ブーム到来の予感。美食の地バスクから届いたチャコリ

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美食の地・バスク地方のタパス

「食はバスクにあり」という言葉をご存じですか?
スペインとフランスの国境をまたいで広がるバスク地方は美食で知られ、世界中のフーディ憧れの地。
 
そんなバスクの地で古くから親しまれてきた地ワインがチャコリです。
土着品種のブドウで醸造され、ほとんどがフレッシュなうちに地元で消費されてしまうため、これまであまり知られることはありませんでした。
 
バスクの美食文化が広まるとともに、その名が知られるようになったチャコリ。
ここではその魅力とおすすめのチャコリをご紹介します。

低アルコールで軽やかな飲み心地のワイン、チャコリとは

チャコリはアルコール度が低く、ごくごく飲めるカジュアルなワイン。とてもユニークながら、どんな料理にもあう万能選手です。

食を娯楽として楽しむバスク生まれ

美食の中心地サンセバスティアンのビスケー湾

チャコリが生まれたのはピレネー山脈の西側、スペイン・バスクです。他の地域から隔絶され、閉ざされた厳しい地形のバスクでは、独自の文化と言語が発達しました。
食文化もそのひとつ。バスク料理は「世界一美味しい料理」と評され、世界に知られるようになりました。

海の幸と農作物に恵まれ、秘密結社のような会員制の美食クラブがいくつも存在します。

その中でも「ビスケー湾の真珠」といわれるサンセバスティアンは美食の中心地。
小さな町ながら、ミシュランの3つ星レストランをいくつも擁し、活気のあるバルが立ち並びます。
この地に住む人たちにとって、バルは家の延長線上。気軽に立ち寄れるバルでチャコリを飲みながら、ピンチョスをつまみ、何軒もお気に入りのバルをハシゴするのだそう。

特徴は心地よい酸味と爽やかな香り

バスクの地ワイン・チャコリ

チャコリはバスク土着のブドウ品種オンダ ラビ・スリを使った白ワインがほとんど。
黒ブドウのオンダラビ・ベルツァを使った赤やロゼの生産はわずかです。

9割は熟成させることなく、ブドウの収穫から1年以内にリリースされます。酸味が残るものが多く、柑橘系やハーブの透明感のあるアロマが特徴です。

そしてチャコリの飲み方で知られているのが「エスカンシア」。
高い位置から勢いよくグラスに注ぎ込むことで空気に触れさせ、独特の強い酸味をやわらげ、オンダラビ・スリの香りを開かせます。

原産地呼称が認められた3つの産地

バスク地方のぶどう畑

もともとはそれぞれの家庭で飲むために作られてきたチャコリ。その歴史の中では消滅の危機も訪れました。

そんな中、チャコリを残そうと一部の生産農家が働きかけたことにより、3つの産地がスペインのワイン法でDO(原産地呼称)の認定を受けました。そのおかげで生産量は増え、いまに受け継がれています。

3つのうち最大規模のDOゲタリアコ・チャコリーナ

ビスケー湾に面した北向きの斜面に広がるブドウ畑は、冷たい海風にさらされ多湿、ブドウ栽培にとって恵まれているとは言えない環境にあります。

そんな環境で育ったブドウにはどうしても酸味が残るため、この地域のチャコリは強めの酸味が特徴。そこで生まれたのがエスカンシアという独特の注ぎ方というわけです。

海と山の特徴をあわせもつビスカイコ・チャコリーナ

この地域は海と山にブドウ畑が点在し、バランスのいいチャコリが特徴。

軽やかなゲタリアコ産と比べて、味に厚みがあります。穏やかな酸味で発泡せず、エスカンシアしないチャコリがほとんどです。

唯一海に面していないアラバコ・チャコリーナ

内陸部にあり、8軒ほどのワイナリーで成り立つ、比較的新しい小さな産地。

ブドウ栽培に適した、降水の少ない渓谷に沿ってブドウ畑が作られています。
そのためブドウにも旨みが凝縮されており、厚みのあって酸味のおだやかなチャコリが特徴です。

ここで造られるチャコリも発泡しないタイプが多く、エスカンシアはしません。

それぞれ個性的でどれもおすすめなチャコリの数々

それぞれのDOやワイナリーで味が異なるチャコリ。ここからおすすめのチャコリをご紹介します。

バスクの三ツ星レストランでもオンリスト、チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレア

チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレア 2019年 750ml

価格:3,278円
(2023/3/28 17:52時点)

