魅惑の中東パレスチナ
基礎情報とおすすめスポットをご紹介!

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パレスチナのベドウィンテントで振舞われるアラブコーヒー
ベドウィンテントで振舞われるアラブコーヒー ©MoTA

ヨルダン川西岸地区とガザ地区からなるパレスチナ。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があることから、毎年多くの巡礼者が訪れます。歴史と宗教が入り混じる、魅惑的な観光スポットが豊富にあるのですが、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなパレスチナの魅力に迫ります。日本ではなかなか見ることができない観光スポットやグルメなど、ぜひ参考にしてください。

パレスチナってどんなところ?

ベツレヘム近郊にあるマルサバ修道院
マルサバ修道院(ベツレヘム近郊)©MoTA

パレスチナは地中海に面したガザ地区とヨルダン川西岸地区の2か所を領域としています。都市エルサレムは、一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の聖地であり、世界中から巡礼者がやってきます。人口は約535万人(2022年 パレスチナ中央統計局(PCBS)調べ)。そのうちの9割がイスラム教です。

ラマッラの市街地を歩く人々
市街地を歩く人々(ラマッラ) ©MoTA

パレスチナって一体どんなところなんだろうと明確なイメージを持てない方もいるかもしれませんが、行ってみるとそこには私たちと変わらない、人々の日常をみることができます。また旧市街地で見られる石造りの建物や、聖誕教会をはじめとする世界文化遺産など歴史を感じさせる魅力的なスポットであふれています。

アクセス

今までは、トルコ航空またはエミレーツ航空などでイスラエルより入国し、パレスチナへ向かうというのが一般的でした。しかし2023年3月1日よりエル・アル航空がテルアビブ線を週2便で就航をスタート。よりパレスチナが身近になりました。また、隣国を周遊する場合は、ヨルダンから向かうというのも可能です。

旅の注意点

査証について

イスラエルからの入境は、90日以内の観光目的の滞在の場合、事前の査証取得が不要です。ヨルダンから入境する場合は、30日以内の滞在であれば事前の査証は不要です。
いずれの入境の際もパスポートの残存期間は、入境時に6か月以上必要となりますので、渡航計画の際にあらかじめ確認しておきましょう。

入境について

イスラエルの入国スタンプが記録されると、その後、一部のアラブ諸国から入国拒否されてしまうという懸念点があります。そのため、入国の際には注意が必要です。イスラエルに入国する場合、原則として出入国スタンプは押されません。代わりにブルーの入国許可証が発給されますので、滞在中は必ず携行しましょう。また、イスラエルとヨルダン間を陸路で出入国する場合も、イスラエルーヨルダンの出入国スタンプが残ると一部のアラブ諸国から入国拒否される場合があるため、ヨルダンの出入国スタンプを押さないようにと係員に申し出る必要があります。

宗教上のポイント

イスラム教が人口の約9割を占めるパレスチナでは、女性は肌の露出を控えた服装が好まれます。また、女性はモスクや教会に入る際、薄手のスカーフがあると便利ですので、持参することをお勧めします。お酒は、敬虔な信徒は飲酒をしませんが、パレスチナ産のビールやワインが販売されています。レストランではお酒の販売をしている場所もありますので、日本ではなかなか試すことのない、パレスチナのお酒もトライしてみてください。

観光エリアとおすすめスポット

パレスチナはエリアによって少しずつ雰囲気が異なることも魅力の一つです。ここからは、パレスチナのヨルダン川西岸地区よりおすすめの観光スポットをエリアごとにご紹介していきます。

ラマッラ

ラマッラ市街地の様子
ラマッラの市街地の様子 ©MoTA

「文化と娯楽の都」と称されるラマッラは、海抜900mに位置しており、パレスチナの夏の避暑地として有名です。夏の時期には、フェスティバルなど多くのイベントが開催される都市でもあります。

パレスチナにあるヤーセル・アラファト氏の霊廟
ヤーセル・アラファト氏の霊廟 ©MoTA

パレスチナの初代大統領ヤーセル・アラファト氏の霊廟やパレスチナの歴史に触れるアラファト博物館は海外の観光客からも人気の観光スポットです。

ジェリコ

パレスチナの誘惑の山へ向かう際に使用するロープウェイ
誘惑の山にはロープウェイで登ることができる ©MoTA

旧約聖書にも出てくる都市、ジェリコ。世界最古の歴史を持ち、海抜マイナス260mと世界で最も低地に位置する都市です。

パレスチナにあるヒシャム宮殿
ヒシャム宮殿 ©MoTA

ウマイヤ朝時代(8世紀)にイスラム王朝が建設したとされるヒシャム宮殿は以前まで、保護の観点から観光客は鑑賞することを許されていませんでした。しかし国際協力機構(JICA)の支援により観賞用にシェルターが建設。2021年には内部のモザイクが見学できるようになりました。洗練されたモザイク柄から「中東のベルサイユ宮殿」と称されるほど見事な宮殿です。

