ヨーロッパ鉄道旅行講座【第3回】
「鉄道パスを使って旅をしてみよう!(ドイツ編①)」

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ヨーロッパ鉄道旅行に欠かせないチケットのひとつに、鉄道周遊券である「鉄道パス」があります。この鉄道パスの良さは、好きな時に好きな列車を自由に選べて、利用できる点です。ただ、全席指定制の列車が増えているヨーロッパでは、この良さが十分に活用できないところが増えてきています。そんななか、ドイツとスイスは、高速列車、特急列車を含め、座席指定をしなくても利用できる列車が多くあります。今回はドイツで鉄道パスを使って旅する話をいたします。

全席指定制の列車がほとんどないドイツ

ICE

ドイツの主要な鉄道会社といえばドイツ鉄道(DB)です。DBは、ドイツの代表的な高速列車のICE、特急列車のIC、快速列車のRE、普通列車のRBを有し、主要都市間はもちろんのこと中小の都市まで鉄道網が充実しています。鉄道で旅行をするには便利な国です。
しかも、ドイツ国内のICEやICは、全席指定制の列車ではないので、鉄道パスでそのまま乗ることができます。まさに好きな時に好きな列車を利用して旅をすることができます。
ミュンヘンからノイシュバンシュタイン城の玄関口となるフュッセン、ロマンテック街道の中心都市であるローテンブルクなど、人気の観光地へも鉄道でアクセスができます。

空港から鉄道で移動できるドイツ

フランクフルト空港駅

フランクフルト空港、ミュンヘン空港、ベルリン・ブランデンブルク空港には鉄道駅があります。特にフランクフルト空港駅は、ICEやICなどの高速列車、特急列車が発着しているので、空港に着いた足で、そのままケルン、ミュンヘンなどドイツの都市へ鉄道で移動ができます。ケルンまではICEで最短で1時間程度。フランクフルト空港~ケルンは日本からのビジネス渡航者が多く利用している路線となります。主要な空港から鉄道で各都市への移動ができるのも、ドイツの鉄道の便利さの一つです。

食堂車が残っているドイツ鉄道

日本の新幹線や特急列車では、食堂車や車内販売の廃止が進んでいますが、ドイツの鉄道ではまだ食堂車が活躍しています。高速列車ICEや特急列車ICでは、”Bord Restaurant”(食堂車)もしくは“Bord Bistro”(セルフサービス式の食堂車)が編成されています。ビールやワインなどのアルコールドリンクやソフトドリンクはもちろんこと、朝食、ランチ、ディナーなど時間帯に応じた食事をすることができます。列車の車窓を眺めながら暖かい食事をいただけるのは、貴重な体験かもしれません。

鉄道パスでのドイツ鉄道の旅

RBの1等車内

全席指定制の列車が少ないドイツですが、近年は鉄道利用者が多く増えています。鉄道パスでの乗り降り自由な全席自由席の快速列車(RE)や普通列車(RB)の場合、普通車にあたる2等車は混雑していることが多く、座れないこともあります。これに対し、日本の新幹線の「グリーン車」にあたる1等車は、2等車に比べると空いていることが多いです。1等の鉄道パスは、2等に比べて価格は高くなりますが、快速列車や普通列車を利用する場合は、1等のメリットを享受することができます。
また、鉄道パスを使って高速列車ICEやICなどを利用する場合、乗車時間が1時間30分以上こともあります。スーツケースなど大きな荷物を持って移動するのであれば、事前に座席予約をする方が安全です。座席指定料金は有料とはなりますが、€5.00~€10.00程度。乗車する列車が決まっているようなら、鉄道パスを購入した旅行会社、ドイツ鉄道の券売機、ドイツ鉄道の駅窓口、DBアプリなどで購入しておくとよいでしょう。

鉄道移動での手荷物

鉄道での移動の際に気になるのが、スーツケースなどの手荷物の扱いです。ICEやICなどの高速列車や特急列車の場合は、乗降口付近もしくは座席上の荷棚が手荷物の置き場となります。荷物置き場は、座席から離れた位置になることもありますので、パスポートや財布など貴重品は、必ず手元に持っておくことが大事です。また、フランクフルトやミュンヘン、ベルリンなど大都市に宿泊をしながら、近郊の町を鉄道で日帰りすれば、大きな荷物はホテルに置いているので、身軽に鉄道旅行を楽しめます。

おすすめの町:観光とビジネスの拠点となるケルン

概要

ケルンは、ライン川沿いにある、ドイツで4番目に人口の多い大都市です。オランダ、ベルギー、フランスからの国際列車が発着するドイツの西の玄関口でもあります。デュッセルドルフやドルトムンド、エッセンなどルール地方の観光やライン川クルーズの観光の拠点となる都市です。また国際見本市も多数開催されるので、ビジネス目的の方も多く訪れます。

見どころ

ケルン大聖堂

ケルン中央駅を出ると目の前に立つのはケルンのシンボルである大聖堂。また、ケルンはオーデコロンの発祥の地として知られています。ケルン名物の地ビール「ケルシュビール」には、特殊な飲み方があります。250mlの細長い専用グラスで飲むのですが、岩手のわんこそばと同じく、コースターでグラスに蓋をしないと、どんどんおかわりビールが運ばれてしまいます。ただ宿泊するだけではなく、街自体も楽んでみてほしいのがケルンです。

おすすめのホテル「エクセルシオール・エルンスト」

ケルン中央駅および大聖堂に近い位置にある1863年創業の老舗ホテル。ミシュラン1つ星の東アジア料理の「タク」、創作フランス料理の「ハンス シュテューベ」そして、ピエール・エルメ監修のアフターヌーンティーが味わえるロビーラウンジなどがあり食事も楽しめるホテルです。

URL:https://jp.lhw.com/hotel/excelsior-hotel-ernst-cologne-germany

次回は、鉄道パスを使ってフランクフルトから鉄道日帰り旅行ができる都市を紹介します。

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鹿野博規(しかのひろのり)
EXSENSES公式ライター

1999年から23年間、ヨーロッパ鉄道手配に携わる。前職では「地球の歩き方」の編集部にも所属し、鉄道手配のほか、時刻表やヨーロッパ鉄道関連の書籍制作も担当。ヨーロッパ鉄道手配のエキスパート。現在は、株式会社ワールドコンパスでEURO RAIL by World Compassを担当。

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