短い夏、英国ならではの体験を
ウィンブルドン選手権

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ウィンブルドンの芝生のコート

6月から8月にかけてイギリスでは、日照時間も長いため夜21時頃まで明るく、短い夏を楽しむべく国際イベントが数多く催されます。ロイヤル・アスコット(競馬)、イギリス最大のロックフェス グラストンベリー・フェスに加え、ゴルフの全英オープンなどイギリス全土、各地で開催されています。その中でもロンドン市内で開催される、テニスのウィンブルドン選手権はファンのみならず一般の方も参加し、イギリスらしい体験を楽しめる貴重な場所。夏の大会期間外の年間を通じて訪問可能な場所もあわせてご紹介します。

【目次】
 
▫️ウィンブルドン選手権とは?

▫️ウィンブルドン選手権 本戦
└ The BallotとThe Queue
└ 本戦チケット確保への道
└ キュー・ビレッジで、キューカードを確保!
└ 待機をのんびり楽しむイギリス人達

▫️ウィンブルドン本戦会場
└ 外部が蔦に覆われたセンターコート
└ 観戦にかかせないグルメ
└ まるでイギリスの庭園のような会場内

▫️予選
└ チケット事前購入可能な予選

▫️大会期間外も楽しめるウィンブルドン本戦会場
└ 歴史とゆかりの品々が飾られているウィンブルドン博物館
└ 博物館併設のショップ
└ 本戦試合会場を巡るガイドツアー

▫️イギリスらしい夏に触れる旅

ウィンブルドン選手権とは?

芝生のコートを囲む客席を備えるウィンブルドン・センターコート
(2019年撮影)

1877年に始まった世界最古のテニス大会で、テニスの4大大会(グランドスラム)の中で、唯一芝コートで行われます。大会の正式名称は「The Championships, Wimbledon」。
予選は本戦の1週間前にあたる6月下旬から4日間、本戦は6月末から2週間かけて行われます。センターコートにあるロイヤルボックス(観覧席)には英国王室や各界のスターが毎日にように観戦に訪れます。独自のルールがあるウィンブルドン選手権の最大の特徴と言えば、当日券購入のため沢山の人がThe Queueと呼ばれる列に並ぶところ。今やロンドンの夏の風物詩となっています。

ウィンブルドン選手権 本戦

The BallotとThe Queue

ウィンブルドン選手権へのゲートを進む人々
(2016年撮影)

ウィンブルドン選手権の本戦は基本的にランキング上位者(1位から100位ぐらい)とワイルドカードと呼ばれる特別出場枠の選手、そして予選勝者の合計128名で競われます。

この本戦のチケットを入手する方法は他の大会とはちょっと異なります。スポンサーや投資者、関係者を除き、大部分の一般のファンがチケットを手に入れるには、The Ballotと呼ばれる前年に行われる抽選に当たるか、あるいは試合当日に列に並んで購入するしかありません。

このThe Ballotチケット抽選は、前年に申し込みを完了し、年明けに当選者に通知が来ます。かなりの狭き門ではありますが、当選すれば事前に本戦チケットを購入する権利が与えられます。ただし、コートや日にちを選ぶことはできないため、必ずしも自身が希望するものではないことも多々あります。またテニスの試合の組み合わせは、大体試合の前夜に発表されることが多く、観戦したい選手の試合の詳細がわかる前にチケットを購入しなくてはならないという心理的に板挟みな状態にもなります。

片やThe Queueは事前チケット購入が当たり前となっている昨今、ウィンブルドン選手権は列に並んで当日券を確保する伝統的な形を取っています。その心は「待てば海路の日和あり」、つまり待った人が一番の良席を選べる方式なのです。日本人は行列気質ですが、イギリス人も同じような気質をもっています。そのため、この昔ながらの伝統は、イギリス人に長年受け入れられているんですね。イギリスの人々にとって”列に並んで待つ”ことは、馴染み深いピクニックを楽しむ感覚に近いのだと思います。

本戦チケット確保への道

ロンドン地下鉄の駅「サウスフィールド駅」のホーム
(2016年撮影)

本戦の試合が行われるのはオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis & Croquet Club)。最寄りはサウスフィールド駅またはウィンブルドン駅。どちらの駅からも徒歩で20-25分かかります。当日券を購入する場合は、サウスフィールド駅が最寄りとなります。徒歩5分でウィンブルドン・パーク内にあるキュー・ビレッジで待機する形となります。

