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神戸市街地からほど近く、アクセスもしやすい「有馬温泉」。『古事記』や『日本書紀』、『枕草子』にも登場する日本最古の温泉には、古来、天皇や武将、文人なども好んで訪れたとされています。現在も人気の観光地であるとともに、地元の人たちにとっては、休日にふらりと疲れを癒しにいくような身近な存在でもあります。この記事では、有馬温泉の重厚な歴史に触れながら、そんな歴史ある温泉を日帰りで気軽に堪能できる楽しみ方をご紹介。温泉とともに楽しみたい、温泉街ならではのグルメについても、お届けします。
有馬温泉の歴史
二柱の神によって発見
有馬温泉の起源は、神話の時代までさかのぼり、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)という二柱の神によって発見されたのが始まりとされています。有馬の地で二神を祀る「湯泉神社」の由来によると、二神が有馬を訪れた際、三羽の傷ついたカラスが赤い水を浴び、傷を治しているのを見て、温泉を発見したといいます。
衰退と復興を繰り返し、繁栄へ
有馬温泉の存在が世に知られるようになったのは、その発見から時が流れて飛鳥時代の頃。当時の天皇が有馬を訪れたことがきっかけだとされています。しかし、その後の有馬温泉は、洪水や地震などの天災に見舞われるなどし、衰退と復興を繰り返します。
奈良時代の僧・行基と平安時代の僧・仁西は、それぞれの時代で、災害を受けた有馬の復興に大きく貢献しました。また、戦国武将・豊臣秀吉は、自らも有馬の湯をこよなく愛し、幾度も足を運ぶとともに、大規模な改修工事を実施。その後の有馬の繁栄に多大な影響を与えました。江戸時代になると、有馬温泉は、全国の温泉を格付けした番付で、西の大関(最高位)に位置付けられるほど、名高い温泉地とされました。
有馬温泉街では、こうした歴史にまつわるスポットを巡る散策コースもあります。行基と仁西の木像が祀られるお寺(「温泉寺」)や、豊臣秀吉が造らせた湯殿へ温泉を送っていたとされる泉源(「極楽泉源」)などを見て回れます。温泉の前にぐるりと回るのには程よい距離です。
2種類の泉質 ―「金泉」と「銀泉」
有馬温泉は、「金泉」と「銀泉」と呼ばれる、成分も色合いもまったく異なる2種類の湯が湧き出ていることが特徴です。また、環境省が「温泉のうちとくに療養に役立つ泉質」として指定している10種類の泉質のうち、有馬温泉には8つの泉質の成分が含まれていて、多くの効能があるといいます。
●金泉
有馬温泉古来の湯。鉄分と塩分を豊富に含み、赤褐色でとろりとした湯。陽光が反射すると黄金に輝いて見えることが、名前の由来といわれる。
●銀泉
無色透明で、炭酸ガスを含む湯。明治初期の泉質調査で、炭酸泉であることがわかった(それ以前は、「毒水」と呼ばれ恐れられていた)。
日帰りで楽しめる!公共温泉
有馬温泉には、内湯のほかに、日帰りで利用できる公共の外湯が2箇所あります。『金の湯』では金泉、『銀の湯』では銀泉がそれぞれ楽しめます。『金の湯』には、無料で楽しめる金泉の足湯も隣接しています。
2軒は徒歩で程近い距離にあり、お得なセット券もあるので、両方を巡って金泉・銀泉のどちらも体験してみるのがおすすめです。
●金の湯
●銀の湯
温泉とともに楽しもう! 温泉街のグルメ
有馬温泉には、伝統的なものから新感覚のものまで、温泉地ならではのグルメもたくさん。今回は、定番の2つをご紹介します。
有馬温泉名物 「炭酸煎餅」
有馬温泉の伝統的な銘菓といえば、「炭酸煎餅」です。小麦粉・砂糖・塩といったシンプルな材料を炭酸水で練り、薄く焼き上げた煎餅で、自然で優しい甘さと、さくっと軽い食感が特徴。明治時代になって、有馬で湧き出る炭酸水が飲用にも適しているとわかったことで、炭酸水を活用したお菓子として、試行錯誤の末に誕生したといいます。
炭酸煎餅の発祥である『三津森本舗』では、創業以来手焼きの煎餅を作り続けており、その様子を間近で見ることができます(上写真)。手焼き職人が、綺麗に磨かれた鉄板に適量のタネを落とし、綺麗な色合いに焼き上げる。すかさずもう一人の職人が、型からはみ出た分の生地を手際よく削り、一枚一枚形を整える ー 流れるような美しい所作に、長い歴史と伝統が息づいているのを感じます。
店舗では、焼き立ての煎餅を試食させてもらうこともできます。
創業120年の老舗が届ける 炭酸煎餅の新たな味わい
『三津森本舗』に隣接するカフェ『MITSUMORI CAFE』では、炭酸煎餅を使った新感覚のスイーツを提供しています。
人気メニューの「炭酸煎餅ティラミス」は、珈琲に浸した炭酸煎餅と、マスカルポーネクリームを重ねたスイーツ。本来 “サクサク” とした食感の煎餅が、珈琲をしっかりと吸って、“モチモチ” とした弾力ある食感に。付け合わせの炭酸煎餅の “ミミ”(型からはみ出た端っこの部分)と食べ比べると、食感の違いが際立ちます。炭酸煎餅本来の優しい甘さと、珈琲のほろ苦さ、クリームのコクがよく合い、炭酸煎餅の新たな美味しさに出会える一品です。
食べ歩きには、片手で持って食べられる「炭酸和ッフル」もおすすめ。炭酸入りでふわふわのワッフルに、付け合わせのさくさくした炭酸煎餅がアクセントを加え、一つでいろいろな食感を楽しめます。
温泉の後は 爽快!「有馬サイダー」
有馬の炭酸水を活用したもう一つの名物が、「有馬サイダー」です。有馬で湧き出る炭酸水に甘味を加えて飲んだのが始まりで、日本初のサイダーともいわれます。1908年に「てっぽう水」の名で発売され、約20年間にわたり販売されましたが、その後製造中止に。時を経て2002年に、地元の有志たちによって復刻されました。
味わいの一番の特徴は、キリっと強めの炭酸。一口含めば、口の中でシュワシュワと炭酸が弾け、爽やかなサイダーの香りがふわっとふくらみます。甘さ控えめでスッキリとしており、温泉に浸かった後にぴったりの、爽快感のあるドリンクです。
瓶入りで販売されているほか、「有馬サイダー」を使った様々なオリジナルドリンクを提供するカフェやバーもあります。
疲れを癒しに、足を運んでみて
今回は、有馬温泉で短い滞在でも楽しめるスポットをご紹介しました。週末の休日に、ふらりと疲れを癒しに訪れてみてはいかがでしょうか。また、神戸の中心地・三宮や、自然豊かな六甲山など、近隣の観光地からもアクセスがしやすい温泉地なので、旅の途中や締めくくりに立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
※お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。
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