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【後編】旅の組み立て方、手配はどうすればいいの? 船上生活のヒント
🔗 「【前編】コスパ、タイパのいいフェリー旅を楽しむには」からの続き
フェリー旅のスケジュール作りは、鉄道やバスを使った移動とは少し勝手が違います。今回は自家用車を使わずに旅を実行する人向けに、フェリー旅の組み立て方と予約・手配方法、おすすめ航路、船上生活に必要な準備や、船上でのネット接続などについてご紹介します。
※本文中の運航時刻は2024年秋から2025年春までのデータを元にしています。
ルート選びとスケジュール作りのコツ
![お堀の奥に見える、白壁が美しい姫路城](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
最初に決めることは、行きたいエリアや場所、または乗船したい航路です。長距離フェリーはひとつの航路を複数の船舶で運航しており、同じ航路を行き来する船のグレードはほぼ同じです。乗りたい船が希望の日程では運航していない場合でも、スケジュール優先で日程を組みましょう。
![フェリー船のテレビに表示された航路図](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
優先したい要素が決まったら、旅行可能な日程にフェリーを組み入れることができるかどうか、船の運航スケジュールを確認します。隔日の運航だったり、週に1便だったりと、運航本数が限られている航路があるからです。計画を固めるときは、フェリーの船着場から目的地までの交通手段と所要時間も調べ、陸上でも無理なく移動できるスケジュールを作りましょう。
乗船ルートが確定したら、その時点でフェリーの予約を入れ、続いて観光する場所や宿泊地を定めます。フェリーが発着する近くの都市や、観光予定の町に宿をとれば行動しやすいと思います。
![北海道美瑛町の「白金青い池」](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
北海道を訪問する場合、日程的に可能であれば、往路と復路のルートを変えてフェリーで周遊するのもおすすめです。普段では考えつかないエリアを結ぶ旅程となりますので、計画作りも実際の旅も、より楽しいものになります。
![苫小牧港フェリーターミナルの土産物屋](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
フェリー旅で最も心配なのは、台風などの荒天による運航休止です。2024年は25本もの台風が発生し、8月末から9月にかけて、九州エリアに発着する多くの便が影響を受けました。代替交通手段の運行時刻まで確認する必要はありませんが、船が運休になってしまった場合、どのように予定を変更できるか想定しておくと、万が一の際にもあわてずに対処できます。
予約手配はネットが便利でお得
船の予約はネット予約がおすすめです。多くの会社がネット割引を設定していますし、個室を予約する場合は、部屋番号の指定も可能です。ネット予約の場合は事前登録が必要ですので、発売開始日に予約を入れたいときは、予約者を登録しておきましょう。
![ベッドが2台並ぶ、フェリー「さんふらわあ むらさき」のミニスイート客室](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
フェリー料金は部屋のカテゴリとシーズンによって異なります。船会社によりシーズン設定期間は異なりますが、年末年始やGW、春・夏・冬の休暇期間、連休などの時期の運賃が高く設定されています。最も運賃の安い時期を「A期間」と設定する船会社が多く、秋から春にかけてのA期間に、20~40%オフと大幅な割引を提供する会社もあります。
フェリーの予約は、予約を入れた後、定められた期間内に支払いを済ませることで確定するというシステムが多く採用されています。予約と同時に支払うことも可能ですが、前後に手配が必要なものがあれば、そちらの手配が可能かどうか確かめてから支払い手続きをしたほうがいいでしょう。
おすすめルートと就航船
フェリー旅デビューは瀬戸内海航路から
![港に停泊するフェリー「さんふらわあ むらさき」](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
フェリー旅の航路選びに迷ったら、波が穏やかで揺れが少ない瀬戸内海ルートを第一におすすめします。運航便数が多く、観光できるエリアも多くの候補から選択できますので、旅程を組みやすいメリットがあります。
![フェリー船の吹き抜け](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
なかでもおすすめの航路は、最新鋭の船が就航する大阪~別府間のルートです。2023年春にデビューした、商船三井さんふらわあの「くれない」と「むらさき」がデイリー運航しています。LNG燃料を使用するこれらの船舶は、エンジンの振動が少なく、船室もシティホテル並みに整っています。大きな吹き抜けになっているアトリウムでのアトラクションもあり、ひと晩ではもったいないと思うほど充実した、快適な船旅ができます。
ホスピタリティあふれる船旅なら日本海航路で
![海を走る新日本海フェリーの船「らいらっく」](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
その昔、北前船が通った北海道と北陸、関西地方を結ぶルートに就航する新日本海フェリーなら、クラシックホテルに滞在しているかのような船旅を楽しむことができます。いずれのルートの船舶も通常のレストランのほか、ホテル・クオリティのコース料理が食べられる「グリル」レストラン(4~10月の営業)があり、進行方向の前方の景色が見られるフォワードサロンを備えています。
