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たぬきの置物が非常に有名な信楽焼。中世から続く歴史を持つ信楽焼は、たぬきの置物だけでなく、用途の幅広い焼き物としてどの時代にも人々から親しまれてきました。この記事では、美しい造形と風格あるぬくもりを長い伝統の中で育んできた、信楽焼の魅力に迫ります。
信楽焼とは?
滋賀県甲賀市の信楽町で作られる陶磁器、信楽焼。古琵琶湖層から採れる良質な土を使った焼き物で、素朴で日本人の風情を感じさせる「わび」「さび」の味わいが特徴です。最も有名なものはたぬきの置物ですが、かつては甕や壺、近代以降は火鉢や浴槽、タイルなど、時代に合わせて発展してきた歴史の深い焼き物でもあります。
1976年に国の伝統工芸品として指定され、2017年には中世から現在まで陶磁器の生産が続く代表的な6つの産地「日本六古窯(にほんろっこよう)」のひとつとして日本遺産にも認定されました。
時代とともに進化する信楽焼
信楽での焼き物づくりは、奈良時代、聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)を築くにあたって瓦を焼かせたことが最初と言われています。その後、鎌倉時代に他産地の技術が伝わったことをきっかけに甕や壺、すり鉢などの焼きものづくりが始まり、しだいに信楽焼としての独自性を育んでいきました。
茶の湯の文化が確立する室町・安土桃山時代には、茶陶や芸術品として茶人をはじめとする文化人に愛され、商業が発達する江戸時代には、土鍋や徳利などの日用品が大量生産され庶民の間でも広く親しまれるようになりました。その後明治時代には、釉薬の研究と共に火鉢の生産が盛んになりました。第二次世界大戦前まで信楽焼の火鉢は国内シェアの約80%を占め、各家庭になくてはならないものへとなっていったのです。
1976年に国の伝統工芸品として指定され、信楽は「陶器の町」として全国に広く知れ渡るようになりました。現在では生活に根ざした食器やタイル、花器など、土の持つ素朴であたたかみのある風合いを生かした製品が多く作られており、中でもたぬきの置物は信楽の代名詞となるほど有名です。
このように、伝統を残しつつ時代の需要に合わせて発展させていくことで、信楽焼はどの時代でも人々に愛され続ける焼き物となったのです。
土と炎が生んだ芸術?信楽焼の特徴
かつて琵琶湖を擁していた信楽の地には、焼き物づくりに非常に適した粘土質の古琵琶湖層があります。そこから採れる土は可塑性と耐火性に優れ、ざっくりとした粗い質感が特徴。甕や火鉢、タイルなどにも対応できる汎用性の高い土として、幅広い用途の焼き物が作られてきました。
その良質な土で作られる信楽焼は、釉薬を施さずに焼き上げられるため、化学反応によってあたたかな「火色(緋色)」に発色します。また、焼成時の炎の勢いで灰かぶることによって付着する自然なビードロ釉、そして、灰に埋まる部分が黒褐色に染まる「焦げ」の味わいに特徴づけられ、土と炎が織りなす芸術として茶の湯の世界でも愛されてきました。
このように釉薬を使わずに焼き上げられてきた信楽焼ですが、近年はさまざまな色の釉薬が使われるようになりました。そのため素朴であたたかなイメージだけでなく、さまざまな作家による個性豊かな作品を楽しめます。
現代における代表的な窯元
「遊楽窯」
信楽で代々続く窯元の家計に生まれた兄弟が営む「遊楽窯」。美しいトルコブルーの器を代表に、現代の暮らしで使いやすい陶の器が日々制作されています。
価格:3500円 |
「古谷製陶所」
1970年創業の「古谷製陶所」では、”暮らしに寄り添う”をテーマに食文化や住空間などのライフスタイルに合わせた器が作られています。独自にブレンドした鉄分の多い赤土に白泥を掛け、低温で二回の本焼きをする事で生まれるやわらかな粉引きの器は、素朴で温かみがありどんな料理も優しく包みます。
価格:2,860円 |
伝統と暮らしの共存を楽しんで
伝統を残しながらも、時代のニーズに合わせて発展してきた信楽焼。そのシンプルであたたかみのあるデザインは、和洋問わず食卓に馴染み、暮らしに取り入れやすいことも魅力です。ぜひ食卓に取り入れて、あたたかな雰囲気に包まれるお食事を楽しんでみてください。
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