発祥の地フランスで味わう、
クレープ本場の楽しみ方

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日本でクレープといえば、フルーツやクリームがたっぷりのった、見た目もボリュームも楽しめる甘いものが定番ですよね。
一方クレープ発祥の地フランスでは、クレープは実はもっとシンプルで気取らない存在。おやつとしてはもちろん、チーズやハムをのせたクレープもあり、ランチや軽食としても親しまれています。今回は、発祥の地フランスならではのクレープ文化や日常での楽しみ方、またクレープ生地のレシピをご紹介します。

世代を超えて愛されるクレープの魅力

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フランスでは、クレープは特別なごちそうというより、日常的に親しまれているスイーツです。街角のパン屋さんではクロワッサンやパンオショコラの隣に並び、スーパーでも手軽に買える身近な存在です。子どものバースデーパーティーなどでは、焼いただけのクレープを数十枚重ねて用意しておき、各々が好みのトッピングをしていただく……なんていう場面もよく見られます。

フランス人が好むクレープの味付けはとてもシンプル。たとえば家庭でよく親しまれているのが、「砂糖とレモン汁」の組み合わせです。焼きたてのクレープに砂糖をふりかけ、そこへレモンをギュッと絞って汁をかけたらさっと折りたたんでいただきます。甘さの中にレモンの酸味が効いて、あとを引くおいしさです。

ほかにも、チョコレートクリームの「ヌテラ」や、塩バターキャラメルといった味も人気。どれも軽く、何枚でもペロリと食べられてしまいます。

そば粉を使ったガレットや、しょっぱいクレープも人気

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そば粉の生地にハムやチーズ、卵などをのせた写真のようなスタイルは、日本でも親しまれている通り「ガレット」と呼ばれますが、フランスでは小麦粉生地のものにガレットと同じようなトッピングをのせて楽しむことがあります。

そのため、甘いクレープに加えて、おかず系の具材を包みランチや軽食として楽しむ「しょっぱいクレープ」もフランスでは珍しくありません。

2月2日は「クレープの日」

このようにフランス人の暮らしにすっかり溶け込んでいるクレープですが、実は年に一度、「クレープの日」とも呼ばれる特別な日があります。それが、2月2日の「ラ・シャンドルール(La Chandeleur)」です。

もともとはキリスト教の祝日「聖燭祭(La Fête de la Chandeleur)」にあたり、キリストの生後40日目を祝う宗教行事に由来しています。現在では「光を祝う日」として親しまれ、冬の終わりと春の訪れを願う日でもあります。

この日にはクレープを焼いて家族で味わうという伝統があり、フランスの家庭ではクレープ作りが楽しまれます。ほんのり甘い香りが漂うなか、家族や友人と一緒に焼きたてクレープを囲むひとときは、季節の移ろいを感じさせる大切な年中行事となっています。

たこ焼き感覚で楽しむ、フランスのクレープパーティー

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クレープは家庭でもよく作られるフランスの定番メニューで、クレープ専用のフライパンはどの家にも1枚はあると言われるほど。さらに、ミニサイズのクレープを一度に何枚も焼ける、写真のような電気プレート(クレープメーカー)を使って、家族や友人と一緒にクレープパーティーを開くこともあります。日本でいう「たこ焼きパーティー」のような感覚で、みんなで焼きながら好きな具材をのせ、焼きたてをその場で楽しむスタイルはとても盛り上がります。

筆者もよく家族や友人とクレープパーティーをしますが、生地は甘い系もしょっぱい系も楽しめる小麦粉ベースを準備することが多いです。ハムやチーズ、トマト、マッシュルームのソテーなどさまざまなトッピングを小皿に用意し、まずは食事系を、その後デザートクレープをいただきます。生地と具材さえ用意しておけば、食事からスイーツまで自由にアレンジできる手軽さも、クレープの大きな魅力のひとつです。

意外と簡単!本場フランスのクレープレシピ

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これまで見てきたように、クレープは意外と簡単に家庭で楽しむことができるもの。ここではフランス在住の筆者おすすめのクレープ生地レシピをご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。今回のレシピにはビールを使いますが、ほかにもラム酒や食前酒のパスティスなどを加えることもあります。アルコールは風味づけとして、ひと味違う奥行きを与えてくれます。

【材料(クレープ10枚分)
・牛乳(低脂肪のものがおすすめ):500ml
・小麦粉:250g
・油:大さじ1.5
・ビール:60ml
・溶き卵:2.5個分

【生地準備の手順】
1. ボウルに小麦粉の半量を入れ、卵を加えて混ぜる。その後、牛乳、小麦粉、牛乳、小麦粉…というふうに少しずつ交互に加え泡立て器で混ぜていく。
(水っぽくなりすぎず、かといって粉っぽさも残さない、ちょうどいいテクスチャーを保つように混ぜるのがポイントです。)
2. 最後に油とビールを加え混ぜる。
3. 生地を1時間休ませる

ここまできたら、あとは生地を焼いていくだけです。よく熱したフライパンに油やバターをしき、おたまで生地を落としたら素早くフライパンを傾け生地を全体に広げます。生地のふちに少し焼き色がついたらさっと裏返し、20~30秒焼けば完成です。生地をしっかり寝かせることで、もちもちの美味しいクレープに仕上がります。

ふたつのクレープ文化を味わって

今回はフランスで愛され続けるクレープについてご紹介しました。特別な準備がいらず、普段の生活の中でも気軽に楽しめるのがフランス流クレープの魅力です。とはいえ、日本で生まれ育った筆者にとっては、華やかなトッピングやさまざまなフレーバーが楽しめる、日本ならではのクレープもやはりどこか恋しいもの。シンプルと華やか、それぞれの良さを味わいながら、クレープという食文化の奥深さを改めて感じている今日このごろです。

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Mariko Dedap
EXSENSES公式ライター

フランス在住ライター。文化、語学、教育、食、旅、アートなどについて執筆の他、英語執筆や日英翻訳も行う。

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