クロアチアの世界遺産
美しい景色と波乱の歴史が共存する国の魅力とは

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東ヨーロッパにある、アドリア海に面した小さな国・クロアチア共和国(通称クロアチア)。そんなクロアチアには、支配の歴史を乗り越えてきた力強さと、各時代の文化の特色が伺える遺跡がたくさん残っています。クロアチアを訪れたら、古代から近世まで各時代のヨーロッパへのタイムスリップ気分を楽しめること間違いなし。今回は旅行者必見の、クロアチアの世界遺産を10件全て紹介します。

中世ヨーロッパの街並みを残すクロアチア

ドブロヴニクの街並み

クロアチアの首都はザグレブ。面積は56,594平方キロメートル、人口は406.8万人です。九州の1.5倍程度の国土に、横浜市より少し多いくらいの人々が住んでいます。

7世紀ごろにスラブ人が定住して以降、ハプスブルク家、ナチス・ドイツ、ユーゴスラビア連邦など様々な国の支配下に置かれ、そのたびに独立を勝ち取ってきました。厳しい歴史を乗り越えた現在は、中世ヨーロッパの貴重な遺跡が現存し、穏やかな時間が流れる国として多くの観光客が訪れています。

クロアチアにある10の世界遺産

クロアチアには、2022年10月現在10件の世界遺産が登録されています。内訳は文化遺産が8件、自然遺産が2件です。古くから多くの国の支配を受けてきたクロアチアには、各時代・各地域の特色が色濃く反映された建造物がいたるところにあります。また数千年以上人の手が加わっていない森林や湖も残っており、見どころは満載です。

文化遺産:ドゥブロヴニク旧市街

ドブロヴニクの街並み

ドゥブロヴニクは、クロアチアの南端に位置する都市です。構成遺産はスポンザ宮殿、聖ヴラホ教会、ロヴリイェナツ要塞など。世界文化遺産に登録されたのは1979年です。

ドゥブロヴニクは13世紀以降、地中海貿易の重要拠点ラグーサ共和国として、当時のヨーロッパのなかでは最高レベルの繫栄を見せていました。「アドリア海の真珠」の異名を持ち、オレンジの屋根と白い壁の建物や、透き通ったアドリア海は写真に収めたくなる美しさです。1667年の大地震や1990年代のユーゴスラヴィア崩壊による内戦などで何度も深刻な危機にさらされてきましたが、そのたびに復興しており、ドゥブロヴニクの歴史と文化を守り伝えてきた人々の力強さも感じられます。

文化遺産:スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿

ディオクレティアヌス宮殿

スプリットは、クロアチア南部にある港町。3世紀末から4世紀初めにかけてローマ帝国の皇帝として在位していたディオクレティアヌス帝が、退位後に余生を過ごした場所です。1979年に世界文化遺産に登録されました。

ディオクレティアヌス帝の宮殿を中心に街を形成しており、石造りの建物と青いアドリア海はどこから見ても絵になります。ヴェネツィアやオーストリア帝国といった多くの国に支配された歴史があり、ゴシックをはじめとした様々な様式の建造物が混在した、独特の街並みが特徴です。

自然遺産:プリトヴィッチェ湖群国立公園

プリトヴィッチェ湖群国立公園

1979年に世界自然遺産となったプリトヴィッチェ湖群国立公園は、クロアチアの首都・ザグレブから南に100kmほど離れた場所にあります。総面積約295㎢の公園には、16の湖が92の滝で繋がっているおとぎ話のような世界が広がっています。数千年の時をかけて炭酸カルシウムが堆積し、石灰華となって湖を形成。エメラルドグリーンの湖水と滝から流れ落ちる水の音、日光に照らされた青々とした森林が創る景観は圧巻です。

文化遺産:ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群

ポレッチは、クロアチア西部に位置する街です。1997年に世界文化遺産に登録されました。4世紀ごろから発達した建築様式・ビザンチン様式の建物が数多く残っています。大きなドーム状の天井、大理石とモザイクで装飾した内装が特徴で、エウフラシウス聖堂はその代表例。歴史は4世紀半ばにまで遡り、現在残っているのは6世紀に建てられたものです。初期キリスト教の信仰の様子がそのまま残っている貴重な文化遺産で、毎年大勢の観光客が訪れています。

