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復活したサッカーの聖地
Jヴィレッジが魅力発信

Jビレッジ復活の様子

日本初のサッカーナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町・広野町)が東京電力福島第1原発事故の対応拠点を経て復活し、新たな魅力を発信し続けています。サッカーをはじめとする各種スポーツのトレーニングのほか、4千人の収容が可能な全天候型練習場ではコンサートやイベント会場としての利用も。新ホテル8階の展望風呂からは太平洋に昇る朝日を拝むことができ、近くの海岸ではサーフィンを楽しめます。東日本大震災と原発事故からの復興途上にある、自然豊かな双葉郡の現状に触れる旅の宿泊拠点としての利用にも最適です。今回はその「Jヴィレッジ」について詳しくご紹介します。

サッカーの聖地

Jビレッジ上から見た外観

Jヴィレッジは、日本サッカー界にとって長年の悲願だった国内最高レベルのピッチコンディションを誇る施設として1997年7月にオープンしました。福島県の太平洋側に位置する両町にまたがり、国道6号線とJR常磐線に囲まれた約49・5ヘクタールの丘陵地に整備。5千人収容のスタジアムを含む天然芝ピッチ11面のほか、400メートルトラック付きの人工芝ピッチ1面、雨天練習場などを整備し、宿泊・飲食施設も併設しました。各国の代表チームやJリーグチームも利用する常緑の天然芝が魅力で「サッカーの聖地」とも呼ばれています。

事故収束の対応拠点

Jビレッジ東日本大震災時

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、ピッチの一部に亀裂が入り周辺の道路は大きく陥没しました。事故を起こした東京電力福島第1原発からはちょうど20キロの距離にあり、事故対応の拠点として利用されました。芝生のピッチはダンプ約3600台分の砂利などに覆われ、作業員の駐車場や東電の単身寮、資材置き場などに様変わりしました。
2016年11月にその役目を終え、サッカー施設として復活することになりました。18年夏にホテルやグラウンドの一部を再開し、19年4月に全面再開。新生Jヴィレッジは天然芝8面、人工芝3・5面を有し、サッカーコート1面が入る目玉の全天候型練習場は白いダンゴムシのような外観をしています。全面再開日には人気ダンスボーカルグループのDA PUMPのコンサートなどがあり、大勢の人が8年ぶりとなるサッカーの聖地の復活を祝いました。

Jビレッジ全面再開日のコンサートの様子

ピッチを見渡すことができるセンターハウス4階展望ホールには蹴球神社があり、大会等での活躍を祈願する選手たちが訪れています。コロナ禍のため神社わきに非接触型のLEDビジョンを設置、自動で鈴を鳴らしおみくじを引くことができます。また、Jヴィレッジの歴史をまとめた動画を公開。地域情報を紹介する検索モニターなどもあり、震災・原発事故の教訓を学ぶツアー客らからも喜ばれています。

Jヴィレッジ駅開業

Jヴィレッジ駅

施設の全面再開に合わせて、JR常磐線に新駅「Jヴィレッジ駅」が開業しました。これまでは自家用車やバスなどを利用して訪れる人がほとんどで、敷地内には755台(大型25台)分の駐車場があります。ホテルフロントまで徒歩10分の距離にある駅の開業で利便性が向上し、首都圏からも3時間ほどで到着できます。当初はイベント開催時などに限定した臨時駅でしたが20年3月からは常設駅になりました。
構内には、サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)や五輪で優勝した時に備え、トロフィーのレプリカを展示するための台座があるほか、サッカーのイラストや、ゴールポストをモチーフにした事務用の施設も。また、代表のイメージソングが流れ、サッカーの聖地に到着した雰囲気を盛り上げています。

だれでも利用できる施設

バドミントンをしている子供

国内外のトップクラスのチームが合宿するイメージが強く、「一般の人が利用できることをあまり知られていなかった」(スタッフ)ため、運営会社や福島県などはより気軽に施設に訪れてもらおうと、さまざまなイベントを企画。2022年1月16日までの土日、祝日(一部を除く)は子どもから大人まで無料で遊べるイベント「ASOVILLAGE~はじけるあそびば アソヴィレッジ!」(新型コロナウイルスの影響で休止の場合も)を開いています。
またサッカーだけでなくラグビーやアメリカンフットボール、アルティメットやラクロスなどさまざまなスポーツに対応していることをPR。スポーツのほか、イベントにも使える全天候型練習場(人工芝)の利用料金は高校生以下の宿泊者が1時間7800円、一般宿泊者は8800円と、利用しやすい料金設定になっています。格安の平日限定の県内割もあります。
宿泊施設は、かつては合宿利用者を見越した相部屋が多かったものの、新ホテルは一般客向けのシングルルーム(トイレ・シャワーブース付き)が新設され合計200室。大柄な選手の利用も想定し、一般的なビジネスホテルの1・4倍ほどの広さでベッドはダブルサイズになっています。


レストランでは地元小名浜港で水揚げされた常磐ものの海産物を使った「ふくしま潮目丼 目光の唐揚げ添え」(税込み1980円)や、サッカー日本代表のフィリップ・トルシエ元監督が命名した楢葉町の郷土料理「マミーすいとん」と焼き魚の定食(同1210円)など、地元食材をふんだんに使ったメニューを楽しめます。また、栄養士が監修した、認知症予防にも効果があるとされる塩分を控えたヘルシーランチを用意。さまざまな地酒を楽しめる日本酒飲み比べセットが人気です。

Jヴィレッジのレストラン

ショップでは福島県の浜通り・中通り・会津地方ごとの県産品コーナーが充実しているほか、Jヴィレッジオリジナルグッズやサッカーグッズなどを販売しています。施設にはトレーニングジムやアリーナ、室内温水プールなどを完備していますが、より本格的な屋内スポーツ施設として近接地に、運営会社が楢葉町から委託運営しているならはスカイアリーナがあり、両施設間を車で送迎。バスケットやバレーボールのトップリーグのチームなどの利用も広がっています。

復興の象徴としても注目

今回は福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」の魅力をたっぷりご紹介いたしました。日本初のサッカーナショナルトレーニングセンターとして誕生し、日本サッカーの躍進に貢献。東京電力福島第1原発事故後は事故の対応拠点として活用され、復興の象徴としても魅力を発信しています。サッカーに限らず様々なスポーツを楽しめるほか、被災地ツアーの拠点としても注目されています。福島に訪れる際はぜひ「Jヴィレッジ」に足を運んでみて下さい。

Jヴィレッジ
0240‐26‐0111
※お買い求め・お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。

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中村ストア
EXSENSES公式ライター

福島県いわき市在住の記者兼カメラマン。