当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。
収穫の秋、この時季にワイン大国フランスのブルゴーニュ地方で開催されるのが、「栄光の3日間」と呼ばれるワインの祭典です。世界中のワイン愛好家や観光客が、ブルゴーニュ地方の古都・ボーヌに集い、ワイン尽くしの3日間を楽しみます。この記事では「栄光の3日間」の会場となるボーヌの町の魅力、祭りのハイライトや楽しみ方についてご紹介します。
栄光の3日間とは?
フランス語で “Les Trois Glorieuses de Beaune”。「ブルゴーニュの栄光を讃えるボーヌの3つのイベント」を意味するブルゴーニュ最大のワイン祭り。イベントが3日間に渡って行われることから日本語では意訳で「栄光の3日間」と呼ばれます。毎年11月の第3週末、普段は静かで小さな町ボーヌに世界中のワイン愛好家やワイン商が集まり賑わう大イベントです。
主要な3つのイベントは、作り手と買い手がぶどうの収穫を祝いその年のワインの出来を確認する懇親の機会。期間中は地元の人々が伝統衣装を着てパレードを行ったり、ブルゴーニュの郷土料理を販売する屋台が並んだりするほか、その年に収穫された新酒の試飲会が開かれるなど、ワイン好き、祭り好きなら初心者もプロフェッショナルも関係なく楽しむことができる特別な3日間です。
2024年の開催日
2024年はなんと164回目の開催。
11月15日(金)、16日(土)、17日(日)の3日間に渡って開催されました。
中世の情緒あふれるワインの聖地・ボーヌ
「栄光の3日間」のメイン会場となるのは、フランス中東部ブルゴーニュ地方の古都・ボーヌ。パリからTGVでも2時間ほどで行けるこの町はどんな場所なのでしょうか?
ブルゴーニュワインの首都
ボルドーと並ぶ世界的なワイン産地として知られているブルゴーニュ。世界遺産にも認定されたコート・ドールは、そんなブルゴーニュの中でも「神に祝福された土地」と言われるほどワイン造りに恵まれた土地です。ボーヌは、そのコート・ドールの中心に位置することから「ブルゴーニュワインの首都」の異名を持ちます。グラン・クリュと呼ばれる最高級のワインを産出する畑が多く、ヴォーヌ・ロマネやピュリニー・モンラッシェなど、名だたるワインの産地が周辺に集まっています。
中世の面影を残す美しい町
ブルゴーニュは、古くからヨーロッパの交通の要衝として栄え、14世紀以降ブルゴーニュ公国全盛期に、王がディジョンに居を移すまでの首都はボーヌでした。その頃の城塞都市・中世の街並みが美しく残るボーヌには、ゴシックやルネサンス様式の建物が立ち並び、「栄光の3日間」の重要な会場となるオスピス・ド・ボーヌ、ワイン博物館やノートルダム教会など、魅力的な観光名所があります。
「栄光の3日間」のハイライト・3つのイベント
この祭りのハイライトである3つのイベントは生産者やバイヤーなどの関係者がメインで、残念ながら一般の人々は、なかなか参加することはできません。一体どのようなイベントが行われるのでしょうか。
利き酒騎士団の叙任式と晩餐会
ブルゴーニュワインを愛する人々にとって、憧れと名誉な儀式であるイベント、ブルゴーニュ利き酒騎士団の叙任式は、「栄光の3日間」の初日、クロ・ド・ヴージョ城で行われます。この城は、世界的に有名な特級畑クロ・ド・ヴージョの中央に位置しており、非常に由緒ある場所です。
ブルゴーニュ利き酒騎士団は、1934年に設立されたワイン愛好家の団体で、ブルゴーニュワインの品質向上と普及に貢献しています。毎年、厳正な審査を経て、優れたブルゴーニュワインに「タストヴィナージュ」という称号を与えています。
叙任式は、新入会員となるシュバリエを迎え入れる重要な儀式です。式の後には、ブルゴーニュワインと郷土料理を楽しみながら、新たな仲間との親睦を深めます。
シュバリエになるためには、既存の会員からの推薦と、ブルゴーニュワインへの深い愛情が必要です。世界中に約15,000人の会員がおり、日本人も200人ほど活躍しています。
ヴーヴ・アンバル | クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット ロゼ タストヴィナージュ 価格:3280円 |
チャリティワインオークション
栄光の3日間の最大のイベントは、2日目に行われるオスピス・ド・ボーヌのワインオークションです。ここで得られた収益は、慈善事業に役立てられます。また、このオークションでの落札価格が、その年のワインの価値、取引価格に影響を与えるといわれており、業者や愛好家は必見のイベントなのです。
ゴシック様式の建築と鮮やかなモザイク模様の瓦屋根を持つオスピス・ド・ボーヌは、15世紀に設立された慈善病院で、開設以来寄付された畑で作ったワインの収益で運営されてきました。19世紀後半から、ワインをオークションで販売するようになり、それが現在の形へと発展していったのです。