パレスチナの誘惑の山
誘惑の山 ©MoTA

世界最古の都市として遺跡の多いジェリコ観光では、古代遺跡テル・エッ・スルタン遺跡を見学し、そのままロープウェイで誘惑の山へ向かうコースもおすすめ。ロープウェイでは遺跡を眼下に空中散歩を楽しめます。誘惑の山は、イエスが40日間断食をした際に悪魔の誘惑を受けたとされる場所。登りきったところからは、世界最古の町を一望することができます。

エルサレム

エルサレムの街の様子
街並みの様子(エルサレム) ©MoTA

一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の聖地であるエルサレムは、それぞれの宗教の神聖な場所が混在する、独特な雰囲気を醸し出す都市です。そんな魅力にあふれるエルサレムには、世界中から多くの巡礼者や観光客が足を運びます。

パレスチナのエルサレム宮殿
エルサレム宮殿 ©MoTA

紀元前19年頃ヘロデ王時代に建設されたエルサレム神殿は、その後ローマ軍によって破壊され、残った外壁が嘆きの壁としてユダヤ教の神聖な場所となっています。

パレスチナの聖墳墓教会
聖墳墓教会 ©MoTA

旧市街地の中心地にある聖墳墓教会は、イエスの墓があるとされる場所に建てられ、キリスト教にとって神聖な教会です。教会内には、イエスがなくなった当時を書き記すモザイク画、キリストの墓などキリスト教の歴史の中枢となる展示物が多く展示されています。

パレスチナの岩のドーム
岩のドーム ©MoTA

そしてイスラム教の預言者、モハマドが昇天した際の足跡が残る岩を祀る神殿、岩のドームやイスラム最初期に作られたモスクの一つ、アルアクサモスクなどそれぞれの宗教にとって欠かせないスポットが共存しています。

ベツレヘム

パレスチナのベツレヘムで開催されるクリスマスマーケットの様子
ベツレヘムで開催されるクリスマスマーケットの様子 ©MoTA

イエス・キリスト生誕の地として1年を通して多くのキリスト教徒の巡礼客が訪れます。また、パレスチナはオリーブの栽培が有名でオリーブの木を加工する工房なども見学できます。

パレスチナのThe Walled off Hotelとグラフィティアート
The Walled off Hotelとグラフィティアート ©MoTA

街中では日本でも話題の世界的アーティスト、バンクシーの壁画を見ることができ、中でもThe Walled off Hotel(通称:世界一眺めの悪いホテル)は、彼が手掛けた壁画が客室に広がる、バンクシーファンにとっては外すことができない観光地の一つとなっています。

パレスチナバティール地方の段々畑
バティールの段々畑 ©MoTA

また、パレスチナの南部は豊富な土壌に恵まれていることからオリーブやワインの原料となるブドウの栽培で有名です。ベツレヘムの西に位置する村、バティールは、古代ローマ時代に作られた美しい段々畑の景観がユネスコ世界文化遺産にも登録されています。

食べたら病みつき!中東グルメ

スパイスを効かせる中東料理は、一度食べると病みつきになる方も多いそう。今回はぜひ知ってもらいたいパレスチナグルメを3つご紹介します。

クナーファ

パレスチナのクナーファ
クナーファ ©MoTA

フレッシュチーズとナッツ類(アーモンドやクルミなど)を挟んだ2層からなる細麺状の伝統スイーツ。焼き上げた際に甘いシロップをかけていただきます。ジューシーでサクッとしたクナーファは地元の人からも愛される伝統菓子の一つです。

パレスチナビール

パレスチナのビール「タイエビール」
タイベビール ©MoTA

エルサレムより車で北に約1時間走られると見えてくる村、タイベ村。こちらの村では1993年のオスロ合意後、醸造所が作られ、翌年にはパレスチナで初のビール、タイベビールの生産がスタート。副原料は使用せず、麦芽とホップ、酵母そして水だけでできたビールです。アロマ豊かな上面発酵ビールで後味がすっきりとしています。

ファラフェル

パレスチナのファラフェル
ファラフェル ©MoTA

潰したひよこ豆やそら豆にハーブやスパイスを混ぜて丸形にし、油で揚げる中東の料理です。そのまま食べたり、ラップサンドなどに挟んで食べたりしていただきます。お豆とスパイスのハーモニーが病みつきになる味です。

魅惑の地域、パレスチナへ

パレスチナの基本情報、そしておすすめスポット・グルメをご紹介しました。日本ではまだあまり馴染みのない地域ですが、歴史的な建造物、そこに住む人々やグルメなど、魅力あふれる地域です。3~5月、9月中旬~10月は暑い日差しが弱まり雨も少なく観光におすすめの時期です。移動時間等も含めると少なくとも10泊程度あるとよいでしょう。次回の渡航先にパレスチナをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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エクセンス編集部
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