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大阪の小さな町工場が作る鉄フライパン
「JIU(ジュウ)」ができるまで

品質・デザイン・機能性、そのすべてにこだわった画期的な鉄フライパン「JIU(ジュウ)」。大阪の町工場藤田金属が、東京のデザイン事務所TENTと共同制作し生まれたこのフライパンですが、その完成までの道のりは決して簡単なものではありませんでした。今回は、その誕生秘話をご紹介します。

藤田金属ってどんな会社?

藤田金属は、1951年創業の大阪の小さな町工場。フライパンをはじめ、アルミタンブラーやアルミの急須など、金属を使った様々な日用品を製造しています。

四代目社長を含む三人兄弟が金型製造から製品加工、そして販売まですべての工程を一貫して行っており、三代に渡って確かな技術を受け継いできました。そんな藤田金属は、ひとことで表現してしまえば「家族経営の町工場」。普段からコミュニケーションを取り合える小さな工場の体制こそ、日常を楽しくする革新的なものづくりに欠かせない形なのかもしれません。

「フライパンジュウ」誕生秘話

東京のデザイン事務所TENTとの出会い

2016年の春頃、藤田金属は東京の小さなデザイン事務所TENTと出会います。自社製品の製造先として工場を探していたTENTから、試作を頼まれたのでした。藤田金属は様々な企業からの製造委託を請け負う一方で、自社製品も作ってたのですが、かねてより従来品からさらにもう一歩踏み出したいという悩みを抱えていたのです。それをTENTに相談したことがきっかけでフライパン「JIU(ジュウ)」の共同開発が始まることになります。

目指すべきゴール

鉄フライパンで何か新しいことをやる。最初は、そんな漠然とした状態でした。しかし、世の中のフライパンには、「料理人のための最高仕様!」や「主婦の味方!」といったものが多いことに気づいたのです。「調理する人」と「食べる人」が、 あるいは 「調理する場所」と「食べる場所」が別々になっているのではないか。それならば、自分が自分のために、調理して食べる。その一連の行為を効率良く、かつ格好良くする。「つくる」と「たべる」 を1つにする。そんな存在の鉄フライパンが作りたいという思い至り、目指すべきゴールが決まったのです。

試行錯誤の日々

TENTとともにゴールを打ちたてた藤田金属でしたが、ここからが試行錯誤の日々の始まりでした。
TENTとの話し合いで、ハンドルが着脱できるフライパンを作ることになったのですが、ハンドルが着脱できるフライパンの多くはプラスチックなどの樹脂を使います。しかし、藤田金属は樹脂の成型品が不得意だったのです。ここで「金属だけで作る」という難しい課題が浮上します。且つスムーズに装着でき、そのまま固定できる機構でなければ、毎日使う道具になりません。そうして悩む中、ハンドルだけではなく、フライパン側に何か構造をもたせたら良いんじゃないかというアイデアがひらめいたわけです。

気づき

フライパンの外側に大きな壁面をもたせて、そこにハンドルをひっかける。そうすれば、ひっかけるだけなのに安定感がある、シンプルで無理のないハンドル構造ができるのではないか。さらに、周囲にリムがあることで「お皿らしい佇まい」が実現できる。そう気づき、お皿らしく見えるように形を整えて行きました。

苦難の始まり

毎日使う道具なのでなるべくシンプルな構造でスムーズに着脱でき、かつ鉄フライパンの重みにも耐えられる強度を実現するため、何度も試作を作り続けました。たくさんの試作品を作っては失敗を繰り返し、ゼロから構造を考え直す日々。ようやく構造が出来上がっても、量産のバラツキを抑えることも解決しなければなりません。

実現

数か月におよぶ苦悩の末、スムーズな着脱機構がようやく実現したのです。藤田金属が代々受け継ぐ卓越した技術が、TENTの革新的なアイデアと合わさりフライパン「JIU(ジュウ)」が誕生しました。

名前の由来

ひとつは、鉄フライパンでおいしい料理がジュウ~と焼ける音をイメージしています。もうひとつは、ハンドルとプレートを並べて上から見ると、数字の10のように見えること。そこから「JIU(ジュウ)」という名前がつけられています。

長く使う鉄フライパンこそ、いいものを

鉄フライパンは、使えば使うほど油が馴染み使いやすくなる一生モノの道具。家庭で使うにはハードルが高いと思われてしまいがちな鉄フライパンですが、毎日使いやすいように設計されたフライパン「JIU(ジュウ)」なら、お料理がより一層美味しく仕上がり、かつお手入れも簡単。おしゃれなデザインも相まって、日々のお料理がぐんと楽しくなりそう。是非フライパンジュウを使って様々なお料理を楽しんでください。

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