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岩手県で作られる漆の器、秀衡塗(ひでひらぬり)。職人の技によって作られた頑丈な下地に何度も漆を重ね塗りして丁寧に仕上げるので、長年使っても壊れにくいのが特徴です。光沢感を抑えた漆器の表面にはこの地方独特のひし形の模様をあしらった金の装飾がされていて、鮮やかな色を取り入れながらも素朴な質感を残しています。ここでは、岩手県で受け継がれてきた秀衡塗の魅力についてご紹介します。
秀衡塗の起源は平安末期にさかのぼる
秀衡塗は、平安の末期、奥州平泉に多くの文化をもたらした藤原秀衡(ふじわら の ひでひら)が京都から職人を招き、岩手県特産の良質な漆と金をふんだんに使った器を造らせたのが始まりだったとされています。また一説では、延暦年代からこの地を治めていた安倍氏という豪族により、中尊寺のすぐ裏手にある衣川増沢地区で仏具や武具などの漆製品の製造が行われていたといわれています。秀衡塗は硬く頑丈な漆器に秀衝文様といわれる源氏雲の上に金箔の有職菱文が描かれており、素朴ながらも華やかさを兼ね揃えているところが印象的です。
丈夫で長く使える漆器とは
ブナ、ケヤキ、トチ等の木を乾燥させながらお椀の形に削っていきます。急に乾燥させると狂いが生じやすくなるため、時間をかけてゆっくりと木地を作っていくのです。仕上がった木地は漆をしみこませ固めます。木地の弱い部分は布や和紙で補強し、強い下地を作ります。下地は塗りの仕上がりに関わる大切な工程で、時間と手間をかけ丹念に作り上げたていきます。そうすることで長く使える漆器が完成します。
何度も漆を塗り重ねて仕上げる秀衡塗
秀衡塗はすべての工程に漆を用いる本堅地(ほんかたじ)と呼ばれる漆器の下地を使用しており、漆器の中で最も硬くて丈夫だといわれています。模様は昔から伝えられてきた漆器の「秀衡椀」をお手本にしたものが脈々と受け継がれ、「源氏雲」という雲をかたどったものやいくつかの菱形の組み合わせて作る「有職菱文様(ゆうそくひしもんよう)」が描かれます。一見すると金箔を使った華やかな印象ですが、器の表面に塗られた黒や朱色はマットな仕上がりになっているので、全体的にバランスのとれた美しさが目を引きます。
漆器は天然素材100パーセント。手間のかからないお手入れ法
漆器はお手入れが難しいイメージかもしれませんが、他の食器と同じようにスポンジと洗剤で洗えます。漆器は汚れがつきづらいので、さっと洗剤をつけたスポンジで洗ってしっかりとすすぎましょう。漆の光沢を保つために柔らかい布で水分を拭くこともお忘れなく。
岩手が生んだ伝統工芸品・秀衡塗を生活に
漆器というと格式が高くてお手入れが大変なイメージかもしれませんが、普段使っている食器と同じように洗剤で洗えるのでお手入れしやすいのも魅力です。ギフトとしても大切な方へ送るのもおすすめです。硬くて丈夫な上にシンプルなデザインの秀衡塗。いつもの食卓にそっと彩りをくわえてみませんか。
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