日本を代表する焼き物、
美濃焼の進化が止まらない!

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岐阜県の東濃地方で作られる陶磁器、美濃焼。国内の食器類のシェアの50%以上を占める美濃焼は、千年以上続く長い歴史を持ちながらも、現在まで多くの人々に親しまれ続けてきました。この記事では、日本一の生産量を誇る焼き物へと発展してきた美濃焼の歴史や特徴をご紹介します。

美濃焼とは?

世界一の美濃焼こま犬
世界一の美濃焼こま犬

日本最大の陶磁器生産地としても知られる岐阜県東濃地方。この地方で作られる陶磁器は美濃焼と総称され、飛鳥時代から続く長い歴史を経て、今では国内トップのシェア数を誇る陶磁器へと成長しました。シンプルな見た目で日常に溶け込みやすく、普段何気なく使っている食器が実は美濃焼だったということも少なくありません。

千年以上続く美濃焼の歴史

美濃焼の起源は今から約1400年前、飛鳥時代の須恵器づくりとされています。平安時代には植物灰を用いた灰釉陶器、鎌倉から室町時代にかけては釉薬不使用の無釉陶器、その後は瀬戸から伝わった施釉陶器と、時代に合わせて技術を発展させてきました。

美濃焼の食器

美濃焼の黄金期とも言われるのが、安土桃山時代です。茶の湯の隆盛とともに、わずか30年の間でその様式は飛躍的に発展。斬新な形や豊かな色彩が施された独創的で芸術性の高い美濃焼が次々に登場し、「美濃桃山陶」と呼ばれ茶陶としての栄華を極めました。

美濃焼

中でも、美しい淡黄色の肌が特徴の「黄瀬戸」、鉄釉をかけ高熱で焼成し急速に冷やすことで生まれる漆黒が特徴の「瀬戸黒」、ほんのりと赤みを浴びた広い肌が特徴の「志野」、武将であり茶人でもあった古田織部によってつくられた「織部」などは時代を超えて愛され、今でも美濃焼の基礎となっています。

江戸時代には碗や皿など日常雑器の生産量が増加し、明治時代以降は分業制や機械の導入による安定した量産体制が確立。国内でのシェアを次第に広げ、現代において岐阜県は日本一の陶磁器の産地にまで発展しました。

型にとわられない美濃焼

美濃焼の最大の特徴は、その作風の多種多様さにあります。伝統技法を継承しながらも、時代や人々の好みに合わせて様々な形や色の焼き物が作られてきたため、独創的でほかに類を見ない斬新な作品が数多く存在します。

美濃焼の食器

丈夫で使いやすい上、シンプルでどんな料理とも相性が良く、日常に自然に溶け込む日本の食卓には欠かせない存在です。

現代の美濃焼

常に新感覚を取り入れ、陶磁器の魅力を発信し続けてきた美濃焼。機能性やデザイン性に優れた器が今日も多く作られています。そこで、現代も愛され続ける美濃焼の人気窯元を3つご紹介します。

「ふくべ窯」

美濃焼の窯元「ふくべ窯」の器
写真提供:大人の焼き物

化粧土による立体的で精微な絵付けが特徴の「精炻器(せいせっき)」。日本の器でありながら異国情緒を感じるこの焼き物を作っているのが、夫婦で営む窯元「ふくべ窯」です。現在では失われつつあるこの技法を継承し、どこか懐かしい、あたたかな精炻器を日々制作しています。

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「伸光窯」

美濃焼の窯元「伸光窯」の器
写真提供:大人の焼き物

明治28年創業の老舗陶磁器メーカー「伸光窯」。先代の技術を受け継ぎ、商品の品質向上につとめながら、日々の生活に根差した機能的でデザイン性の高い焼き物を制作しています。

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「カネコ小兵製陶所」

カネコ小兵製陶所

大正10年の創業以来、美濃焼の歴史と伝統を守り暮らしに小さなしあわせを届けようとものづくりをしてきた「カネコ小兵製陶所」。使い勝手が良くぬくもりがあり、使う人々を豊かにしてくれるような焼き物づくりに日々挑戦しています。

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進化し続ける美濃焼

型にはまらず、時代ごとの需要に合わせて姿を変え発展し続ける美濃焼の可能性は無限大。これからどんな新しい焼き物が創り出され、歴史がどう変化していくのか、今後も美濃焼から目が離せません!

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Riku Fujii
EXSENSES公式ライター

旅好き、映画好き、音楽好き、休日は海に行ったり、雑貨屋さんを巡ったりと、とにかく多趣味な雑食ライター。東京外大でスペイン語勉強中。