![ベッド2台を備えるフェリー船の客室](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
週に1便のみの運航ですが、秋田、新潟を経由し苫小牧と敦賀を結ぶ「ゆうかり」なら、2泊3日のゆったりした船旅を満喫できます。料金は1泊2日の直行航路とほぼ同じですので、同じ費用でプラス1日の船旅を楽しめます。新日本海フェリーでは、A期間に乗船する場合、2人部屋でも貸切料金は不要。1人旅でも追加料金なしで個室を利用でき、お得です。
長距離フェリーの醍醐味を味わうなら太平洋ルートで
![港に停泊するフェリー船「いしかり」](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
「場所や航路はノーアイディア、せっかくだからできるだけ長い時間フェリー旅を楽しみたい」という方には、日本最長ルートの名古屋~苫小牧を結ぶ太平洋フェリーをおすすめします。「いしかり」と「きそ」が1日おきに運航しており、福島県沖で僚船の行き交いを見ることもできます。
![海を走るフェリー船「きそ」](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
仙台では3時間の停泊時間があり、2時間ほどの町歩きが楽しめます。太平洋フェリーもA期間であれば、個室の貸切料金が不要ですので、追加料金なしで2名または2~3名定員の部屋を1人で利用できます。進行方向正面を見ることができる部屋も備えています。
船上生活に必要な持ち物は
![フェリー船の客室に備わるシャワー、バスタブ、トイレ](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
予約している船室によりアメニティは異なります。大部屋やカプセルホテルタイプの寝台にはアメニティはありません。バス・トイレ付きの部屋ならビジネスホテル程度のアメニティが備えられていますが、使い慣れた洗面用具や化粧水などがあれば、持参しましょう。
船旅の経験がなければ、船酔い止めの薬を準備し、乗船前に服用しておくことを強くおすすめします。一見穏やかに見える海でも、船の揺れはそれなりにあり、乗り物酔いしやすい人は影響を受ける可能性が大きいからです。
![フェリー船の船首にぶつかり砕ける波](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
服装は自由ですが、2泊3日以上の船旅になるのであれば、スリップ・オンタイプのシューズと、レストランにも出入りできる程度のリラックスした上下を準備しておくと、気軽に船内を動き回ることができます。
船着場へのアクセスと乗船手続きの流れ
![大阪南港コスモフェリーターミナル](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
フェリー旅の出発点は各地の港です。公共交通機関はバスだけという港が大多数です。出港地へのアクセス手段と運行本数は、必ず事前に確認し、十分な時間をみて行動しましょう。バスが使える場合は、切符を事前購入する必要があるか、ICカードが使用可能かどうかを確認しておくことをおすすめします。路線によっては現金払いのみという場所もあります。
![窓口でフェリーの乗船手続きをする人々](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
乗船手続は船会社や船舶により異なります。「港の窓口でチェックインしてキーを受け取る」「ネット予約書を持参し、船の中で部屋の鍵をもらう」「ネット予約時に発券されるQRコードで乗船・入室する」など、さまざまなパターンがあります。ネット予約して乗船者情報などを事前に登録しておけば、港での手続きをスピーディーに処理できる可能性が高いので、各社の「乗船までの流れ」を事前に確認して手続きしておきましょう。
船上でのネット接続
![Google Mapsで位置情報を示すスマホ画面](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
海上で携帯電話の電波をキャッチできるかどうかは、運航ルートとキャリアによってばらつきがあります。瀬戸内海のルートであれば、つながりやすいですが、太平洋や日本海を航行する船では、電波を拾いにくいのが普通です。DoCoMoとau、Softbankの3社のアンテナ強度をあちこちで確認した結果では、DoCoMoとauはつながりやすいですが、Softbankではアンテナが立たない時間が長く存在していました。
![船の現在位置を示すフィリー船のテレビ画面](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
船によってはWi-Fi接続のサービスを提供していますが、1日に5回、1回あたり30分までというような制限を加えています。また船舶が陸地からの電波をキャッチできなければ、そもそもネット接続ができません。
乗船した経験では、「想像していたよりはつながる」と実感しました。フェリー旅の途中でもネット接続が必要なら、Softbank系列のユーザーであれば、DoCoMo系のルーターをレンタルしておくほうが安心です。乗船中はデジタルデトックスを徹底すると割り切ることができるなら、それが一番です。
![青い空と海の向こうに見える陸地](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
個室の場合、テレビが備えられている船もあります。地上波またはBS放送を見ることができますが、電波が受信できない海域もありますので、ずっと視聴できるわけではありません。それでもテレビをつけておけば、時間帯やチャンネルにより、航行ルート近くのローカル放送が視聴できます。住んだことがある地域の近くを通る時は、懐かしいCMを見られるチャンスもあります。
究極の周遊旅、フェリーで日本(本州)一周するには?
