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「鬼はそと、福はうち」
知れば知るほど奥深い節分、そして豆まき文化。ルーツが古代に遡るのをご存じでしょうか。いにしえより続く伝統行事を知るには神社仏閣に行くのがオススメです。今回は節分の歴史やカルチャー、2024年に京都で開催される面白いイベントを紹介します。
1100年以上の歴史を持つ節分と豆まき
豆まきの始まり
節分のルーツは古代中国の伝統儀式「追儺(ついな)」と考えられています。季節の分け目には「悪いもの」や邪気がこの世に現れやすいとされ、邪気の象徴が「鬼」でした。追儺とは、その鬼を追い払う儀式。災害、パンデミック、飢饉などの厄は鬼の仕業と信じられていたのですね。
日本での起源は奈良時代に遡ります。疫病が大流行した奈良時代の706年。この頃宮中に持ち込まれた中国の追儺は「鬼儺(おにやらい)」とも呼ばれ、災厄を払う儀式として日本でも初めて執り行われたのです。平安時代の890年頃になると陰陽師による鬼払いが盛んに。そんな鬼儺は次第に廃れ、江戸時代には豆まきがお寺の伝統行事となりました。やがて各家庭にも取り入れられていき、広く定着したと言われています。
鬼の姿も、もともとは概念的なもので決まっていなかったのだそう。様々な物語を通じて、今日ではパンチパーマに角という「鬼」の姿が定着しました。
パワーのある大豆で鬼退治
「福豆」と呼ばれる節分の大豆。古くから穀物(大豆、米、麦、ひえ、あわなど)には「穀霊(こくれい)」と呼ばれる精霊が宿っていると信じられてきました。特に粒の大きい大豆にはより多くの精霊が宿ると考えられ、大豆をまく文化が完成します。
他にも「魔滅(まめ)」と書くことから無病息災の効果も期待されています。
福豆には必ず炒った豆を使います。邪気退治に使った豆を拾い忘れ芽を出すと一大事。そのため必ず大豆の水分が飛ぶまで熱してから使いましょう。また「炒る=射る」といった言葉遊びのように、より鬼退治の確率が上がるような願掛けも込められています。
実は大豆の代わりに落花生が選ばれる地域も。雪深い北海道や東北の一部地域、落花生の生産地である鹿児島が代表的なエリアです。大豆よりも衛生的であること、雪の中で見つけやすいこと、などが理由になったと考えられています。(※諸説あり)
「なにごとも吉」な恵方とは
節分の日に必ずスーパーに並ぶ恵方巻。
太巻きを鬼の金棒に見立て食すことで「邪気を祓う」という意味があります。
具材は七福神にちなみ、縁起のいい7種類。長い穴子やかんぴょうは「長寿」、黄色のだし巻き卵は「金運」など、新年の幸せを祈る特別な意味が込められているそうです。また、「運を逃がさない」「縁を切らない」ために、恵方巻は切らずに一気に食べましょう。
今年の節分と恵方
2024年の節分は2月3日(土)。恵方は「東北東」(細かくいうと東北東微東)です。
「恵方」とは陰陽道に由来します。年の福徳を司る「歳徳神(としとくじん)」がいる方角のことで、恵方巻以外でも恵方に向かって事を行なえば「何ごとも吉」とされています。
節分でなくとも意識してみれば、福が訪れてくれそうですね。
伝統の京都で邪気払い
私たちが家庭行事として親しむ豆まきは、宮中儀式、お寺の行事として始まりました。
今でも節分当日には、厄を払い新年を祝う節分祭りが数多く存在します。そのなかでも京都で行われる面白い節分イベントをピックアップし紹介したいと思います。
鬼を順々に追いかける「四方参り」
京都で開催される伝統的な節分祭「四方参り(よもまいり)」。
かつて天皇がいた御所を囲み、四方の鬼門を守ってきたのが吉田神社、八坂神社、壬生寺、北野天満宮です。
これら四つの護り神の神社、寺をお参りすることを四方参りといいます。
伝説では、節分の夜になると鬼は吉田神社に現れ、八坂神社、壬生寺へ順に追われ、最後に北野天満宮の社に閉じ込められるといいます。
平安神宮の節分祭
平安神宮の節分祭は催しが盛りだくさんです。
奉納狂言・鬼を追い払う「大儺之儀(だいなのぎ)」・鬼の舞・福豆まき・大火焚神事が行われます。
中でも大儺之儀は平安時代の宮中行事、追儺式を綿密に忠実に再現しています。
まるで平安時代にトリップしたような体験を味わえるかもしれません。
9:30 節分祭
12:00 奉納狂言
14:00 大儺之儀
15:00 鬼の舞・福豆まき
15:30 大火焚神事予定終日甘酒接待(なくなり次第終了)
貴船神社の節分祭
日本有数のパワースポットである貴船神社は、かつて「氣生根(きふね)」(気が生じる根源)と記されていました。節分の豆まき発祥の地は、ここ貴船神社なんだそう。(※室町後期の御伽草子『貴船の物語』より)
節分の日には、弦が弾かれる独特な音で邪気払いするという故事にならった「鳴弦神事(めいげんしんじ)」、豆まきの儀などの神事を行い、鬼を退治し紹運来福を祈願します。
貴船神社の創建の地、奥宮には誰も見ることが許されていない龍穴があり、本宮と奥宮には今年の干支である龍が祀られています。
この期間は、積雪時に夜間特別ライトアップが開催されています。
雪と光が一体になった幻想的な風景に癒されてみるのはいかがでしょうか。
※積雪時限定ライトアップ:2024年2月25日(日)までの土日祝日(日の入り~20:00まで)
八坂神社の節分祭
「祇園さん」として地元の人々に親しまれる八坂神社は、四方参りのひとつ。
京の東の守り神としてもさることながら、縁結びや美の神様など祀られています。
八坂神社の節分祭りは何と言っても華やか!
祇園を代表する花街の芸妓さんや舞妓さんが舞い、年女年男が舞殿から豆を撒きます。
景品付の福引(空くじなし)がついた福豆も販売されるので、参加して福を持ち帰りましょう。
2日(金)
13:00 先斗町による舞踊・豆まき
14:00 弥栄雅楽会による舞楽・豆まき
15:00 宮川町による舞踊・豆まき
16:00から商店街による豆まき
3日(土)
11:00 今様謌舞楽会による今様・豆まき
13:00 祇園甲部による舞踊・豆まき
15:00 祇園東による舞踊・豆まき
16:00 商店街による豆まき
京の節分祭りで新しい年の福を呼び込もう
1年の無病息災を祈り、繁栄をつかさどる節分・豆まき。
どの時代にも大切な人の災厄を取り除き、健康と恵みを祈る文化が存在したことを実感しますね。今年(2024年)の節分は2月3日(土)。
次の旅行は、京都へ足をのばして平安時代へタイムトリップを体感しにいくのはいかがでしょうか。
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