ビスカイコ・チャコリーナで17世紀から続く、歴史あるワイナリーで作られるチャコリ。

特徴はなんといってもしっかりとした酸味。
シャープながら、香りあるフルーツやハーブに似た豊かなアロマとわずかな塩味も持ち合わせ、発泡しないタイプのチャコリです。

軽めの前菜からしっかりとした肉料理まで受け止められるバランスを持ち合わせています。シーフードとの相性はいわずもがな。

家族で営むワイナリーで生まれるチャコリ・レサバル アリ

チャコリ レサバル アリ [2021] 750ml

価格:2,380円
(2023/3/28 17:54時点)

アリにあるブドウ畑は、海からの冷たい風にさらされ、降水量・湿気が多いため日本のように棚仕立てでブドウが作られています。

このチャコリの特徴は「シュールリー」という製法。
澱引きせず熟成させることで酵母由来の風味や香りが溶けだし、まろやかで豊かな味わい、美しい色合いに変わっていきます。

酸味は強すぎず、微発泡のフレッシュな味わい。
ぜひエスカンシアで目でも楽しみながら、さらに香りを開かせていただきましょう。

魅惑的なブドウの豊かな味わいを楽しむチャコリ・チャルマン

チャコリ・チャルマン [2021] 750ml

価格:1,815円
(2023/3/28 17:58時点)

山間部に広がるアラバコ・チャコリーナから届いたチャコリ。
チャルマンとは仏語のシャルマン=すてきな、魅力的な、からきているのだそう。

何種類ものブドウを使って造られており、パッションフルーツや白桃といったアロマがフレッシュで、さっぱりしたチャコリです。

アラバコのチャコリは発泡しないものもありますが、こちらは極微発泡。手軽なお値段と、ポップなエチケットもとてもすてき!

しっかりした酸味と青々した香りが特徴、オレカ チャコリ・デ・ゲタリア

オレカ チャコリ デ ゲタリア 750ml×1本

価格:2,250円
(2023/3/28 18:00時点)

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路沿いにある兄弟が営むワイナリー。

近くのサンセバスティアンの海岸では世界的なサーフィンの大会が開催されるため、エチケットにはサーフィンのデザインがあしらわれています。

キレのある酸味とわずかな発泡が特徴。ワイルドさのある野の花のようなアロマが残ります。

ロゼならではの美しい色合いにうっとり、チャコリ レサバル ロゼ

チャコリ レサバル / ロゼ [2020][2021] 750ml

価格:1,980円
(2023/3/28 18:01時点)

100%オンダラビ・スリを使ったチャコリが多い中、こちらはバスク原産の黒ブドウ品種オンダラビ・ベルツァを80%使ったロゼです。

いちごやプラムなどの赤い果実の華やかなアロマと美しいオレンジがかったピンク色。
生産量自体とても少ないため、数に限りがあるので見つけたらぜひ。

どんなシーンにもぴったりくるのがチャコリの魅力

チャコリを楽しむ女性

バスクの人々に愛され続けるチャコリ。
これまで地元の人たちだけが楽しんできた味を私たちも楽しめるなんて嬉しいですよね!

魚介類はもちろん、しっかりとしたお肉料理とも楽しめるのがチャコリです。
その爽やかな酸味とミネラル感、心地よいアロマでどんな料理ともすてきなマリアージュがうまれますよ。

少しずつ取り戻しつつある、穏やかな日常。
これから増える友人との集まりや大切なお祝いごとは、ぜひチャコリで乾杯しませんか。

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エクセンス編集部
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