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暑さ厳しい夏、店頭にはさまざまな対策グッズが並んでいます。やはり人気は手軽で便利なポータブルファンでしょう。しかし今年は少し趣向を変えて「扇子」を使ってみてはいかがですか?日本の美意識を感じさせる扇子は、優雅に涼をとれる粋なアイテムです。今回は日本の三大扇子のひとつ「京扇子」に焦点をあて、その魅力に迫ります。またおすすめの京扇子専門店を5つ厳選しましたので、ぜひ扇子選びの参考にしてくださいね。
最初はメモ帳?意外と知らない扇子の歴史
扇子の歴史は平安時代までさかのぼります。日本最初の扇子は「檜扇(ひおうぎ)」といわれ、木簡(もっかん)という短冊状の木や竹を綴り合わせたもの。儀式の記録や短歌などを書くメモの道具として使われていました。主に男性が使用していましたが、色や絵で装飾された檜扇ができ、次第に女性も使うようになりました。
やがて木や竹の骨組みに片面だけ紙を貼った「蝙蝠扇(かわほりせん)」が登場し、これが現在の扇子の原型となります。この扇子が中国、さらにはヨーロッパまで伝わり、室町時代に両面貼りになったものが日本に逆輸入され普及していきました。「扇子は中国から伝わったもの」と思われがちですが、実は日本生まれだったのですね!
それまで貴族など位の高い人しか使えなかった扇子でしたが、江戸時代に入ると庶民の使用が認められるように。そして扇子の広まりとともにデザインのバリエーションも増え、現代の扇子へとつながるのです。
京扇子とは?
扇子の三大産地は、生産量順に京都・愛知・東京。それぞれ「京扇子」「名古屋扇子」「江戸扇子」と呼ばれています。京都は扇子発祥の地ということもあり、その生産量はなんと日本の約9割を占めるほど。京扇子は竹と紙、絹を主な材料として、扇面・扇骨・仕上げ加工のすべてを京都・滋賀を中心とした国内で生産しています。なお「京扇子」という呼称は、京都扇子団扇商工協同組合が有しており、組合員だけが使用できるというルールがあります。
京扇子の特徴と魅力
京扇子には、実用的なものから能扇、舞扇、茶席扇や祝儀扇まで、さまざまな種類があります。素材や製法としては、紙や絹を貼った貼扇(はりおうぎ)と、白檀など香木を薄くした木片を重ねて作る板扇(いたおうぎ)の2種類。また京扇子は多くの職人たちの完全分業制で作られていて、その制作は実に87工程。熟練した職人たちの手仕事で作り出される京扇子は美しさだけでなく、手触り、滑らかな開閉具合が人の手によくなじみます。他の扇子にくらべて扇骨(せんこつ)の本数も多く、耐久性に優れつつも、仰いだときに優雅でしなやかな風を生み出すのが京扇子の魅力です。
京扇子おすすめ専門店5選
扇子は京都の代表的な名産品のひとつ。そのため数えきれないほどの京扇子専門店があります。自分用に、ギフト用に、どこで購入すればいいか迷ってしまいますよね。そこでおすすめの京扇子専門店を5つ厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
白竹堂(はくちくどう)
享保3年(1718年)創業の老舗扇子店。伝統的な京扇子だけでなく、モダンやエレガントなもの、さらにはキャラクターとのコラボや左利き用の扇子など、そのラインナップは多彩です。浴衣などの和服だけではなく、洋服にあわせておしゃれな扇子を使いたい人にもおすすめ。本店では扇子の絵付け体験や名入れサービス、また投扇興(とうせんきょう)と呼ばれる扇子を使った伝統的な遊びも体験することができます。
価格:5500円 |
宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)
創業は文政6年(1823年)。舞扇、夏扇に加え、昔ながらの飾扇など、あらゆる扇子を揃える老舗の扇子店です。長年に渡って培われた職人の技術が生み出す扇子は高く評価され、昭和34年には、当時の皇太子殿下御成婚の際に祝の扇を献納した実績も。時代とともに職人の確保が難しくなってきている現在、職人の育成と技術継承にも力を入れ、扇子の伝統と文化の普及にも積極的に取り組んでいます。
価格:6,600円 |
大西京扇堂(おおにしきょうせんどう)
創業は昭和初期(1918年)と、比較的新しい扇子店。扇子とフレグランスを融合させた商品など、伝統に新たな風を吹き込むモノ作りが特徴です。それだけではなく、扇子の正しい使い方や開き方を指導する一環として、扇子の絵付け体験、茶席体験を英語で体験することも可能。外国人の知り合いを誘って、本物の扇子体験を堪能してみてください。
山二(やまに)
正徳3年(1713年)創業、職人芸と伝統の精神を受け継いだ扇子店。他店とは違い、あくまで日常使いとしての扇子を提案しています。おすすめは、男性の胸ポケットにもすっぽり収まる伸縮式のコンパクトな「ポケット扇」。職人さんの技術が詰め込まれています。初心者でも購入しやすい価格の扇子も多く、デザインも伝統的なものからモダンなものまで、コーディネートに合わせて選べる魅力的なお店です。
価格:9900円 |
舞扇堂(まいせんどう)
1200年続く扇子の歴史のなかで、京都の繊細な美意識を意匠や形として保ってきた扇子店。実用的な扇子のほかに、飾り扇として価値の高い「檜扇(ひおうぎ)」も取り扱っています。檜扇は専属の絵師が直接扇子に描くもので、豪華さと華やかさを併せもった唯一無二の作品は、芸術的にも価値の高い作品です。祇園店のほかに、きよみず店と錦市場店もありますので、観光の際に立ち寄ってみてくださいね。
価格:6,820円 |
優美な京扇子で、おしゃれに夏を涼みませんか
扇子は風をおこす道具である一方、美しい絵柄が描かれており、実用性と芸術性を持ち合わせた日本を代表する伝統工芸品。京扇子をおもむろに開き、ゆったりと仰ぐ仕草は非常に優雅で、暑さの中に涼しさを感じさせてくれます。今年はバッグの中に京扇子を忍ばせて、夏の暑さを “粋” に過ごしてみてはいかがでしょうか。
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