当日券の販売枚数はセンターコート(最後の4日間を除く)、No.1コート、No.2コートそれぞれ500枚限定、それ以外は(No.4からNo.18コートが観戦できる)グランドパスを購入する形となります。センターコート、No.1コート、No.2コートではトップ選手の試合が組まれることが多いため、チケット確保のために前日、前々日からウィンブルドン・パークでキャンプをする熱狂的なテニスファンが数多くいます。またキャンプをしない人達でも列車やバスの始発が走る前にパークに到着し早朝から待機していることが多く、特に週末がかかる場合、待機列は信じられないほど長くなります。

キュー・ビレッジで、キューカードを確保!

列に並ぶ人々
(2016年撮影)

ウィンブルドン・パーク内にあるキュー・ビレッジと呼ばれるエリアに到着したら、まず「Q」の旗を探しましょう。そこが列の最後尾になります。列の最後尾に並ぶとスチュワードと呼ばれる制服を着た係員が順番に待機番号が入ったキューカードを配っていきますので必ずキューカードを確保しましょう。チケット購入時にキューカードの提示が必要です。
なお、列に並んでいる間は横入り厳禁、30分以上の退席ができませんので、ご注意ください。支払いはクレジットカードやデビットカードのみ。前日からキャンプをする人と当日待機の人とでは「Q」の旗色が異なりますので、ご注意ください。

⚫︎キャンプする人:スチュワードからの指示があるまで待機し、その後テントを設置します。テントサイズは2名までで、常に誰かがテント付近に待機しているよう言われます。夜22時には消灯し、朝6時に起床となります。

テントやレジャーシート、簡易椅子等を片付け、ビレッジ内の荷物預かり所(有料)に預けたのち、再び待機番号順に列に並びます。待機番号が早い人は、センターコート、No.1コート、No.2コート(各500枚)を選ぶことができますので、それぞれのコート毎に列に並びスチュワードが配布するリストバンドを受け取ります。

各ショーコート列が500人を満たした場合、それ以外の人はグランドパスのみの購入となります。荷物のセキュリティーチェックとチケット販売箇所まで移動し、チケット購入後、試合会場へ向かいます。

⚫︎当日待機する人:キューカードを確保したら、列が動き出すまでその場で待機となります。現着した時間にもよりますが、日によっては10,000番台から週末には50,000番台以上になる可能性がありますので、根気強く待ちましょう。

試合会場の開場時間は10時ですので、10時以降キューカードに記載の待機番号順に試合会場付近の荷物のセキュリティーチェックとチケット販売箇所まで移動し、チケット購入後、試合会場へ向かいます。

待機をのんびり楽しむイギリス人達

待機する人々
(2016年撮影)

イギリスの天気は1日の内に四季がある、と言われるように天候が変わりやすく、野外のためどんな天気にも対応できる装備が必要です。晴天の場合は日焼けに注意し、熱中症対策が必要です。雨天の場合は雨具や雨靴が必須。朝晩は冷え込む日もあるため防寒対策も忘れずに。

陽が差していれば絶好のピクニック日和。敷地内には簡易お手洗いの設置や給水所、キッチンカー、荷物預け所などがありますので、芝生の上に毛布兼レジャーシートを広げ、のんびりと仲間とおしゃべりを楽しんだり、簡易椅子持参で読書をしたり、遊具などを持ち込み遊んだり、陽に当たったりとそれぞれ思い思いに寛いでいるイギリス人達と一緒にゆったりした時間を過ごしましょう。

ウィンブルドン本戦会場

外部が蔦に覆われたセンターコート

センターコート外観
(2025年撮影)

テニス選手にとって憧れの場所、ウィンブルドンのセンターコート。ファンにとってもそれは同じ。屋根付きコートのため雨天でも安心して観戦できることや、ロイヤルボックスに誰が座っているかも気になるところ。他に大小様々な17コートがあり、No.1とNo.2コート以外の座席は早い者勝ちです。

観戦にかかせないグルメ

ウィンブルドンのセンターコート観客席でストロベリー&クリーム片手に観戦
(2016年撮影)

