世界有数の豪雪地「十日町」
雪国の知られざる魅力とおすすめ宿3選

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日本国内のみならず世界規模でも有数の豪雪地として名高い、新潟県十日町。雪と共生し育まれてきた歴史と文化が2020年6月、文化庁が定めた「日本遺産」に認定されました。無雪期と有雪期では別世界が広がる十日町は、いったいどのように発展してきたのでしょうか。今回はそんな十日町の知られざる魅力と、周辺のおすすめ宿を3つご紹介します。

日本遺産とは

日本独自の文化遺産保護制度

日本遺産とは、文化庁が認定した特定の地域の歴史的な魅力を伝える「ストーリー」のことです。魅力溢れる有形・無形の文化財群を、地域が主体となって整備、活用して国内外へ発信し、地域の活性化を図ることを目的とした日本独自の文化遺産保護制度。2015年(平成27年)にスタートし、年に1回の公募を経て認定されます。2024年1月現在、104件のストーリーが認定されています。

「なぜ」「どういった経緯で」認定されたかをストーリーにする理由のひとつに、一部の限られた人だけでなくその地域全体が活性化に向けて団結し、魅力を発信していくことを目指しているそうです。日本遺産に認定されたことによって、永続的にその地域の発展が期待できるのですね。

十日町の歴史

十日町の歴史は非常に古く、笹山遺跡(一部が文化財に指定)からなんと旧石器時代の火焔型土器が出土し、当時話題になりました。約5000年前の縄文時代中期に造られたと見られ、これらの土器や石器が1999年(平成11年)に新潟県として初、縄文土器としては全国初の国宝に認定されました。はるか昔からこの地で人類が生活をしてきた歴史を知る、貴重な証拠として十日町市博物館に展示されています。

なだらかな山並みに囲まれ、日本一の長さを誇る信濃川が流れる十日町は、市街地でも平年の積雪が2mを超える日本有数の豪雪地帯。そのため人々は一日の大半を家で過ごしてきました。豪雪地にとって家は生活の拠点であるのはもちろん、食料や燃料の貯蔵庫も兼ねています。時に脅威となる大雪から家を守ることは、一番の課題です。
屋根の傾きを急にする「落雪式住宅」や、家の柱や壁を強固にする「大雪式住宅」など、先人たちが雪との格闘の末に作り上げた知恵の財産とも言えますね。
1981年(昭和56年)には、全国一雪に強い都市を目指す「克雪都市宣言」を全国に先駆けて宣言。雪の多い場所でも住みやすい街づくりを実現させる目標として掲げられ、現在も活動が続いています。

豊富な雪をうまく活用し、発展したものとして「着物産業」が挙げられます。十日町は雪が多く冬の湿度が高いため、着物を織るのに必要な絹糸を加工する際に傷がつきにくく、高品質の商品を作ることができたのです。明石ちぢみに代表される絹織物が発展し、1975年(昭和50年)には絹織物産地としてイタリアのコモ市と姉妹都市提携を結びました。

もうひとつは「米作り」。豊かで綺麗な雪解け水が新潟平野のたんぼを潤し、実りの良い美味しい十日町育ちの魚沼産コシヒカリが誕生しました。また、雪の下で半年間たんぼを休ませるため(休墾田)、雑草や害虫が発生しにくく、質の高い米ができると評価されています。こういった好条件が重なり、魚沼産コシヒカリは高級ブランドとして確立されたのです。

十日町の歴史や文化の発展は、雪との密接な関りがあることが分かりますね。

十日町の日本遺産

2020年(令和2年)、「究極の雪国とおかまちー新説!豪雪地ものがたりー」が日本遺産に認定されました。「着もの・食べもの・建もの・まつり・美」という5つのカテゴリーに分類された十日町の文化や歴史が語られています。ここでは、その中から3つの構成文化財をご紹介します。

清津峡

黒部峡谷(富山県)、大杉谷(三重県)とともに日本三大峡谷にも数えられる「清津峡」。国の名勝・天然記念物に指定されています。川を挟んで切り立つ巨大な岸壁がV字型に大峡谷を形成。清津川の美しいエメラルドグリーンとのコントラストは、訪れる人々に感動を与えると評判です。自然が作り上げた雄大な絶景を写真に収めようと、多くの観光客で賑わう人気スポットです。

清津川沿いを歩いて30分程の場所に現れるのが、「清津峡渓谷トンネル」です。全長750mのトンネル内には3つの見晴所とパノラマステーションという、SNSでも話題となったフォトジェニックなスポットがあります。いちばんの見どころは最奥にあるパノラマステーション。床一面を覆う沢水に峡谷と空が反射する情景は圧巻です。

