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「漫画アクション」連載の漫画『駅弁ひとり旅』の監修を務め、全国の駅弁6000食を完食した鉄道写真家の櫻井寛氏による北海道から九州まで全国各地の櫻井氏おすすめの駅弁をご紹介していきます。最終回となる第10回目は、九州編です。JR九州では「九州駅弁グランプリ」を開催しています。今回は、2023年に開催された第13回のグランプリ、準グランプリに選ばれた駅弁を紹介します。
第13回「九州駅弁グランプリ」
JR6社の中でも特に「駅弁」に対して理解があり熱心なのは、九州とJR東日本ではなかろうか?理由は、JR九州では「九州駅弁グランプリ」、JR東日本では「駅弁味の陣」を定期的に開催し駅弁会社を応援しているからだ。その中でも九州駅弁グランプリは通算13回を数え、現時点では東日本(11回)をおさえて最多である。今回は、第13回九州駅弁グランプリにて、グランプリと準グランプリを受賞した3つの駅弁を食べる旅にご案内しよう。
第13回「九州駅弁グランプリ」
https://www.jrkyushu.co.jp/ekiben/
準グランプリ「山菜とりめし」新玉名駅
まずは九州最大のターミナル、博多駅より九州新幹線「つばめ」号に乗って新玉名駅に向かった。ちなみに九州新幹線には停車駅の少ない、つまり速い方から順に「みずほ」号、「さくら」号、「つばめ」号の3種類が走っているのだが、一番速そうな「つばめ」号が実は一番遅い各駅停車なのである。時刻表を見れば新玉名駅には各駅停車しか停まらない。ということで「つばめ」号に乗ったわけだが、博多駅からおよそ40分で新玉名駅に到着した。
同駅の名物駅弁が「山菜とりめし」である。玉名市の老舗日本料理店「たがみ」謹製で、山菜寿司の上に鶏肉煮込みをトッピングした駅弁である。鶏肉は熊本産で油抜きしヘルシーに仕上げ、秘伝のタレで長時間煮込んでいるのですこぶる柔らかくて美味しい。しかも700円という価格には、思わずお土産にもう一つ買いたくなるほど。
準グランプリ「わっぜぇうまか!! 薩摩黒膳弁当でごわす。」鹿児島中央駅
新玉名駅の次は九州新幹線の終点、鹿児島中央駅へ。コンコースの駅弁店で待っているのがやはり、準グランプリを受賞した「わっぜぇうまか!! 薩摩黒膳弁当でごわす。」である。まずは、この長いネーミングがユニーク。それもそのはず、考案したのは鹿児島大学黒膳研究会の皆さんなのだ。二段重なのでボリュームたっぷりに見えるが、実は黒豚、黒米、黒酢など鹿児島の黒い食材を集めたカロリー控えめの駅弁なのである。価格も二段重で980円はリーズナブル。
グランプリ「花の待つ駅かれい川」嘉例川駅
鹿児島中央駅からは、日豊本線と肥薩線を乗り継いで嘉例川駅へ。同駅で土日祝日限定販売される駅弁が、第13回九州駅弁グランプリで見事、グランプリに輝いた「花の待つ駅かれい川」。この駅弁の作者、山田まゆみさんはこう語る。
「嘉例川駅は今年で築120年になるのです。駅周辺は春になると、山桜、ソメイヨシノ、岩ツツジが一斉に咲くのです。この駅を訪れる人をお花でおもてなししたいという想いを、薩摩の郷土料理でお弁当にしてみました。黒米は桜の花、卵焼きは黄色の特攻花、梅肉は彼岸花、白いのは野に咲くヒメジョオン……」まさに駅弁で再現した「花を待つ駅かれい川」である。
肥薩線は先年の豪雨によって今もなお八代〜吉松間は不通となっている。嘉例川駅に停車していた特急「はやとの風」も廃止されてしまった。けれども、駅弁「花の待つ駅かれい川」を求めて嘉例川駅を訪れる旅人は少なくない。私もその一人である。大いに駅弁を食べて鉄道や駅弁屋さんを応援しよう!
九州駅弁グランプリの駅弁を片手に秋の九州地方の旅に行こう!
熊本、鹿児島、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎など九州地方も、その土地の食材を使った美味しい駅弁が多くあります。車窓から眺められる美しい風景や九州新幹線や特徴ある観光列車が多く運行しているのも九州の鉄道旅の魅力です。九州駅弁グランプリの駅弁を片手に新幹線、観光列車、特急列車とローカル列車を組み合わせながら、のんびりと途中下車をしながら鉄道旅を楽しむのはいかがでしょうか。
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