大イベントを間近に控えたパリの新スポット巡り

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2024年の五輪開催地として、着々と準備が進められているパリ。町の整備や施設のリニューアル工事が行われるとともに、新たなスポットも誕生しています。数々の歴史遺産を守りながら、未来に向けて進化を続けていくパリの新たな魅力を紹介しましょう。

16年の眠りから覚めた老舗デパート

パリの老舗デパート
サマリテーヌ、ポン・ヌフ館のアールヌーヴォー様式で装飾されたファサード

セーヌ川に架かる橋で最も古いポン・ヌフのたもとに建つ老舗デパートとして、パリ市民から愛されてきた「サマリテーヌ」。老朽化した建築物の安全性の問題から2005年に閉鎖され、16年後の2021年、高級ホテル「シュヴァル・ブラン」やレストラン、オフィスなどが入居する複合ビルとして再開しました。

デパート部分の面積は縮小されましたが、大規模な修復工事を行ったことで、20世紀初頭のアールヌーヴォー、アールデコ様式の装飾が色鮮やかに蘇り、新たな名所となっています。装飾を施した大階段や、壁を覆う華やかなフレスコ画など、見どころたっぷり。

また、リヴォリ通り側に面した外観は、日本人建築家妹島和世氏・西沢立衛氏によるユニットSANAAが設計を担当したことでも話題になりました。波打つガラスがファサードを覆う、斬新なデザインです。

美術館、博物館が続々とリニューアル

パリの美術館
クリュニー美術館の『貴婦人と一角獣』展示室
Musée de Cluny – musée national du Moyen Âge
© Alexis Paoli, OPPIC

コロナ禍で多くの美術館が長期間クローズしてしまった2020年。2021年に町のロックダウンが解除されてからは、修復中だった美術館が次々と再開しました。

たとえば先史時代から始まるパリの町を膨大な資料でたどるカルナヴァレ美術館は、4年におよんだ改修工事を終えて2021年に再開。名称に「Histoire de Paris(パリの歴史)」が加わり、町の歴史を知るというテーマがより明確になりました。

同じマレ地区、ヴォージュ広場に面したヴィクトル・ユゴーの家(記念館)も同時期にリニューアルオープン。中庭に新設されたカフェでお茶とスイーツも楽しめるようになりました。

セーヌ左岸では、中世美術のコレクションで知られるクリュニー美術館が7年ぶりに再開。中世の至宝を、時代を追って見学することができます。なかでもハイライトは、来日したこともある6帳のタペストリー『貴婦人と一角獣』の展示室。「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」を寓話的に表現したタペストリーには、どこか謎めいた魅力があります。

新たなアートスポットも登場

パリのアートスポット
古典と現代が融合するブルス・ド・コメルス ピノー・コレクションの内部空間
Bourse de Commerce ― Pinault Collection © Tadao Ando Architect & Associates, Niney et Marca Architectes, Agence Pierre-Antoine Gatier
Photo Patrick Tourneboeuf

また新たにオープンしたアートスポットとしては、日本を代表する建築家のひとり安藤忠雄が設計に関わった「ブルス・ド・コメルス ピノー・コレクション」があります。

18世紀に穀物貯蔵庫として造られ、19世紀には商品取引所(ブルス・ド・コメルス)となった建物を復元、内部にコンクリートでできた円形の展示スペースを設けてギャラリーとしたものです。

展示されているのは、実業家フランソワ・ピノー氏が所蔵する現代美術作品。ピノー氏の膨大なコレクションのなかから選ばれた作品が企画展示されており、重厚な古典建築と現代美術が不思議なくらい調和した空間で、アート散歩を楽しむことができます。

ノートルダム大聖堂の修復工事も進行中

パリのノートルダム大聖堂
奇跡的に被害を免れたふたつの塔と正面

2019年の火災により、屋根と尖塔を焼失したノートルダム大聖堂は、現在も大掛かりな修復工事が行われています。焼け落ちた部分をどのように再建するかについては、プランの公募が行われました。度肝をぬくような奇抜なデザイン案も出されましたが、結局、元通りの形で復元されることになりました。

火災が起きた翌年には、新型コロナウィルス流行に伴い工事が中断するなど、さまざまな制約のなかで進められてきた工事は、2024年4月の再開を目指して、今も進められています。

ノートルダム大聖堂前の広場には、聖母子像「ノートルダム・ド・パリ」のレプリカが置かれ、工事の様子を見守っているかのようです。

五輪開催に向けて整備が進む町

パリ五輪の競技会場
改修中のグラン・パレの代替施設として建てられた「グラン・パレ・エフェメール」も競技会場になる予定

1924年のパリ五輪からちょうど100年となる記念の年、2024年に五輪が開催されるパリ。セーヌ川で行われる開会式など、これまでにない斬新なプログラムが発表されています。自由の象徴とされてきた赤い縁なしの帽子「フリジア帽」をモチーフにしたマスコット「フリージュ」もお披露目されました。とりわけ注目されるのは、数々の観光名所が競技会場になること。たとえばシャンゼリゼ大通りでは自転車競技、ナポレオンの墓所としても知られるアンヴァリッドではアーチェリー、エッフェル塔の下に広がるシャン・ド・マルス公園ではビーチバレー、そしてヴェルサイユ宮殿は馬術競技の会場になります。観戦とともに、名所巡りもできそうです。


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坂井彰代(さかい あきよ)
EXSENSES公式ライター

フランスの旅に関する書籍制作を主に担当しているエディター&ライター。地球の歩き方『フランス』『パリ&近郊の町』は初版から担当。著書に『パリ・カフェ・ストーリー』(東京書籍)、『フランスの一度は訪れたい村』(東海教育研究所)などがある。