並ぶ。明治の汽車旅を連想しながら、いただきます!
群馬のブランド豚「やまと豚」を味わう名物駅弁
宇都宮駅からは次の駅弁を目指して東北本線を南下し小山駅へ、そして両毛線に乗り換えた。「両毛」の由来だが、何と、古墳時代までさかのぼるそうだ。現在の栃木県と群馬県の2県は、古代には「毛野国」と呼ばれていた。そして4世紀頃、上毛野国(現在の群馬県)と下毛野国(同栃木県)に分かれて今日に至っているわけだが、明治22(1889)年、そこに鉄道が開通したことから、二つの「毛の国」を結ぶ「両毛線」と名付けられたという。その両毛線に乗って桐生駅へ、さらに「わ鐵(わたらせ渓谷鐵道)」に乗り換えて山間の小駅、神戸駅で途中下車する。この駅の名物駅弁が「やまと豚弁当」だ。群馬のブランド豚「やまと豚」、みどり市産の醤油とりんごおろしでさっぱりとした味付けに。付け合わせのさつまいもも郷愁を呼ぶ味覚。製造は神戸(ごうど)駅のホームに隣接する元東武鉄道のデラックスロマンスカーを再利用した「レストラン清流」。駅弁には手拭いのおまけ付きなので、食後は水沼温泉駅へ。温泉の入口はホーム直結なので急いで裸になれば列車を降りて1分で露天風呂に入浴できる駅である。
「だるま弁当」だけではない高崎駅のおすすめ駅弁
駅弁を食べ、温泉にも入ったところで旅の終わりは、再び両毛線に乗って終着の高崎駅へ。群馬県のほぼ中央に位置する高崎駅は、上越新幹線、北陸新幹線、高崎線、上越線、信越本線それから私鉄の上信電鉄が発着する鉄道の要衝である。
高崎駅は鉄道によって発展してきただけに旨い駅弁もまた多いのだ。一番有名なのは「だるま弁当」だが、私のお気に入りは昭和9(1934)年から発売の「鶏めし弁当」である。鶏が餌をついばむ古風な掛け紙を外すと、香ばしい鶏肉の香りが広がる。鶏そぼろは甘すぎず辛すぎずの絶妙な味わい。海苔の上の鶏肉は照り焼きとコールドチキン。さらに舞茸入り肉団子、栗甘露煮、大粒のかりかり梅、野沢菜漬け、そして群馬県特産の赤こんにゃくが色を添える。こんにゃくは超低カロリーで整腸作用も抜群、なので駅弁の食べ過ぎにも効果あり!
名物駅弁を片手に関東の旅に行こう!
宇都宮の滊車辨當、神戸のやまと豚弁当、高崎の鶏めし弁当など栃木、群馬など北関東エリアも、美味しい駅弁が多くあります。両毛線とわたらせ渓谷鐵道の鉄道旅のお供に名物駅弁を楽しむのはいかがでしょうか。
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