日々の暮らしを彩る富山県の伝統工芸品「高岡銅器」

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富山県高岡市の伝統工芸品「高岡銅器」
「能作 錫の酒器」made by @nousaku_official

富山県の伝統工芸品のひとつ、「高岡銅器(たかおかどうき)」をご存じでしょうか?
高岡市は、富山県北西部に位置する鋳物の町。ここで作られた金工品を「高岡銅器」と呼びます。長い年月をかけて職人に受け継がれてきた鋳造技術は、しなやかで生命力豊かな作品を生み出し、世界からファンを惹き付けてやみません。年月とともに味わいを増す「高岡銅器」の魅力とおすすめのショップをご紹介します。

世界に羽ばたく「高岡銅器」の歴史をさかのぼってみる

高岡銅器のロサンゼルス展示会
「モメンタムファクトリー・Orii ロサンゼルス個展」photo by @orii_showroom

「高岡銅器」はおよそ400年前の1611年、加賀藩主 前田利長が町の繁栄のため7人の職人を招いたことから始まりました。はじめは、高岡市 金屋町に鋳物工場をつくり農具・鍋などの日用品鉄器を生産していたといわれ、その後は大名に献上する美術工芸品として徐々に認知されました。江戸時代中頃には、鉄以外の素材のバリエーションが増え、金属本来の良さを追求したさまざまな表現方法が確立します。明治時代には、ヨーロッパ開催の万国博覧会に「高岡銅器」が多く出品され、海外でジャパネスク旋風を巻き起こします。その後、日本全国でも置き物や茶道道具などのギフトとして需要が増え、1975年には日本で初めての「国指定伝統的工芸品」に指定されました。現代でも、伝統の工房が軒を連ね、歴史的作品から暮らしを豊かにするクラフトデザインまで職人による幅広い造形が生み出されています。

伝統の技からつくられる「高岡銅器」の魅力

繊細なデザイン

職人がひとつひとつ手作りする「高岡銅器」
photo by @nousaku_official

「高岡銅器」は金属すべてを鋳造できるといわれていて、職人たちの表現したいデザインに沿ってバリエーション豊かな金・銀・錫・ステンレス・チタンなどの素材を使い分けて作られています。「タガネ」という細長い工具で写しだす、アーティスティックで精巧な文様は世界でも評判。明治時代には数々の万国博覧会で「TAKAOKA」の名が世界に知られ、その後の日本の輸出品として確固たる地位を築いてきました。小さな作品から大きなオブジェまで、「素材を十二分に活かす技術は『高岡銅器』の職人を置いて他にはいない」と言われています。

多彩な色合い

高岡銅器の豊かな色使い
made by @orii_showroom

非常に多彩な色合いを表現できるのが「高岡銅器」の良さ。
「高岡銅器」は伝統工芸品で珍しい分業体制で作られていて、それぞれの得意分野の職人たちが独自の技術を追求してきました。銅器は「錆(さび)を鑑賞する工芸」と呼ばれていて、「着色」は表情を決定する最後の工程。銅の溶液・日本酒・食酢・米糠などさまざまな素材を組み合わせ、幅広い手法を使って金属を腐食させることで、素材本来の生命力溢れる色彩を引き出します。
カラーバリエーションは何通りもあり、赤に近い「古銅色(こどうしょく)」、茶色に近い「鍋長色(なべちょういろ)」といった「高岡銅器」の伝統色から、緑に近い「青銅色(せいどういろ)」、黄色に近い「宣徳色(せんとくいろ)」など華やかな色合いを表現しています。

インテリアから大物まで幅広いデザイン

「高岡銅器」の鮭の置物
「SAMAR 熊鈴」photo by @shota_jenkins_konno

もともと「高岡銅器」は日本の銅器シェアの90%以上を占め、数多くのモニュメントが作られてきました。例えば、除夜の鐘、浅草寺の黒提灯、二宮金次郎像、全国まちおこしの一つのアニメキャラクターの銅像なども「高岡銅器」。知らず知らず見かけている方も多いでしょう。
現代では、時計や花瓶などのインテリア、アクセサリー、食器など暮らしにフィットするデザインが人気。使うほどに味を増す魅力は「高岡銅器」ならでは。まるでデニムを履き込むかのように日常に溶け込んでいき、生活を奥深く豊かにします。

