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フィンランドを代表するインテリアデザインブランド「イッタラ」が、“フィンランドガラスのきらめき”と題して2022年11月10日(木)まで、Bunkamura ザ・ミュージアムで『イッタラ展』を開催中です。本展はフィンランド・デザイン・ミュージアムが、2021年にイッタラ創立140年を記念して開催した展覧会を再構成したもので、日本初の大規模巡回展です。20世紀半ばのクラシックデザインのガラスを中心に、陶器、磁器など約450点が展示されます。日本のデザイナーを通して日本とイッタラのつながりを見る日本オリジナルの特別展示もあります。
STARS OF FINNISH GLASS
イッタラは1881年4月、スウェーデン人のピーター・マグナス・アブラハムソンによって、ヘルシンキの北約120kmにあるイッタラ村で設立されました。創業当初のイッタラの主力製品は、製薬用ガラス、家庭用ガラス、クリスタルガラスでした。20世紀の初めまでガラス工芸品は、多くのガラス工場が共有する伝統的なモデル柄を元に製作されるのが一般的でしたが、1894年にイッタラ初の社内デザイナーとなったアルフレッド・グスタフソンは、イッタラのためにフィンランドのアイデンティティを活かした独自モデルを作り始めます。それが北欧デザインを牽引する第一歩となります。
その後、大きな転換点となるのは、1932年と36年に行われたデザイン・コンペティションです。このときから建築家のアイノ・アアルト(1894-1949)、アルヴァ・アアルト(1898-1976)がイッタラのデザインに参加したのです。そして1946年のガラス・デザイン・コンペティションをきっかけにタピオ・ヴィルカラ(1915-1985)、カイ・フランク(1911-1989)がデザイナーとして採用されました。ヴィルカラ、フランクの両名は自由な発想で独創的な作品を作り続け、数年でイッタラを国際的なガラスメーカーへと押し上げました。
イッタラ・デザインのパイオニアとも言えるデザイナーたちの革新的かつオリジナリティあふれる哲学はその後も引き継がれ、今日に至っています。それは1988年にヌータヤルヴィ、その後のアラビア、ハックマンといったブランドとの統合によっても変わることはありません。イッタラの商品の中には80年以上も生産し続けられているデザインもあり、高品質なプロダクツは、決して時代遅れになることはなく、国境や世代を超えて愛されることを証明しているのです。
本展は、イッタラの歴史、デザイナー、イッタラの魅力の本質、日本との関わりの4部構成になっています。ルートに沿ってご紹介いたします。
第1章:Timeline イッタラ140年の歴史
1881年の創業期から現在に至るまでの140年の歩みを俯瞰するコーナーです。いかにしてフィンランドデザインの象徴としてして、世界的なブランドに成長していったかをガラス工芸の発展の歴史と合わせて紹介しています。さまざまな工場や他ブランドとの合併や統合を経て、ガラス製品だけでなく、陶磁器をはじめとしたインテリア・プロダクトの総合メーカーとして、デザインの可能性を拡大してきた歴史を振り返ることができます。
第2章:Designers イッタラとデザイナー
イッタラのデザインを支えてきたデザイナー8名を代表作品と共に紹介するエリアです。いずれもフィンランドを代表するデザイナーばかりで、建築家のアルヴァ・アアルト、グラフィックデザインや彫刻の分野で活躍したティモ・サルパネヴァ(1926-2006)のような幅広い分野の人材が、先進的かつ独創的なガラス表現の探求を続け、イッタラデザインを支えてきたことがわかる展示です。
第3章:From Nature to Culture イッタラを読み解く13の視点
素材としてのガラス、職人の技、製造工程、自然との対話、気候と文化、陶磁器とガラス、基本のかたち、色彩、外交とデザイン、広告戦略、自然の模倣、スタッキング、リサイクルとサステイナビリティといったさまざまな角度から、「芸術としてのイッタラ」の魅力と本質に迫る展示であり、本展のハイライトとなっています。
第4章:Iittala and Japan イッタラと日本
イッタラと日本のデザインの関わりを紹介する日本オリジナルの展示です。フィンランドと日本のデザイン界のつながりは意外に古く1950年代にまで遡ることができます。イッタラやアラビアのデザインで活躍し「フィンランドデザインの良心」と呼ばれるカイ・フランクは、1956年に初来日しその後も60年代にかけて度々来日して、日本のデザインに触発された製品を残しています。
21世紀になってからの国外デザイナーとのコラボレーションではイッセイ ミヤケ、ミナ ペルホネンがイッタラ製品のデザインを手掛けています。また、東京のイッタラ表参道ストア&カフェの店舗デザインは、建築家隈研吾さんの設計によるものです。
フィンランドの巨匠たちのデザインに酔う
美しさと機能性をすべての人に提供するという思想のもと、140年の間にさまざまな製品を提供し続けているイッタラを支えたデザイナーと職人たち。「フィンランドガラスのきらめき」と時代を超えて人々を魅了し続ける140年の創造性に触れてみませんか。
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)※金・土の夜間開館については、状況により変更になる可能性もあります。
長崎:2023年7月1日(土)~ 9月3日(日) 長崎県美術館(予定)
京都:2024年2月17日(土)~ 3月31日(日) 美術館「えき」KYOTO(予定)
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