オークションには、世界中のワイン愛好家やワイン商、著名人もが集まり、熱烈な競り合いが繰り広げられます。その様子は会場外の大スクリーンのライブ中継で見ることができます。また、オスピス・ド・ボーヌは、普段は博物館として公開されているので、歴史を感じながら見学することも可能です。
シャルル・ランヴィル・クレマン・ド・ブルゴーニュ・タストヴィナージュ【フランス】【白スパークリングワイン】【750ml】【辛口】 価格:3058円 |
ムルソー村の大昼餐会
栄光の3日間の最終日は、コート・ド・ボーヌ地区にあるムルソー村で大昼餐会が開かれ、盛況のうちに幕を閉じます。現在の昼餐会の舞台は「シャトー・ド・ムルソー」。
14世紀から16世紀に建造されたワインカーヴはブルゴーニュで最も美しいカーヴと称されており、また広大な敷地や建築物の美しさも見逃せないシャトーです。
ここにムルソー村の生産者たちとその招待客の総勢800人ほどが集まり、生産者たちのワインと料理が振る舞われます。この昼餐会、もともとはムルソー村の生産者たちによる収穫後の慰労会が始まりと言われています。名だたる生産者たちが惜しげもなく自らボトルを手にとり次々とワインを振る舞う姿は、ワイン愛好家にとってはきっと夢のような世界。この地域の高価なワインからは想像できませんが、意外にもアットホームな会なのだそうです。
タストヴィナージュ ピノ ノワール 750ml [フランス ブルゴーニュ 赤ワイン 辛口 ミディアムボディ] 価格:2728円 |
気軽に楽しめる「栄光の三日間」
3大イベントに縁がある関係者でないと「栄光の三日間」は楽しめない?そんなことは全くありません。この3日間はボーヌの町全体が楽しみに満ちあふれています。
特設屋台でブルゴーニュグルメとワインを堪能
期間中はボーヌのメイン広場、Place Carnot(プラス・カルノ)を中心に、地元の特産品を扱うマルシェ、チーズ、ソーセージ、牡蠣をはじめ地元ブルゴーニュの料理など、たくさんの屋台が並び、朝から夜までワイン片手にグルメを楽しむことができます。
中でもブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)、エスカルゴ、ウッフ・アン・ムーレット(赤ワインのポーチドエッグ)などの郷土料理は外せません。ちなみにエスカルゴはブドウの葉が大好物。ワイン産地とエスカルゴの産地が重なる由縁ですね。お土産にはワインはもちろん、マルシェで売られているブルゴーニュの州都・ディジョンの名産マスタードも忘れないでくださいね。
パレードやマラソンなど様々なイベント
ワインが賞品のセミマラソン、音楽隊や華やかな伝統衣装を身につけた人々が街を練り歩くパレード、夜は美しいプロジェクションマッピング、ワインのコルク早抜き大会等々、メインのイベントに劣らない、多くのイベントが町のあちらこちらで開催され、祭りムード全開で盛り上がります。マラソンは初心者用に10kmもあるので、日程が合えばぜひ参加してみてはいかがでしょうか?給水ならぬ、給ワインを楽しめますよ。
ワインの試飲天国
この期間は、普段一般には開放しない生産者が限定で特別試飲会を行ったり、数あるワインショップでも、通常ではお目にかかれない特別なワインの飲み比べをさせてくれるなど、心ゆくまでワインの奥深さに触れることができます。
もしあなたがワイン好きならば、Fete des Grands Vins de Bourgogne(フェット・デ・グラン・ヴァン・ド・ブルゴーニュ)というブルゴーニュ大試飲会とオスピス・ド・ボーヌのワインの樽試飲会に参加してみてはいかがでしょうか。どちらも共通するのはその年にとれた新酒の試飲であることです。
ブルゴーニュ大試飲会では、ブルゴーニュを代表する有名生産者のワインをはじめとして約300軒ものワインが並びますし、オスピス・ド・ボーヌのワインの樽試飲会では、メインイベントのオークションに出品されるワインの樽試飲ができます。試飲したワインが数年後には手の届かないワインになる可能性は高いでしょう。いずれもここでしか得られない価値ある体験であることは間違いありません。
フランスとワインがより好きになる特別な3日間を
ワインに詳しくなくても魅力的なブルゴーニュ最大のお祭り「栄光の三日間」。パリからは日帰りでも可能な距離ですが、一日中フルで満喫したい!という方は、今から来年のホテルやレストランの予約を入れておくことをおすすめします。祭り以外の時期でも現地を訪れてみればきっと、美しいボーヌの町とぶどう畑、奥深いブルゴーニュワインとの出会いに心が高鳴り、ますますフランスとワインが好きになるはずです。
この機会にぜひフランス・ブルゴーニュへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。