ウィンブルドン名物は2つ。1つは「ストロベリー&クリーム」。文字通り、新鮮なストロベリーに生クリームをかけたものですが、歴史は古くヘンリー8世の時代から。イギリスでは子供から大人までみんなの大好物です。もう1つはアルコールの「ピムス」。ジンをベースにライムや果物が入った飲み物で、癖はなく飲みやすいでしょう。

暑い中での観戦にはピッタリの名物たちに加え、フィッシュアンドチップスやサンドイッチなどのテイクアウト可能な食べ物やビールやコーラなどの飲み物、アイスクリームなどのスイーツやカフェなどが広い会場内の至る所にあり、コート内の観客席やセンターコート近くにある大スクリーンが見える、アオランギ・テラスと呼ばれる段差のある芝生ガーデンなどで観戦を楽しみながら食べることができます。

まるでイギリスの庭園のような会場内

ウィンブルドン選手権会場内を飾る花々
(2018年撮影)

大会敷地内はイギリスの庭園の簡易版のよう。緑と紫のウィンブルドンカラーにまとめ飾られた花や木々はショーコートだけではなく、色々な場所を飾っています。水の補給場所も会場の至る所にあるので、水筒持参をお忘れなく。

予選

チケット事前購入可能な予選

ロンドン郊外にあるローハンプトンの、何面も並ぶテニスコート
(2025年撮影)

予選は本戦の1週間前に行われます。場所は本戦会場から離れたRoehampton。最寄り駅はBarnes駅で、予選会場まで徒歩約25分。ランキング100位以下の選手128名が合計3試合勝ち抜けば本戦に出場できます。本戦と違って事前にチケットも購入可能。当日券も早めに並んで購入可能です。

チケット代金もお安く、コンパクトな会場なのでコート間の移動がし易い、また試合へ向かう選手などを間近に見ることができ、本戦の時より全体的に緩い印象です。青田買いではありませんが、将来有望な選手を探してみるのもよいかもしれません。観客席は数コートしか設置していないので、立って観るか、芝生に腰を下ろし、のんびりと観戦できます。

大会期間外も楽しめるウィンブルドン本戦会場

歴史とゆかりの品々が飾られているウィンブルドン博物館

ウィンブルドン博物館の展示物
(2019年撮影)

ウィンブルドン博物館はショップとともに本戦会場に併設され、一般の方も大会期間外に訪れることができます。またセンターコートを始め本戦会場施設を巡るガイドツアー(英語のみ)もオンライン予約可能で、有料ですが一見の価値はあります。

博物館内にはテニスの歴史がこれでもかというくらい詰め込まれています。テニスのルールや歴代の優勝者のユニフォームやグッズの展示、優勝トロフィーのレプリカ、そしてVR(バーチャルリアリティー)などで大会中の雰囲気を楽しむことができます。

博物館併設のショップ

ウィンブルドン博物館併設のショップで販売されているグッズたち
(2025年撮影)

ショップは毎年色々なグッズがありますが、やはりなんといっても選手達に配布されるバスタオルが人気です。他にはタオルや紫と緑色のウィンブルドンカラーが使われたものが多いです。因みにこのウィンブルドンのロゴは度々デザインが変わるのですが、日本人デザイナーが発案したものもあり、親近感が湧きます。

本戦試合会場を巡るガイドツアー

ウィンブルドン本戦試合会場のインタビュールーム
(2019年撮影)

また大会期間外には会場内を巡るガイドツアー(有料/英語)に参加することができます。憧れのセンターコートの観客席に立ち思いを馳せ、普段入れない記者や選手用の建物内で、放送ブースや選手達がインタビューを受ける部屋などを見学することができるファンには堪らないツアーです。

イギリスらしい夏に触れる旅

今回はイギリスらしい伝統に触れながら、短い夏を思いっきり楽しめるイギリス・ロンドンでの夏旅スポットとしてウィンブルドン選手権をご紹介しました。青空に映える芝生の美しさは必見、テニスに関心がなくても夏のイベントとして、また通年を通じてテニスに触れられるウィンブルドンへ是非訪れてみてください。

ウィンブルドン選手権2025
予選:6月23日~6月26日
本戦:6月30日~7月13日

スケジュール詳細については、公式ウェブサイトを参照してください。
https://www.wimbledon.com/index.html

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エクセンス編集部
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