文化遺産:古都トロギール

トロギールの街並み

トロギールは、クロアチア南西部にある港町です。世界文化遺産に登録されたのは1997年。紀元前にはギリシアの植民都市として、既に街が形成されていました。中世になると、外敵の侵入を防ぐために城壁を造営。城壁の堅い守りはあらゆる戦火から人々を守り、現在も街には13~15世紀の建物がそのまま残っています。石造りの橋を渡り旧市街へと足を踏み入れると、さらに古い9~10世紀ごろの教会や時計塔、市庁舎も現存。石畳の街路を歩き、中世ヨーロッパにタイムスリップした気分を堪能しましょう。

文化遺産:シベニクの聖ヤコブ大聖堂

聖ヤコブ大聖堂
聖ヤコブ大聖堂

シベニクは、クロアチア中南部に位置する歴史都市です。2000年に世界文化遺産に登録された聖ヤコブ大聖堂は、アドリア海を眺めるように沿岸部に建っています。建設が始まったのは15世紀中ごろでしたが、戦争や疫病の流行により何度も中断することに。建築家が次々と入れ替わり、北イタリアやトスカーナといった各地の建築様式を取り入れながら1535年に完成しました。100年以上かけて造られた建物はレンガや木材の補助材を一切使っておらず、全て石でできています。世界最大級の石造建築物は日光に当たると白く輝き、堂々とした姿を現代にまで伝えています。

自然遺産:カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林

ブナの原生林

カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林は、クロアチアだけでなくドイツやスイス、ウクライナなどヨーロッパの18か国にまたがる自然遺産です。6,500年ほど前の最終氷河期からヨーロッパ各地に広がったヨーロッパブナの原生林で、総面積は約98,000ha。香川県の半分より少し大きいくらいの広さです。2007年に世界自然遺産に登録されて以降、2011年・2017年・2021年の3回にわたり範囲が拡大されました。

クロアチアの構成遺産は、パクレニツァ国立公園、ハイドゥチュキ・クコヴィとロジャンスキ・クコヴィの自然保護区の2カ所です。うっそうと茂ったブナ林は独特の雰囲気を醸し出しており、まるで原始の世界に迷い込んだよう。ブナ林を見学する際は、動きやすい服装を整えておきましょう。

文化遺産:スタリー・グラード平原

フヴァル島の港
フヴァル島の港

スタリー・グラード平原は、クロアチア南部のフヴァル島にある文化遺産です。2008年に世界文化遺産に登録されました。紀元前4年ごろに、ギリシア人が農業を目的とした植民都市にしたのが始まり。以降ブドウやオリーブの栽培が2400年以上続いており、古代から中世までの遺跡が点在しています。古代ギリシアにより整備された土地の区画、初期キリスト教の聖堂、14世紀に造られたブロボスカ村などが現存しており、歴史の流れを目で見て肌で感じられるスポットです。

文化遺産:中世墓碑ステチュツィの墓所群

「ステチュツィ」とは、12~16世紀にヨーロッパ南東部で作られた墓碑のこと。世界文化遺産に登録されたのは、2016年です。中世墓碑ステチュツィの墓所群は、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、セルビアに点在する28史跡で構成されています。

墓石に十字架・人・幾何学文様など、様々な装飾を施しているのが特徴です。広大な平原や険しい山間部など、いたるところに乳白色の石灰岩で作られた墓石がぽつぽつと建っている景色は不思議な感じがします。かつてこの地で生活していた人々に思いをはせながら見学してみてください。

文化遺産:16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ

ザダルの街並み
ザダルの街並み

イタリアに存在していたヴェネツィア共和国は、かつてヨーロッパ最大級の繁栄を誇っていました。都市を守るため欧州各地に造った軍事防衛施設が評価され、クロアチアからはザダルの防衛システムとシベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞が2017年に世界文化遺産に登録されました。一見すると豪華な中世ヨーロッパの建物ですが、用途を知れば知るほど実用的で、計画的に配置されていることが分かります。実際に街を歩いて、どのような役割があったのか想像しながら観光してみましょう。

美しい景色と波乱に満ちた歴史のコントラストを体感しよう

クロアチアは、エメラルドグリーンに透き通ったアドリア海に面しています。沿岸ギリギリまでオレンジの屋根と白い壁の建物や石畳の路地が広がり、どこに目を向けても絵になるすてきな国です。一方で、周辺国に翻弄された歴史もあります。世界遺産を訪れて、クロアチアの美しさと力強さを体感してみませんか。クロアチアの世界遺産を見て回るなら、ドゥブロヴニク、スプリット、ザグレブに宿泊しながら、1週間ほどかけてじっくり巡るのがおすすめです。

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エクセンス編集部
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