世界遺産カルカッソンヌ
ヨーロッパ最大の城塞都市で中世を感じる旅

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フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」

「フランスの世界遺産」と聞くと、まずモンサンミッシェルやヴェルサイユ宮殿を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし歴史深いフランスには、この他にも数々の世界遺産が点在します。
今回その中からご紹介するのは、フランス南西部の城塞都市カルカッソンヌです。1997年にユネスコ世界遺産に登録されたカルカッソンヌは、世界遺産としてだけでなくヨーロッパ最大の城塞都市としても知られる場所。今回は、中世の名残を色濃く感じられる町、カルカッソンヌの魅力をたっぷりお伝えします。

町全体が世界遺産のカルカッソンヌ

フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」の町並み

フランス南西部オクシタニー地方に位置するカルカッソンヌは、フランスのトゥールーズから約1時間、スペインのバルセロナからも約3時間ほどでアクセスできます。この地域はまだまだ日本人観光客が少ない場所ではありますが、ヨーロッパの人々からの人気は高く、夏のバカンスの時期には多くの観光客でにぎわいます。

全長3kmにも及ぶ二重の要塞に囲まれた城や、いくつもの見張り塔、そして2500年の歴史を誇る旧市街シテ。高台に建つこの圧倒的な城塞都市の景観には、「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」という言葉も残されたほどです。

城塞内への入り口であるオード門、もしくはナルボンヌ門から旧市街へ足を踏み入れると、そこに広がるのは中世ヨーロッパの世界。石畳を踏みしめ町を歩くと、かつてそこに暮らした人々の息づかいさえ聞こえてくるように感じます。

激動の時代を歩んだカルカッソンヌ

フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」

カルカッソンヌの高台に人々が暮らし始めたのは紀元前6世紀ごろ。この時代を皮切りに、ローマ人やゲルマン人など様々な民族によって変わるがわる占拠されたこの地は、13世紀、十字軍が戦いを制したことでついにフランス領に入ります。以降も軍事要塞として機能していたカルカッソンヌですが、スペイン国境の南下とともに、しだいに要塞としての役割を失っていきました。

しかしその後、付近にミディ運河が建設されたことで、19世紀にはワインなどの交易文化で再び栄えるようになったカルカッソンヌ。現在の平穏な姿からは想像がつかないほど、激動の時代を歩んできた場所なのですね。

カルカッソンヌといえばコンタル城からの絶景に、名物カスレ

コンタル城下に広がるフランスの世界遺産「カルカッソンヌ」
筆者撮影(城塞からの景色)

12世紀に建造された「シテ最後の砦」とも言われたコンタル城は、カルカッソンヌへ行ったら必ず訪れたい場所のひとつです。かつて兵隊が守衛していた通路や、中世を彷彿とさせる防戦具、そして併設の博物館などが大きな見どころ。城の見学は€9.5(2023年11月現在)と有料ですが、城下に広がる絶景は一見の価値があります。

ステンドグラスが美しいサンナゼールバジリカ聖堂

フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」の見どころ「サンナゼールバジリカ聖堂」

11世紀から14世紀ごろ、およそ300年をかけて建設されたサンナゼールバジリカ聖堂は、城塞内旧市街シテに建つ唯一の教会です。ロマネスク様式とゴシック様式が融合した建物を彩るステンドグラスは、南フランスに現存する中で「最も美しい」と称えられてきたもの。教会は入場無料とあり、必見です。

ボリュームたっぷり、フランス南西名物カスレ

フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」の郷土料理「カスレ」
筆者撮影(レストラン「アドゥレド」のカスレ)

カルカッソンヌに行ったらぜひ食したいのは、カスレと呼ばれるフランス南西部の郷土料理です。鴨のコンフィ、豚肉、ソーセージなどたっぷりのお肉と白インゲンを長時間煮込んだ、こってりとボリュームのある料理です。同じカスレでも町や村によって使われる食材は微妙に異なるため、「町ごとに食べ比べを」と言いたいところですが…。ひと皿のあまりのボリュームに、一度いただくとしばらくは胃を休めたくなってしまうというのが正直なところでもあります。

カルカッソンヌのシテ内には、至るところにカスレをメインメニューとして掲げたレストランが並びますが、おすすめは「レストラン アドゥレド(Adelaide)」。メインのカスレはもちろんのこと、ランチセットの前菜やデザートもおいしく満足度が高いレストランです。

Adélaïde(アドゥレド)
+33 468476661
なし

シテと新市街を結ぶ、カルカッソンヌの2つの橋

フランスの世界遺産「カルカッソンヌ」
筆者撮影(ポンヌフから見た城塞全景とポンヴィユー)

城塞都市シテと旧城下町(現新市街)の間に流れるのはオード川。長い間、両エリアはこのオード川によって隔てられたままでしたが、12世紀半ばにルイ9世がポンヴィユーを架けたことでアクセスが可能になりました。

その後19世紀に建設されたポンヌフは、今日に至るまでシテと新市街をつなぐ大切な交通路に。最初の橋ポンヴィユーを通行できるのは現在歩行者のみですが、ここから見るシテ全景は素晴らしく人気の写真スポットになっています。

歴史を楽しんだあとは新市街へ

シテには南フランスを感じられるおみやげ屋さんがところ狭しと並び、眺めて回るだけでもわくわく胸を躍らせてくれます。カルカッソンヌグッズにラベンダーグッズ、この地方のワイン、また缶や瓶に詰められた名物カスレもおすすめです。
旧市街で歴史を感じたあとは、橋を渡り新市街でショッピングを楽しんだり、カフェでひと息ついてもよいでしょう。日帰りでも十分に楽しむことができるカルカッソンヌ。南西フランスや北スペインを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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Mariko Dedap
EXSENSES公式ライター

フランス在住ライター。文化、語学、教育、食、旅、アートなどについて執筆の他、英語執筆や日英翻訳も行う。

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