組む楽しみも、飾って鑑賞する喜びも!
「大人レゴ」を組んでみた

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3月に発売された水色のレゴ® ベスパ125
3月に発売されたレゴ® ベスパ125はレゴ ブロックでは珍しい水色を採用した

デンマークで生まれたレゴ ブロック は、日本でも知育玩具として親しまれてきました。2年前からは18歳以上を対象とした「大人レゴ」も発表し、続々とラインナップを増やしています。「大人レゴ」とはどんなセットなのでしょうか。子供の頃からレゴ ブロックを作り続けてきた筆者がご案内します。

「大人レゴ」ってどんな商品?

●部品数が多く、リアルさを追求したパッケージ

大人レゴシリーズのタイタニック号とコロッセオ
どちらも9000ピースを越える大作のタイタニック号とコロッセオ

「大人レゴ」には多くのテーマが設けられています。車やバイクなどの乗り物や有名建築物、映画のワンシーンや登場キャラクター、サイエンス&テクノロジーなど、実物から物語の世界までカバーしています。昨年末発売されて話題になったセットとしては、内部構造まで再現した「レゴ® タイタニック号」があります。

●基本ブロックで再限度の高い作品作りができるレゴ ブロック

基本ブロックで再現したニューハウンとコペンハーゲン
上がレゴランドのニューハウンで、下がコペンハーゲン市内の本物のニューハウン。屋根の天窓の数と位置までぴったり!

レゴランドを訪問したことがある方や、イベント展示で精密な街並み、建物などをご覧になった方は、ブロックだけでいかに再現度の高い造形が行なわれているかをご存じでしょう。デンマークのビルン市にあるレゴランドで展示されているコペンハーゲンの街並みを、実際の風景と見比べたことがありますが、隣家の建物の窓の微妙な高さの違いまで再現されており、その完成度に驚愕しました。

クリエイターエキスパートのフィアット 50
「レゴ® クリエイターエキスパート フィアット 500」は車のセットとしては960ピースと部品少なめだが、丸みを帯びたフォルムと細部までがしっかり作り上げられている

しかし、レゴ ブロックの凄味は省略した造形美にこそあると思います。実物と見比べるとどこかデフォルメされていたり、逆に目立って見えたりすることもあるのですが、そのさじ加減がうまく、元のモデルの雰囲気がよく伝わってきます。

分解されたクリエイターエキスパートのフィアット 50
フィアットを分解。エンジンルーム再現はもちろん、室内、ボンネット、ドアの内側、小物まで作り込まれている

完成された作品を遠目に見ると、そのセットのために成形されたブロックを使っていると思われるかもしれませんが、特に大人向けのセットでは基本ブロックを使い、複雑な造形や曲線を生み出しています。この部品をこう組み合わせるとこの造形が可能になるのか!と設計の緻密さ、大胆さには毎回驚かされます。

完成したフィアット 500
このフィアットのオーナーは、旅好きで旅行先でのスケッチが趣味と想像できる

また、レゴ ブロックの世界にはストーリーが存在しています。単にミニチュア化するだけであれば、本物に近い色や形を再現すればいいのでしょうが、レゴ ブロック では、それをクリアした上に、添えられている小物がオーナーや、町の人々の生活ぶりを感じさせてくれます。

新製品の「レゴ® ベスパ125」を作ってみた!

●曲線のフォルムが美しいバイク

レゴ® ベスパ125のパッケージ
「レゴ® ベスパ125」は1960年代半ばに製造がスタートした車種をセット化した

2022年3月に発売されたイタリアのバイク「ベスパ125」はベスパのメーカー「ピアッジオグループ」と共同で開発した商品で、これまでのレゴ ブロックには使われていなかった水色(ペールブルー)のブロックで商品化しました。

工程ごとに袋にまとめてあるベスパ125のレゴパーツ
組み立て工程は6つに分かれ、シールも使う

「ベスパ125」の総部品数は1107ピース。9歳から12歳を対象とするレゴ ブロックの部品数は300~600ほどですので、1000ピース超えは十分に「大きな」セットですが、大人向けレゴ ブロックの中ではむしろ部品数は控え目のセットです。

組み立て途中のベスパ125の足載せ部分
足載せ部分の凹凸もきっちり作られている。このデザインはベスパの特徴

作り始めてすぐに感じたのが「思っていたよりもずっと大きい」ということでした。その分、ディテールが再現されており、ベスパ特有のレトロさを感じさせる曲線もうまく表現されています。

細かいところまで再現されたベスパ125の後輪部分
ボディにモーターと曲線が多い部分だが、雰囲気たっぷりにまとめられている

ボディ部分は普通にブロックを組んだだけでは作れない微妙な傾きがあるのですが、テールランプ付近と、ガソリンタンク部分、本体とを分けて組み、蝶番(ちょうつがい)のような働きをするブロックでつなぐことで、フォルムを作り出しています。なおかつ、接合部に遊びができないようにしているので、ぐらつきや強度不足の心配もありません。このセットにも「ああ、こんな組み方があったのか」と驚く工程がいくつもありました。ハンドル部分の造形もすばらしいです。

完成したベスパ125
写真を撮りながら3時間ほどで完成。ゴーグル付きのヘルメットや花束の小道具も素敵です!

