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敬老の日に贈りたい
一生物の伝統工芸品、輪島塗

輪島塗は石川県の輪島市で作られる伝統的な漆器です。商品によっては沈金や蒔絵といった細工がふんだんに施されており、高級感に溢れています。また普段使いではなかなか手に取りにく工芸品ですが、輪島塗はその製作工程の中で特に強度に重きを置き、何度でも使うことができる伝統工芸品として仕上げています。この記事では輪島塗についての歴史や製作工程、おすすめの商品などについて紹介しています。輪島塗の商品は、ペアで販売されているものが多く、さらに金をあしらった豪華な加飾から大切な人へのプレゼントにもおすすめです。今月19日は敬老の日、贈り物に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

輪島塗とは

©石川県観光連盟

輪島塗とは、石川県輪島市で生産される漆器のことです。ここでは輪島塗の歴史や特徴、また輪島塗の産地である石川県輪島市についてご紹介します。

漆が豊富な石川県輪島市

輪島市は石川県の北部、能登半島の端にある人口およそ3万人ほどの小さな町で、古くから港町として栄えており、朝市など観光関連の産業も盛んです。

輪島塗には輪島市でしか取れない地の粉という材料が使われています。地の粉はいわゆる珪藻土の一種です。輪島市には輪島塗の原料となる漆の木と、ケヤキやアテ(この地方でのアスナロの俗称)などの木地に使われる木が豊富にあります。

漆工芸ではヒノキのヘラを使って下地作業を行うことが多いのですが、輪島市のある能登半島にはヒノキが分布していません。そのため代用材として同じヒノキ科であるアテをヘラ木として使っています。アテはヒノキとほぼ同様の性質を持っており、輪島の地の粉を用いた下地作業には最適です。

江戸時代から伝わる全国初の重要無形文化財

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輪島塗の起源は諸説あるのですが、現在に近い形態になったのは1630年ごろ。江戸時代の前期だったとされています。基本は朱や黒の漆塗りだったのですが、明治から蒔絵師の普及に伴い、明治中期から大正時代には輪島塗といえば沈金や蒔絵による豪華な加飾というイメージが定着しました。

現存する最古の輪島塗は、輪島市の河合町にある重蔵神社(じゅうぞうじんじゃ)にある旧本殿の朱塗扉だといわれています。こちらは大永4年(1524年)に作られた作品だそうです。

輪島塗は1975年に国の伝統的工芸品として文化財に指定され、1977年には全国の漆器で初の重要無形文化財に指定されました。まさに日本を代表する工芸品と言うことができるでしょう。

強度を上げる20以上の工程

©石川県観光連盟

輪島塗の製作は塗り上げまでに20工程以上、総手数では100を超える製造工程を経て出来上がります。

まず木地に生漆と米粉を混ぜたもので布を貼って補強します。この布着せといわれる工程は木地に布を貼ることで椀の縁や高台、箱物の角など傷つきやすい箇所を補強するために行われる作業です。漆工芸における基本的な工芸ではあるのですが、現在広く流通している漆器では省略されることも多く、現代では輪島塗や越前塗り、京漆器など一部の漆器産地で作られるものでしか見ることができません。

そして輪島地の粉と呼ばれる焼成珪藻土を混ぜた下地を何層にも厚く塗り、さらに強度を上げて丈夫にします。そのため輪島塗は特に丈夫さに重点を置いて製作されており、たとえ壊れてもまた修理をして使うことができる一生物の漆器となっています。

敬老の日におすすめしたい輪島塗商品

ここまで輪島塗について詳しく解説してきました。ここからは敬老の日におすすめしたい輪島塗の商品を4点ご紹介します。敬老の日に何をプレゼントしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

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輪島塗の商品を選ぶのなら、まず塗り箸はいかがでしょうか。前述の通り、輪島塗は木地づくりから塗りの作業を合わせると100以上の工程があります。手間と時間をかけた分、美しく丈夫な塗り箸が作り上げられているのです。

縁起のいい百寿とかけて、110回漆を塗り重ねた商品も有名です。こちらは完成まで2年もかかるそう。箸は毎日使うものなので、高品質の良いものを使うと暮らしが豊かになるように感じられ、敬老の日の贈り物にぴったりでしょう。

お椀

漆器は扱いが面倒なのではと思う方は、まずお椀を試してみることをおすすめします。毎日使うことで漆や木の温かみが手に馴染み、お椀を使う楽しみが深まります。扱い方は実は普通の食器とほとんど変わりません。柔らかな布やスポンジなど、中性洗剤で普通に洗って優しく拭くだけで大丈夫です。

輪島塗のお椀はとても丈夫で、長く日常使いを続けていても綺麗な姿を保ち続けます。確かに普通の食器と比べると少しお高いように感じますが、一生モノとして使用できるので非常に経済的です。

コーヒーカップ

変わり種としては、輪島塗のコーヒーカップもおすすめ。輪島塗といえば伝統工芸品として定番のものしか扱っていないようなイメージもありますが実は海外出身の職人などもいて、モダンでおしゃれな商品も増えています。

中にはカップだけでなくソーサーまで輪島塗で作られているものも。陶器とはまた違って、和の印象を持った高級感を感じさせます。長く使い続けることによって変化する風合いを愛でるのも、漆器の楽しみ方の一つです。丈夫な輪島塗なら、その風合いを何年も味わうことができるでしょう。

ぐい呑み

敬老の日の贈り物としてはぐい呑みもおすすめです。朱や黒の漆塗りに沈金や蒔絵といった技法がよく映えます。輪島塗のぐい呑みを使えば、お酒を飲む楽しみがさらに増えること間違いなしです。

漆器の特徴として、口当たりが良いという利点が挙げられます。輪島塗は丈夫で尚且つ軽いという特徴があるため、お酒もついつい進んでしまいますね。さらに保冷や保湿性に優れているため、お冷でも熱燗でも美味しく頂けます。シンプルな形状のぐい呑みだからこそ、輪島塗の美しさがよく分かるでしょう。

中には縁起物の絵柄が入っている商品も多くあるので、敬老の日の贈り物としてはまさにうってつけではないでしょうか。

一生物の輪島塗を敬老の日に贈ろう

輪島塗は漆器の中でも特に丈夫で美しい製品です。その佇まいは、まさに堅牢優美と言う言葉に相応しいでしょう。もし実際に目にする機会があれば、ぜひ手にとってその質感や色合いの素晴らしさを確かめてみてください。

また輪島塗は敬老の日の贈り物としてもおすすめです。特に夫婦箸や夫婦椀など、二つセットでプレゼントしても喜ばれるでしょう。輪島塗の商品をプレゼントして、敬老の日に孝行してみてはいかがでしょうか。

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