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通い婚のしるしとして贈られていた
八重山ミンサーの歴史を紐解く

沖縄の伝統的工芸品の八重山ミンサー。絣(かすり)の模様には、通い婚の時代『足繁く通ってほしい』との願いを込めて、女性から男性へ贈られていました。そこで、本記事では八重山ミンサーの歴史や特徴、製造工程などを詳しく解説します。

八重山ミンサーの歴史

竹富の町並み

17~18世紀の琉球王朝時代に、木綿布(ミンサー)が使用されていたと古い文献へ記録があり、インドから伝来したと推測されているという説があります。さらに、アフガニスタンから中国を経て、沖縄に伝わった織物という説もあります。

八重山ミンサーは、かつて通い婚だった時代、婚礼のしるしとして女性から男性へと贈られたものです。1989年には、経済産業大臣から伝統的工芸品の指定を受けました。そして、石垣市や竹豊町で織られているミンサー織りの総称を、”八重山ミンサー”と統一されたのです。

伝統的工芸品の八重山ミンサーとは

八重山ミンサーとは、沖縄県の八重山郡竹富町や石垣市で作られた織物です。

八重山ミンサーは、五つと四つの絣模様(かすりもよう)を交互に織りなし、『いつ(五)の世(四)までも末永く幸せ』と思いが込められているのが特徴的です。

また、両端にあるムカデの足のような模様には『足繫く(あししげく)おいでください』という意味を表現していると伝えられています。

かつての八重山ミンサーは紺一色でした。しかし時代と共に、色も豊富になり”芭蕉(ばしょう)”や” 苧麻(からむし)”、絹などの糸も使われるようになり、彩りの鮮やかなデザインの服やカバン、インテリアアイテムなど、さまざまな商品が作られるようになったのです。

八重山ミンサーの製造工程

【整経】
八重山ミンサーは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に木綿糸を使います。まずは、仕上がり幅に合わせて必要な経糸を計算します。模様には、事前に絣糸(かすりいと)と白い部分の縞糸と地糸それぞれの長さを揃えます。

【絣括り(かすりくくり)】
絣糸を藍染めする準備をします。八重山ミンサーは、括り染めの技巧を用いて糸を染めます。絣模様を描いた定規を使用し、白い部分は印をつけて括り、液が浸み込まないようにします。

【藍染め】
絣括りが終わったら、糸を水に浸し汚れを落とします。糸を脱水後、経糸や地糸、絣糸や緯糸へ分け藍染液へつけます。藍染は空気に触れると酸化するのが特徴です。そのため、藍染液で2~3分揉んでは取りだします。

希望通りに色が濃くなるまで繰り返します。八重山ミンサーの染料には、インド藍や紅露、フクギやヤマモモなどの八重山で採れる植物染料を使用しています。

【絣とき(かすりとき)】
染まった絣糸を乾かし、括りひもをはずします。そして、経糸の地糸、絣糸の長さを整えます。

【カチタミ(のり貼り)】
伸びやすい木綿糸の長さを揃えて、織るとき絣模様がずれないよう、糸にのりを貼ります。乾燥させるため日中の屋外で行われるカチタミ。

糸の長さや天候によっては、2日ほどかかることもあります。とはいえ、カチタミは織り上がりを美しくするために重要な工程です。

【仮筬通し(かりおさどおし)】
経糸の地糸や絣糸、縞糸を並べ、筬(さお)に1本ずつ通します。実際織るときは取り外すため、仮筬通しと呼ばれています。

【経巻き(たてまき)】
仮筬に通した経糸を揃えます。絣がずれないよう丁寧に巻き取っていきます。絣糸と地糸を一定の力で張りを保つことで、美しい織物を作り出すことができるのです。

【綜絖通し(そうこうどおし)・本筬通し(ほんおさどおし)】
経巻きに巻いた経糸を織り機に乗せ、順序良く綜絖(そうこう)に通します。そして、綜絖に通した経糸を順序良く筬へ通すのです。

【製織】
経糸の張る力を整え、刀杼(とうひ)という道具を使い藍染めした地糸を緯糸に通して織り上げます。織り上がったら洗濯をしてから検査と通して完成です。

八重山ミンサーの手織り体験

株式会社 あざみ屋『ミンサー工芸館』では、最終工程である”織り”の体験ができます。30分前後で仕上がるコースターや、タペストリーやテーブルセンターなどの大物など選択が可能です。はじめての方でも、丁寧に教えてくれるため安心して楽しみながら体験ができます。

【料金表】

コースター
サイズ:11cm×14cm
所要時間:20~30分
料金:1,500円(税込)
最終受付時間:16:00

テーブルセンター
サイズ:20cm×36cm
所要時間:45~50分
料金:2,500円(税込)
最終受付時間:15:30

テーブルセンター(大)
サイズ:28cm×42cm
所要時間:50~90分
料金:3,500円(税込)
最終受付時間:15:00

タペストリー
サイズ:39cm×90cm
所要時間:3~4時間
料金:8,500円(税込)
最終受付時間:9:30もしくは13:00 ※各1名様限定

【注意事項】
・小学校4年生以上で身長130cm以上の方
・作品は後日受け取りです(郵送の場合は送料無料)
・海外からのお客様は、後日受け取りが可能な方に限ります
・緊急事態制限や台風接近時には、休館となるため事前予約もキャンセルになる可能性もあります

あざみ屋 みんさー工芸館
0980-82-3473
9:00~18:00
なし
※お買い求め・お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。

八重山ミンサーを暮らしに取り入れてみては

今回は、八重山ミンサーの歴史や特徴、製造工程について詳しくご紹介しました。昔ながらの良さを残しながら、観光客向けにカバンやタペストリーなどのさまざまな製品が作られるようになりました。一つひとつ手作業で織りなす八重山ミンサーを、ぜひ一度手に取ってみてください。

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どいまちこ
EXSENSES公式ライター

高知県の古民家で保護猫2匹と暮らしているフリーライター