レゴ ブロックの組み立て方

レゴブロックの組み立て説明書と行程ごとに分けられたパーツ
部品数が多くても、番号どおりに作ればいい

組み立て説明書はすべて絵で示されています。次の工程でどの形のブロックをいくつ使うかが窓に示され、それらのブロックをどこに組んでいくかが図解されています。部品数の多いセットは、組み立て工程に合わせて、部品が分割梱包されています。

絵で示されたレゴブロック組み立て説明書
必要な部品が説明書に囲みで示されているのでわかりやすい

最初は面倒に感じられるかもしれませんが、レゴ ブロックを作り慣れていないうちは、組み立て説明書に示された必要なブロックをその都度ピックアップし、組み上げるといいでしょう。

色分けしたパーツ
ブロックを色分けすれば、部品探しがぐんと楽になる

さらに、組み立てを楽にする事前準備として、部品の色と形を揃えて並べておくこともおすすめします。同じ形で揃えるよりは、同じ色で揃えた方が部品探しは楽です。この準備を行なうことで、組み立てに集中することができます。

組み立て途中のレゴブロック
時々、組み具合をチェックしよう

おすすめのキットは?

直感で「あ、これ作ってみたい」と思われたキットが、もちろん一番のおすすめです。ノーアイディアという方には以下のセットをおすすめします。

●部屋を華やかに飾るなら「レゴ® ボタニカルコレクション」

レゴブロックで再現されたフラワーブーケ
生花と一緒に飾っても違和感なし。写真は2セット分の「レゴ® フラワーブーケ」からピックアップ

「レゴ® ボタニカルコレクション」は発売してすぐに評判になったシリーズです。本物の花のように花瓶にさして飾ることができ、生花と一緒に生ける楽しみもあります。5月1日にはボタニカルコレクションの新製品「レゴ® 胡蝶蘭」と「レゴ® 多肉植物」も発売されました。小ぶりな「レゴ® 盆栽」も人気です。

●乗り物が好きなら「レゴ® ポルシェ 911」はいかが?

レゴブロックで再現されたポルシェ911
まずはポルシェ911ターボを作ってみた

「レゴ® ポルシェ 911」は一つのセットで、「ターボ」か「タルガ」の2種類のバージョンを作ることができます。途中までは同一の作業工程で進みますが、途中でどちらのタイプにするかを決め、それぞれの車に仕上げます。

レゴブロックで再現したポルシェ911の運転席周り
運転席回りの細かいディテールもすごい! シートも前に倒すことができる

ターボを選べば、特徴ある大きなリアスポイラーを、タルガを選べばルーフを外し、オープンカー仕様を作ることができます。インテリアは足元やドアの裏までデザインされていますし、ステアリングをきれば前輪を左右に動かすことも可能です。

レゴブロックで再現したポルシェ911の冷却機周り
ターボのエンジンにはタルガにはないインタークーラー(冷却機)も付いている

●一つのセットで何回も楽しみたいなら「レゴ® クリエイター3in1」シリーズを

レゴクリエイター3in1のパッケージ
建物系のセットなら説明書なしでも自分の作品を作りやすい

「何を買ったらいいかわからない、何か一つおすすめを!」という方には、大人レゴのカテゴリーからは外れますが、「レゴ® クリエイター3in1」シリーズのセットをおすすめします。このシリーズは建物や動物、乗り物などがラインナップされており、一つのセットから3種類の完成品を作ることができます。

レゴクリエイター3in1のパーツと説明書
組み立て説明書も3種類準備されている

このセットをおすすめする理由は、同じ部品が全然違うものに化ける驚きと楽しさを実感できるからです。写真で紹介している「レゴ® クリエイター サーフビーチハウス」では、2種類の組み立て説明書で最初に海の動物を作ります。

クリエイター3in1の共通で使うピース
真ん中の15ピースは共通で使う部品

共通して使う部品は15ピースで、さらに12ピースを使い海の動物を作ります。

クリエイター3in1のイルカ
左の部品を使うとイルカの完成

実際に組み立てれば、いかにうまくデフォルメされているかがわかるでしょう。

クリエイター3in1のマンタ
右の部品ならマンタができあがる

おうち時間にレゴ ブロック作りを加えてみませんか?

レゴ ブロックを使えば自分の世界を作ることができます。お気に入りのものでもいいですし、町並みや理想の建物を作るのも楽しい作業です。多くのセット作りを体験すれば、自分の作品を作るためのテクニックもどんどん吸収できます。昔遊んだことがあるという方も、ほとんど経験がないという方も、大人レゴに挑戦してみませんか?

レゴジャパン公式サイト
※お買い求めの際には、必ず最新情報を公式ウェブサイトでご確認ください。

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小山田浩明(おやまだ ひろあき)
EXSENSES公式ライター

フリーランスのフォトグラファー。会社員時代は、海外旅行ガイドブック編集部で52カ国を担当。特に北欧、スイス、オーストラリアの取材経験が豊富。

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