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スペインのほぼ中央に位置し、首都のあるマドリード州には、中心部の都会的な雰囲気とは対照的に、まるで秘境のような魅力あふれる村々が数多く存在します。時が止まり、絵本の世界に迷いこんだかのような美しい村へのプチトリップは、日本ではまだあまり知られていませんが、現地でとても人気です。この記事ではマドリード近郊で、美しく歴史的価値などの見どころが多い村を5カ所厳選してご紹介します。いずれもマドリード中心部から車で1〜2時間で行くことができる日帰り観光の圏内です。またマドリード観光に便利なおすすめホテルもご紹介。それぞれの魅力を知り、次のマドリード観光にお役立て下さい。
石畳の可愛らしい村「パトネス・デ・アリバ」
マドリードから北東に約70km、車で約1時間の場所にあるのが「パトネス・デ・アリバ（Patones de Arriba）」です。ノルテ山脈に囲まれた人口数百人ほどの小さな村で、家も道路もすべて天然の粘板岩（スレート）造り。
山の斜面を利用して作られた街並みはとても可愛らしく、中世の農村に紛れ込んだような風情を感じさせます。ここは、18世紀には王国として独立していたとされる長い歴史のある場所で、全長13キロの「カバルス水路（Canal de Cabarrús）」「エル・アタサル貯水池（Presa de El Atazar）」などが観光ポイント。山あいながら生活に欠かせない水をうまく管理できていた様子が伺えます。また、グルメも楽しみの1つ。お洒落なお店で、肉料理はもちろん古くから受け継がれる自家製の蜂蜜やチーズも堪能してみてください。
美しい川と城壁に囲まれた「ブイトラゴ・デ・ロソヤ」
マドリードから北に約80km、車で約1時間の場所にあるのが「ブイトラゴ・デ・ロソヤ（Buitrago de Lozoya）」。かつては防御上の重要な飛び地で、ロソヤ川のほとりに城壁が築かれた美しい村として知られています。15世紀に築城された城（アルカサル）や「サンタ・マリア・デル・カスティージョ教会（Iglesia de Santa María del Castillo）」「時計塔（Torre del Reloj）」「ピカソ美術館（Museo Picasso）」など価値ある文化遺産が集まる地域。1日あれば「パトネス・デ・アリバ」とあわせて観光可能です。
ワインもお城も楽しめる「サンマルティン・バルデイグレシアス」
マドリードから西に約70km、車で約1時間弱の場所にあるのが「サンマルティン・バルデイグレシアス（San Martín de Valdeiglesias）」。オエステ山脈の田園地帯にあります。15世紀に築かれた「コラセラ城（Castillo de la Coracera）」は、防御や領主の住まいとして使われていた高い塔が特徴的。城の入り口はインスタ映えスポットとしても人気です。ワインで有名なこの街らしく、城の中にも観光案内所とワインセラーがあり、ワインの試飲や各種イベントが行われることも。聖マルティヌスのスペイン語表記であるサンマルティンを町の名に冠する通り、「サン・マルティン・デ・オビスポ教会（Iglesia de San Martín de Obispo）」のほか礼拝堂が多くみられ、半日ほどで観光できるスポットです。
スペインらしいグルメと歴史を楽しめる「チンチョン」
「チンチョン（Chinchón）」は、マドリードの南東に約60km、車で約50分の場所にあります。ブドウやオリーブの畑に囲まれた場所で、ワインとニンニクの名産地としても知られています。レストランやテラスも多く、スペインならではのグルメを楽しむのにもおすすめの地区。中世が起源の、緑の柱廊が特徴的で美しいマヨール広場は、時期によって闘牛などさまざまなイベントが執り行われます。また高台にある、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会（Iglesia Nuestra Señora de la Asunción）ではゴヤの描いた「聖母被昇天」の絵に出会うことができます。
マヨール広場やワイナリーで舌鼓「コルメナル・デ・オレハ」
チンチョンから5kmほど南東にある「コルメナル・デ・オレハ（Colmenar de Oreja）」もスペインの美しい村のひとつです。ワイナリーが複数あり、マヨール広場（Plaza Mayor）にはバル、レストランが充実。多くの人々が集まります。「サンタ・マリア・ラ・マヨール教会（Iglesia de Santa María la Mayor）」や印象派の画家ウルピアノ・チェカの作品を所蔵した「ウルピアノ・チェカ美術館（Museo Ulpiano Checa）」にも足を運んでみましょう。
マドリード観光の拠点に、おすすめのホテル
マドリードはスペインの首都であり、地方都市への玄関口。交通網が整備されているため、特に中心部ではどこに宿泊しても市内外の観光に便利な街です。ここでは編集部厳選のホテルを3つご紹介いたします。
ウェスティン・パレス、マドリード
1912年にアルフォンソ13世の依頼を受けて建設された歴史あるホテル。ユネスコ世界遺産の「光の景観」などで知られる有名なアートウォークエリアにあり、美術館巡りにも便利な場所です。
AC ホテル バイ マリオット アトーチャ
市内外観光に便利なアトーチャ駅から至近の、マリオット系列のホテル。モダンでシックなデザインの内装が人気です。
パラドール・デ・チンチョン
前述の美しい村・チンチョン中心部にある、元は「アウグスティノ会修道院」の国営ホテル・パラドール。せっかくチンチョンに宿泊するなら、これも前述のコルメナル・デ・オレハへ足を延ばしてみるのも良いかもしれません。
マドリードの美しい村めぐりで一味違うスペイン旅行を
マドリードで異国情緒や中世ヨーロッパの街並みを存分に味わいたい場合には、美しい村めぐりがおすすめです。マドリードの中心から車を1時間ほど走らせるだけで、高い文化的遺産を有した美しい田舎の村々に出会うことができます。もちろん車ではなく、バスなどの公共交通機関や現地ツアーを利用して訪れてみても良いでしょう。今回ご紹介した村はどれもスペインの魅力が詰まった、個性的で素敵な場所です。是非次のスペイン旅行の候補地に加えてみてはいかがでしょうか。
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