旬は10月の2週間!
秋の風物詩 丹波の黒枝豆を味わってみよう

当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。

枝豆というと、「暑い夏に冷えたビールとともに」とイメージする方が多いのではないでしょうか。
兵庫県・丹波の黒枝豆が旬を迎えるのは、夏ではなく、秋も深まり出す10月です。立派に育った大粒の豆と、一粒にコクがぎゅっと詰まった濃厚な味は、実りの秋の訪れを感じさせます。一度味わえば、枝豆のイメージがひっくりかえるかもしれません。
今回は、秋の風物詩ともいえる丹波の黒枝豆について、産地である丹波地域のことから、歴史、味わい方まで、たっぷりとご紹介します。

豊かな山の幸を育む 丹波地域

丹波地域の風景

兵庫県の中東部に位置する丹波地域は、丹波市と丹波篠山市の2市からなります。アクセスは、大阪・京都・神戸から、車や電車で1時間から1時間半ほど。大都市圏の近郊にありながら、面積の約75パーセントを森林が占める自然豊かな地域です。幾重にも連なる山々に抱かれるようにして、のどかな田園風景が広がります。

丹波地域では古来、寒暖差の大きい盆地特有の気候風土と、栄養豊富な土壌に恵まれ、四季折々の山の幸が育まれてきました。米・大納言小豆・栗・松茸など、全国的にも有名な特産物が数多くあります。

その1つが、「丹波黒(たんばぐろ)」とよばれる黒大豆です。

黒豆の王様 丹波黒

丹波黒の煮豆

正月のおせち料理に欠かせない食材として、全国的にも知名度の高い丹波黒。最近では、煮豆だけでなく、パンや和・洋菓子など、丹波黒を使用した様々な商品が販売されています。

丹波黒は、一般的な大豆と比べてかなり大粒。煮るとぷっくりとふくらみ、つややかな黒色に輝きます。ふっくら、もっちりとした食感と、一際甘く風味豊かな味わいは、極上のもの。その味の良さと姿形の美しさから、「黒豆の王様」と称されることもあります。かつては、江戸時代に将軍へ献上されたほか、年貢を黒大豆で納めたという記録も残っています。

一度食べたらやみつきに! 丹波の黒枝豆

黒枝豆の束

丹波黒を、成熟前の若く青いうちに収穫したのが、丹波の黒枝豆です。実やさやはほんのりと黒っぽく、さやには茶褐色の斑点が見られます。

黒枝豆の旬

黒枝豆の旬は、10月初旬からわずか2週間ほどしかありません。この時期の黒枝豆を、「本黒(ほんぐろ)」とよびます。7月から9月に出回る品種もあるのですが、そちらは「早生(わせ)」とよび、本黒と区別されます。それぞれに特徴がありますが、黒枝豆独特のコクと旨味をたっぷりと味わうなら、やはり「本黒」です。

丹波篠山市では、毎年10月初旬に、黒枝豆(本黒)の販売解禁日を設けています。これは、早生との区別をはっきりさせるためでもあるといいます。

10月末には、豆は固くなり、枝豆としての旬が終わります。その後は、黒大豆として栽培・収穫されることになります。

大粒の豆に詰まった特別な美味しさ

ザルにのった黒枝豆

黒大豆同様に、黒枝豆も一粒一粒が大きく、食べ応えがあります。塩茹ですると、食感はホクホク。初めて食べるとまず、味の濃厚さに驚くはずです。独特のコクと甘み、香ばしさが口いっぱいに広がります。その特別な美味しさを求めて、毎年、県内外から大勢の人たちが丹波地域を訪れます。

また、短い旬の間にも、刻一刻と味わいが変化していくのも特徴です。10月上旬のものは、新鮮でさわやかな味で、歯ごたえもしっかり。中旬になると、コクが増し豊潤でまろやかな味。下旬になってくると、食通が好む熟成した味わいに、などと表現されます。見た目にも変化があり、熟成が進むにつれて、豆の黒色は濃く、さやの斑点は多くなります。

塩茹でのほかにも、黒枝豆の豆ごはんや、天ぷらなどにしても、美味しいです。

もともとは地元で食べられていたもの

今では全国にファンのいる丹波の黒枝豆ですが、もともとは地元の農家などが家庭で食べるだけで、一般には流通していませんでした。知名度と人気が上がるきっかけになったといわれるのが、1988年に丹波地域で開催された、「ホロンピア’88」という博覧会です。この博覧会で、黒枝豆の試食会をおこなったところ、長蛇の列ができたといいます。その後、グルメ漫画「美味しんぼ」で、最高の枝豆として取りあげられたこともあって、一気に全国的に知られるようになりました。

丹波の黒枝豆はどこで買える?

沿道の直売所で

黒枝豆畑と直売所
黒枝豆畑(手前)と直売所(奥)
沿道に設置された黒枝豆の看板

販売が解禁されると、丹波篠山市内各所の沿道には、「黒枝豆」の看板やのぼりを掲げた、農家さんの直売所が並びます。黒枝豆畑や、収穫作業の様子を間近に見ることができるのも、沿道販売ならでは。農家さんによっては、収穫体験をおこなっているところもあります。

篠山城下町の商店街で

篠山城下町
歴史的な建造物が趣深い、篠山城下町
黒枝豆卸売店
1734年創業の老舗黒豆卸売店「小田垣商店」

公共交通機関で行く場合におすすめなのは、篠山城下町の商店街です。城下町までは、JR福知山線の篠山口駅から神姫グリーンバスで約15分。歴史的風情が残る城下町は、散策にもぴったりです。

期間中、商店街のお店の店頭には、枝付きのまま束ねられた黒枝豆が並びます。その場で配送サービスを受け付けているお店もあるので、自宅用はもちろん、贈り物にも便利です。いろいろなお店の豆を見て回り、目利きしながら買い物するのが、現地へ赴く醍醐味。その間にも、獲れたての黒枝豆が軽トラックに積まれて運ばれてきたり、店の奥では豆の出荷作業がおこなわれていたりと、地元ならではの空気が漂います。

なお、丹波篠山市公式観光サイトでは、商店街のお店をふくめ、市内の黒枝豆販売所のマップが公開されています。

2021年丹波篠山黒枝豆販売所マップ | 丹波篠山市公式観光サイト「ぐるり!丹波篠山」
※お買い求め・お出掛けの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認ください。

オンラインショップで

丹波の黒枝豆は、ネットでお取り寄せすることも可能です。丹波篠山市と観光協会が運営するポータルサイト「おうちで丹波篠山」では、市内の農家さんや販売店のオンラインショップが、まとめて掲載されています。

おうちで丹波篠山
※お買い求めの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認ください。

「秋の楽しみ」に加えてみて

2021年の丹波の黒枝豆の解禁日は、10月5日に決定しました。秋の特別な味を、ぜひ一度味わってみてください。きっと、来年もこの時期が待ち遠しくなるはずです。

当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。

佐部利 瞳
EXSENSES公式ライター

佐部利 瞳(さぶり ひとみ)
兵庫県在住のフリーライター。東北で生まれ育ち、大学時代に初めて暮らした関西が今では大好き。兵庫県で出会った、素敵な場所・人・コトをシェアしていきたいです。

このライターの記事をもっと見る