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ヨーロッパ旅行で欠かせない移動手段のひとつとして、「鉄道」があります。アメリカやオーストラリアなど他の地域とは異なり、各都市間の鉄道網が充実しているのがヨーロッパの特徴です。一見、ヨーロッパの鉄道旅行は、初心者の方には分かりにくいかもしれませんが、日本で鉄道を利用したことがある方なら、そんなに難しい話ではありません。今回はヨーロッパ鉄道のパスやチケットについて、またそれらのメリットとデメリットを解説します。
ヨーロッパの列車を利用するには何が必要?
複数の国が陸続きで結ばれるヨーロッパには、国や地域ごとの鉄道会社があり、多くの列車が運行しています。しかし、基本的な列車の運賃や料金の構成要素は、次の3つです。これらは日本の鉄道も同じです。様々な乗車券や鉄道パスなどがありますが、どのようなものでも3つの構成要素の組み合わせとなります。
- 乗車運賃
- 特急・急行料金
- 指定料金(座席および寝台)
乗車運賃
乗車運賃は、どの列車でも最低限必要なものです。近郊列車、普通列車、快速列車は、基本的に乗車運賃のみで利用できます。
特急・急行料金
特急・急行料金は、国内長距離列車であるインターシティ(InterCity / 略称IC)や国際列車であるユーロシティ(EuroCity / 略称EC)、さらにはICEなどの高速列車を利用する場合に必要な追加料金です。日本で例えるなら、新幹線や特急に該当します。
指定料金
指定料金は、座席や寝台をあらかじめ確保する場合に必要な料金です。全席指定制の列車や夜行列車を利用する場合は、乗車運賃と特急・急行料金のほかに、この座席指定料金や寝台料金が必要となります。
鉄道パスとは?
鉄道パス = 乗車運賃 + 特急・急行料金
鉄道パスとは、国鉄もしくはそれに類する鉄道会社の路線で利用できる外国人観光客向けの周遊券です。鉄道パスには、適用範囲国の鉄道会社の「乗車運賃」と「特急・急行料金」が含まれています。(ちなみに、日本ではJRの路線で利用できる外国人観光客向けの「ジャパン・レール・パス」があります。)
ロンドン、アムステルダム、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ウィーン、ローマなどでは、空港連絡列車も利用できるので、空港到着時からの移動にも活用できます。
しかし、「指定料金」が含まれていないことがほとんどのため、全席指定制の列車や夜行列車を利用する際は、別途、指定料金に該当する「パス割引料金」のチケット購入が必要です。また全席指定制ではない特急列車などの座席指定をしたい場合は、「座席指定券」を別途購入する必要があります。
なお、近年では、イタリアのイタロ、ドイツのフリックストレインなどLCC的な鉄道会社も増えてきており、一部を除いて、これらの民間鉄道会社の列車には利用できません。
包括運賃チケットとは?
包括運賃チケット = 乗車運賃 + 特急・急行料金 + 指定料金(座席および寝台)
ユーロスター、タリス、TGVなどのヨーロッパの高速列車、フランス、イタリア、スペイン、フィンランドなどの国内路線、LCC系の民間鉄道会社の路線など、現在主流になっている乗車券が「包括運賃チケット」です。
包括運賃チケットは、「乗車運賃」「特急料金」「指定料金」の3つの運賃料金がひとつになったものです。一体化しているので、航空券と同じく、ノーマル運賃に該当する「普通料金」「フレキシー料金」から、乗車時間帯や申し込みするタイミングなどで設定される割引料金、格安料金まで、多くの料金帯が設定されています。
イギリス国内の「Advance Tickets」やドイツ鉄道「Super Sparpreis」などの割引乗車券は、「指定料金」が含まれていませんが、指定した列車のみで有効な乗車券となるため、他の列車を使用することができません。
割引料金や格安料金は、場合によって普通運賃の半額以下で購入することもできますが、ひとつ注意しなければならないことがあります。
割引料金や格安料金は、乗車券購入後の変更や払い戻しができないことがほとんどです。そのため、予約した列車に乗り遅れた場合やスケジュールの変更などで乗車できなかった場合は、乗車運賃からすべての料金を含めた乗車券を買い直すことになります。しかも、割引料金や格安料金は、常に変動するため、乗車日も乗車する列車も同じでも、買い直しのタイミングで値段が高くなっていくのが現状です。
鉄道パスと乗車券はどちらがお得なの?
ユーレイルパスをはじめとする鉄道パスと乗車券のどちらかがお得なのかという疑問に対する回答は、旅行する国やどういった鉄道旅行計画にするかによります。
鉄道利用が1~2区間の場合
鉄道利用が1~2区間程度しかないのであれば、包括運賃チケットなどの乗車券の方がお得になる場合が多いです。しかし、全席指定制の列車が少なく、鉄道運賃が高いドイツ、イギリスなどの普通運賃と比較すると、1区間当たりの移動距離が長距離になる場合は、鉄道パスを使用した方が安価になるケースもあります。
例えば、ドイツで利用できるユーレイルジャーマンレイルパスの2等3日間で料金は€182.00です。そのため、以下のような長距離区間を移動するのであれば、パスの方がお得となります。
ベルリン~フランクフルト(547km):ICE用の乗車券:2等普通運賃 €112.80
フランクフルト~ミュンヘン(409km):ICE用の乗車券:2等普通運賃 €100.30
合計:€213.10
利用するすべての列車を予め決めている場合
利用する列車をすべて確定し、割引料金や格安料金の乗車券を組み合わせると、価格面で鉄道パスより乗車券の方が安くなる時があります。
しかし、デメリットとして、「乗り遅れ」、「列車遅延により接続できない」、「旅程変更」などで予定していた列車を利用できなかった場合に、乗車券を買いなおす必要が出てきます。その結果、余計に費用が掛かってしまうことがあります。日本の鉄道チケットとは異なり、乗車券料金は返金されないケースがほとんどで、割引料金や格安料金の乗車券購入の際は、即時での購入となるため、購入後に変更しようという考えは持たないようにしましょう。
現地で予定を柔軟に考えたい場合
乗車券のメリットは、利用する列車をすべて決めることで価格が安価になることです。ただし、旅程の自由さはありません。その反面、鉄道パスのメリットは、適用範囲(国単位)内でのルート変更や列車変更の融通がきくことです。全席指定制の列車が少ないドイツ、スイス、イギリス国内などでは、高速列車も含めて鉄道パスだけで利用できます。そのため座席指定をした列車に乗り遅れたとしても、適用範囲内なら次の列車も利用できます。また宿泊した都市から日帰り旅行を計画した場合でも、本数が多いところであれば、その場の状況に応じて好きな列車を選択できるなど、柔軟さにおいては価格面以上のメリットがあるのが鉄道パスの特長です。
メリット、デメリットを見極めてチケット購入しよう
このように乗車券と鉄道パスには、メリットとデメリットがあります。ヨーロッパ鉄道の乗車券やパスを検討する際には、どのような旅行をしたいのかを考えたうえで購入した方が良いです。ヨーロッパの鉄道は、日本と比べて遅延するケースが多く、時間通りに到着する方が少ないと思ってください。またターミナル駅での乗り換えも、思いのほか時間がかかることもあります。大きなターミナル駅では、ホームによっては、乗り換えだけで10分以上かかることもあるんです。
想定外のことも多くあるので、状況を考えながら、自分ができる範囲で旅程を組むことをおすすめします。そのためには価格面を重視するのか、フレキシブルな部分を重視するのかで、鉄道パスと乗車券はどちらがお得なのかが判断できるかと思います。
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