へぎそば

十日町の代表的なグルメといえばへぎそば。「へぎ」とは、木製の器のことで、木を剥ぐ→はぐ→へぐという言葉の訛りから生まれたといわれています。へぎという木の器に一口サイズで盛り付けられたそばを「へぎそば」と呼ぶようになりました。

へぎそばの特徴は、つなぎに織物の糸の糊付けに使う「布海苔」という海藻を加えた点です。織物産業の盛んな十日町ならではのアイデアに加え、綺麗な水が豊富にあったことがへぎそばの誕生と発展につながりました。ツルツルとして強いコシがある独特の食感は一般的な蕎麦とは一線を画します。ぜひ一度、本場のへぎそばを食べてみてはいかがでしょうか。

星峠の棚田

十日町市の星峠は、山の傾斜地を利用して作られた棚田が点在する人気エリアです。田んぼに水が張る春と秋には、水面に景色が反射して映り込む「水鏡」が楽しめます。
青々とした緑、雲海に覆われた幻想的な光景など、季節や時間帯で表情を大きく変化させる棚田の景観は幻想的。風情ある棚田の魅力を体験するのもいいですね。

十日町市周辺のおすすめ宿3選

せっかくなら普段体験できない雪国での時間を、ゆっくりくつろげる宿で満喫したいですよね。ここでは十日町市周辺のおすすめ宿を厳選して3つご紹介します。

じょんのび温泉 高柳じょんのび村

写真提供:高柳じょんのび村

十日町駅から送迎バスで約30分の場所にある、高柳じょんのび村。「じょんのび」とは、ゆったりのんびり芯から心地よいというお国ことばの事です。黒姫山中腹から湧き出る天然温泉が楽しめる「楽寿の湯」は、見晴らしの良い露天風呂やサウナもあり、お食事や休憩もできる人気の日帰り温泉です。大浴場の天井は、かやぶき家屋の屋根裏を表現。長い冬の豪雪を耐え抜くため、昔の人々が凝らした工夫を垣間見ることができます。宿泊客は11:00~24:00、5:00~8:00の時間帯に温泉を利用できるのも嬉しいポイントです。

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クラウドファンディングにより改装工事が実現し、2023年4月、14年ぶりに囲炉裏ダイニング「銀兵衛」がグランドオープン。炭火焼ハンバーグをメインとした、新潟県の旬の食材が味わえます。また、スタッフのおもてなしや気配りも好評。古民家風で居心地の良い銀兵衛で、じょんのびとくつろぐ時間を満喫してみてはいかがでしょうか。

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じょんのび温泉 高柳じょんのび村
0257-41-2222
11:00〜20:00
※お出掛けの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

魚沼の隠れ温泉 くつろぎ庵

一日3組限定の隠れ家宿「魚沼の隠れ温泉 くつろぎ庵」。静かで落ち着いた時間を過ごせるとリピーターも多い人気の宿です。すべて源泉かけ流しの露天風呂は、貸し切りで利用できるプライベート空間。冷たいドリンクやお酒を飲みながら贅沢に楽しむことも可能です。

お食事は南魚沼産コシヒカリをはじめとした、地元の食材を使った季節料理が充実。ジビエ料理や旬のお魚など、ここでしか食べられないコース料理も魅力です。
他にも手ぶらで行えるバーベキュー、餅つきやそば打ち、書道などの体験ができるプランも充実しているので、思い出作りが沢山できそうですね。

魚沼の隠れ温泉 くつろぎ庵
025-772-8111
チェックイン: 15:00 / チェックアウト: 10:00
なし
※お出掛けの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

酒の宿 玉城屋

有馬温泉、草津温泉と並ぶ日本三大薬湯のひとつ、松之山温泉が楽しめる「酒の宿 玉城屋」。約1200万年前の地下水を起源とする薬効高い温泉として名高く、温泉成分は療養泉基準値の約15倍と大変濃いんです。日本を代表する名湯で芯まで温まるのもいいですね。

松之山を訪れた人のみが食べられるフレンチのフルコースは、ミシュランガイド新潟2020特別版のフランス料理一つ星を獲得。里山の旬の食材を生かした本格フレンチが味わえます。酒匠選りすぐりの日本酒とフレンチのペアリングを楽しめる「日本酒ペアリングプラン」や、ソムリエお任せの「ワインペアリングプラン」など、新潟の食と美酒を堪能できるのが魅力です。

酒の宿 玉城屋
025-596-2057
チェックイン: 15:00 / チェックアウト: 10:00
なし
※お出掛けの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

豪雪地の文化を体験する旅へ

自然の恵みでもある雪と共に暮らしてきた十日町。雪国だからこそ生まれた文化や知恵を、日本遺産のストーリーから学び興味を持つことで、さらに訪れる人が増えそうですね。次の旅行先には、雪に愛された街「十日町」を選んでみませんか。

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エクセンス編集部
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