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都会の喧騒に紛れて生活していると、自然豊かな土地でのんびり暮らしたいと思う時がありますよね。けれど住居や仕事のことを考えると、移り住むという決断まではなかなかできないもの。そこで今回は、期間限定の滞在で地域の暮らしを体験できる「ふるさとワーキングホリデー」という制度についてご紹介します。場所は長野県内、アルプス至近の市町村です。
ふるさとワーキングホリデーとは
ワーキングホリデーといえば、海外で一定期間働く制度を思い浮かべる人も多いかと思います。けれど最近では、日本国内で働けるワーキングホリデーも増えてきているのです。都市部で生活する人が、縁もゆかりもない地域に期間限定で住んで働ける制度。それが「ふるさとワーキングホリデー」です。
地域の魅力を発信したい人や、田舎暮らしにあこがれを持っている都会の人は、実は結構多いのです。ですがその大半が、移住先や仕事先の選定で迷い断念してしまいます。その一方で、人口流出が続く農村部では、高齢化による人手不足や経済力の低下に悩まされています。地方で暮らしたい都市部の人間と、人口減少が続く農村部。「ふるさとワーキングホリデー」は、そういった双方のニーズを満たすために生まれました。
ふるさとワーキングホリデーの滞在期間は2週間〜1ヶ月程度と短めなので、社会人にも利用しやすい制度です。働き方は受け入れ先の企業によって様々なので、自分のペースで働くこともできます。収入を得ながら地域の仕事を経験し、休みの日には自由行動。そこの土地での暮らしを実際に体験できます。
ふるさとワーキングホリデーの参加目的は自由です。休暇を利用したリフレッシュ目的の人もいれば、第二のふるさとに訪れる感覚で参加する人もいます。もちろん、訪れた土地が気に入ってそのまま移住する人もいます。
長野の実施団体
長野県の市町村は77ありますが、それら全ての地域でワーキングホリデーを実施しているわけではありません。長野県でワーキングホリデーを実施しているのは小川村、伊那（いな）市、大町市、長野市の4市町村です。
小川村
長野市と白馬村のほぼ中間に位置する小川村。標高500〜1000ｍの場所に位置し、北アルプスを望む景観は、「日本の里100選」にも選ばれる素晴らしさです。村内には天文台があり星空の美しさは折り紙つき。村内には農産物販売所やホームセンター、村営診療所、保育園から中学校まで、生活に必要なものは一通り揃っています。
伊那市
長野県南部に位置する伊那市は、南アルプスの山々を含む伊那谷北部地域にあたります。アルプスにいだかれた緑あふれる市内は、四季折々に移り変わる山野の光景が楽しめます。伊那市は信州そば発祥の地として知られ農業が盛んで、ほかにスキー場や温泉入浴施設、農業公園など観光資源も盛りだくさんです。医療施設やスーパーも充実しています。
大町市
大町市は長野県の北西部、槍ヶ岳東側の谷あいに位置する山岳都市です。南方向に安曇野市や松本市がある以外は全て山で囲まれています。自然が豊富で、夏は湖のそばでキャンプ、冬は雪山でスキー、といったアウトドア三昧の生活も可能です。また、市街地があるので普段の生活には困りません。
長野市
長野市は長野県の県庁所在地で、県内で一番人口の多い市としても有名です。町としての規模が大きく、大型店舗や大規模病院、高校が複数あります。信州大学、県立美術館、動物園、そして善光寺など有名な施設が多数存在する観光地としての一面も。駅周辺は都市としての機能をもつ一方で、少し車を走らせれば温泉やスキーを楽しめる立地も魅力のひとつです。
どんな仕事があるのか
ワーキングホリデーとひと口にいっても、その中身は多種多様。農産物関連だけでなく、様々な仕事があります。今回はそれらの仕事について、簡単にご紹介します。
自然とふれあう仕事
自然ゆたかな長野県では、キャンプ場やリンゴ農場などで働くことができます。少し変わったものとしては、樹木の伐採や木の実・キノコ栽培、ジビエの推進など山の活用に関わる仕事があります。
人とふれ合う仕事
カフェやこだわりメニューを提供する飲食店のほか、ゲストハウスが多数あるので、人と触れ合う仕事も豊富です。ゲストハウスは地元の人と旅人をつなぐ場所であると同時に、ワーキングホリデーで来た人々が泊まる場所でもあるので、いろいろな情報交換もできます。
イベントを企画する仕事
長野県内ではイベント運営の仕事もあります。クリエイターの集まるお店でイベントの企画や地域の広告代理店でフリーペーパーの作成など。スピードスケート大会の運営補助といった長野ならではの内容もあります。
体験者の声｜長野県伊那市へ移住した宮川さん
宮川さんは小さい頃から農業に興味をもち、大学は農学部に進学。けれどつてがない状態での新規就農は難しいという現実がありました。就農する方法に悩む宮川さんはある時、ワーキングホリデーの存在を知ります。
宮川さんは、ワーキングホリデーでいろいろな地域に訪れ、働く経験を積み重ねました。伊那市にも他の地域を訪れるのと同じ感覚でやってきましたが、実際に住んで環境や雰囲気が気に入ったため、最終的に移住を決めました。
宮川さんは、ワーキングホリデーで働いた大規模農家で、移住後も引き続き働いています。幅広く農業を行う社長から、農作業だけでなく経営から人脈形成まで、様々なことを教わります。宮川さんは、現在の経験を糧に、いずれ自分でも農業を始めるつもりだそうです。
「移住に際して不安はなかった」と宮川さんは語ります。伊那市には単身から子育て世帯まで移住者が多く、移住者同士のつながりを作る交流イベントもあるので、安心して住み続けられるのだそうです。
ふるさとワーキングホリデー＠長野でいつもと違う日常を体験してみませんか
ふるさとワーキングホリデーで体験する、地域の暮らし。観光とも違うリアルな時間を過ごすなかで得られる、初めての経験。ふるさとワーキングホリデーの醍醐味は、新しい地域を知り、新しい自分を知ることです。そんな貴重な体験を、ぜひ、長野でしてみませんか。
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