お手入れ簡単で長く使える

「能作 錫のKAGO」の高岡銅器の製品
「能作 錫のKAGO」made by @nousaku_official

「高岡銅器」のお手入れ方法は、非常に簡単。柔らかい布で空拭きするだけで、つやつやと一段と輝きを増します。汚れがひどい場合は、ワックスや真鍮(しんちゅう)磨きをつけて磨けば、あっという間に元通り。どうしても取れない汚れがある、穴が空いてしまったときは、ぜひ購入元へ相談してみて。「高岡銅器」は「古き良きものを蘇らせる技術」としても高い価値があります。溶接で修理するだけでなく、漆などで色直しもしてくれますし、さび止めを同時に依頼すると、より長く楽しむことができますよ。

暮らしを彩るおすすめショップ

様々な形の高岡銅器
made by @nousaku_official

能作(のうさく)

約100年続く鋳物鋳造の老舗ブランド。高岡市でひとつひとつ手作りのインテリア雑貨・食器・照明・オブジェを通して、高岡銅器の魅力を世界中に広めています。純度100%の錫・着色を施さない真鍮が素材。近代デザインと伝統技術を融合させたものづくりが魅力です。「能作」という名前は、創業者の「能作」氏の名前と「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)く作る」という理念が由来。お酒をおいしくする「鈴の酒器」・美しいテーブルウェアなど、暮らしをもっと「能く」してくれる、素敵な作品を生み出しています。

モメンタムファクトリー・Orii(おりい)

昭和25年創業「折井着色所」3代目の折井宏司氏が、着色だけではない「新しいものづくり」のために2008年に立ち上げた銅製品ブランド。時計・花瓶・ワインクーラー・コースターなどお洒落な暮らしのアイテムが、伝統の着色技法でつくられています。自然技法由来の数十種色のカラーの美しさは思わず目が吸い込まれます。

モメンタムファクトリー・Orii 富山県 高岡 銅器 伝統工芸 オリイブルー clock クロック 時計 壁掛け時計 青銅

価格:16500円
(2024/2/16 16:01時点)

syouryu(しょうりゅう)

明治42年創業以来、寺院用のおりんを作っている「シマタニ昇龍工房(しょうりゅうこうぼう)」の自社ブランド。新しい錫の食器「すずがみ」は柔らかくて形が変幻自在。鍛金職人ならではの商品です。薄く圧延された錫の板にひとつひとつ金槌で模様をつけ、叩き締めることで、丈夫で繰り返し形を変えられる作品が生まれました。金属なのにスーッと自由に曲がる新感覚が楽しめて、丸い麺棒でまっすぐなもので伸ばせば元通りの平らな錫板にもどります。アクセサリートレイやカードホルダーなどもいいですし、抗菌作用がある錫製なので食材を置いて使うのにもぴったり。想像力をかきたてる素敵な1枚はいかがですか。

syouryu – 昇龍工房 すずがみ 錫(すず)皿 13cm かざはな / さみだれ / あられ 折り紙のように曲げられる 取り皿 贈り物 ギフト 結婚祝い 内祝い 引き出物

価格:3300円
(2024/2/16 16:15時点)

竹中銅器

昭和2年創業の鋳物技術を脈々と受け継ぐ竹中銅器は、オリジナルブランド「fine.」の開発をはじめ、一流クリエーターとのコラボレーションによる商品開発を行っています。暮らしを華やかにする酒器・アクセサリー・花瓶から伝統の置物・香炉など、ギフトにぴったりな作品が数多く販売されています。

錫製 ワイングラス 50ml S-LINE Sライン おしゃれ シンプル 能作 竹中銅器 ギフト包装 プレゼント 誕生日 記念日 内祝い 還暦祝い 結婚祝い nousaku

価格:22000円
(2024/2/16 16:17時点)

富山の伝統工芸「高岡銅器」を取り入れて、日常をより豊かに

ものづくり職人たちが金属本来の良さを追求してできた「高岡銅器」。自由な形と色が魅力で、伝統の技法が生み出す上質な色合いは、私たちの生活をより豊かに感じさせてくれます。使えば使うほど味わい深くなる「高岡銅器」と一緒に、贅沢に年を重ねる楽しみを味わってみませんか?

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