![湯気を上げる別府の街並み](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
効率よくかつ乗り換え時間に余裕をもって結ぶなら、名古屋→苫小牧→敦賀→大阪→九州→東京と巡る、半時計回りのルートがおすすめです。フェリー泊だけで移動できるプランとして、以下のようなスケジュールを組むことができます。
1日目(木) | 太平洋フェリーの苫小牧行きに乗り、名古屋港を19:00に出航。 |
2日目(金) | 16:40仙台港着。 下船して観光することが可能。 19:40仙台港出航 |
3日目(土) | 苫小牧港(西港)11:00到着。 苫小牧東港発19:30の新日本海フェリー敦賀行きに乗船。 |
4日目(日) | 7:35秋田港着、8:35出航。 15:30新潟港着、16:30出航。 |
5日目(月) | 5:30敦賀港着。 敦賀から近畿地方に移動。 夕刻、大阪または神戸から九州地方(新門司または大分、別府)行きのフェリーに乗船。 |
6日目(火) | 朝、九州地方到着。 19:00新門司発(日・祝日は18:00発)のオーシャン東九フェリーの東京行きに乗船。 |
7日目(水) | 9:20徳島港着、11:20出航。 |
8日目(木) | 5:30東京港着(日・祝日は6:00着)。 |
※新日本海フェリーの秋田、新潟経由の敦賀行きは土曜日のみの出航
ただし、上記スケジュールは船に乗りっぱなしの最短プランです。旅の満足度を高めるなら、北海道や関西地方または九州地方で2泊程度滞在して、陸地でもしっかり観光することをおすすめします。
フェリー旅の注意点と、旅の直前に確認すべきこと
![フェリー船の脱出集合場所](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
フェリー旅は移動と宿泊を兼ねる移動手段ですが、海の上を長時間航行しますので、鉄道や飛行機旅、ホテル滞在とは異なる注意点があります。ウェブサイトでも確認できますが、船内施設の営業時間は乗船したらすぐに確認しましょう。特にショップはオープン時間が限られます。また安全情報の確認も重要です。部屋のテレビで安全対策のビデオが上映されていたら、必ず最後まで見て、避難経路や集合場所も実際に歩いて確かめてください。
![フェリー船の畳の客室](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
船内での支払いですが、クレジットカードや電子マネーが使えず、現金のみという航路もあります。フェリー乗り場まで運行するバスは、両替機がまだ旧札にしか対応していないという路線もありました(2024年10月頭時点)。旧紙幣の1000円札を多めに準備しておくと、いろいろな場面でスムーズに支払いできます。
旅が近くなったら、フェリー乗り場までのバス時刻を再度確認してください。2024年秋に旅した時は、10月から運行時刻が変わり、ターミナル駅の出発時刻が早まっていたバス路線がありました。また乗船前日や当日も運行状況を必ず確認しましょう。欠航にならなくても、荒天のために出航する港や時刻が変更されるケースもあるからです。2025年1月7日は海上荒天により、出港地が敦賀から舞鶴に変更され、バイク乗船は不可という変更が行われました。
フェリーは特別な体験ができる移動手段です
![フェリー船から見える美しい風景](https://exsenses.jp/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif)
移動と宿泊を兼ねることができ、料金もリーズナブル。大海原の景色を堪能できるフェリーでの移動は、それ自体が魅力ある旅の要素となります。カップルや家族旅行、グループの方の姿が多いですが、老若男女問わずひとり旅の方もいて、誰でも気兼ねなく旅することが可能です。
出航地を夜に出発する便を使えば、当日の昼間に近隣エリアを観光することもできます。フェリーは体力を温存しながら、時間を最大限使うことができる移動手段です。次の遠出にはフェリーを組み込んで旅してみませんか。
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