450年の歴史が紡ぐ「横手の雪まつり」の幻想的な夜

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豪雪地帯とされる秋田県横手市の伝統行事「横手の雪まつり」。市内に数多く造られる「かまくら」や「雪の芸術」、若者の活気あふれる「ぼんでん」など多くの見どころがあり、地元の人々や観光客にも愛される人気のイベントです。本記事では、そんな「横手の雪まつり」の歴史や楽しみ方をご紹介します。

横手の雪まつりとは

「横手の雪まつり」は、水神様を祀る「かまくら」と、旭岡山神社に奉納する「ぼんでん」を合わせて毎年2月、3日間に渡って開催される横手市の伝統行事です。「かまくら」と「ぼんでん」を合わせて「横手の雪まつり」として開催されるようになったのが昭和29年です。以来、多くの観光客が訪れるイベントとして賑わうようになりました。静かな雪景色の中に佇む「かまくら」の幻想的な雰囲気と、豪華に装飾された「ぼんでん」を奉納する若者たちの勇ましい姿は、「静」と「動」の対照的な魅力を見せてくれます。

「かまくら」

秋田県横田市のかまくら

「かまくら」は約450年前から小正月の儀式として行われていました。鎌倉時代の初期、武家の住む内町では、雪洞の中に門松やお神酒(みき)を供えて燃やし、子どもの無事や成長を祈りました。商人の住む外町では、井戸の近くに掘った雪穴に水神様を祀り、水の恵みを祈っていました。時代とともに変遷し、現在は水神様に五穀豊饒の感謝と祈りを捧げる行事として受け継がれています。

市内各地に約80基ほど造られるかまくらの中で、子どもたちが「はいってたんせ、おがんでたんせ(かまくらに入って水神様をおがんでください)」と、人々に甘酒やお餅をふるまいます。温かい光が漏れるかまくらに響く子どもたちの声は、昔話の世界のような非日常感を与えてくれます。

「ぼんでん」

秋田県横手市の梵天(ぼんでん)

家内安全や五穀豊饒を願う横手の「ぼんでん(梵天)」には約300年の歴史があります。江戸時代、横手城の主であった戸村十太夫が催す巻狩(狩りを競うもの)の中心であった火防組が、獲物とともに旭岡山神社に引き上げ無火災祈願をしたことが「ぼんでん」の始まりと言われています。「ぼんでん」は火防組が持つ纏(まとい)と呼ばれる旗を模したものという説もあります。

横手の「ぼんでん」の特徴は大きく色鮮やかな頭飾り。神霊が降臨する際、遠くからでもよく見えるようにと現在のような豪華な飾りになりました。およそ5m、重さ30kgにもなる頭飾りを旭岡山神社まで約3時間かけて奉納します。若者たちがほら貝の音色とともに「ジョヤサ!ジョヤサ!」と勇ましく練り歩く姿は圧巻です。

「横手の雪まつり」への行き方

JR横手駅

電車の場合はJR奥羽本線「横手駅」で下車し、雪まつりの主な会場となる「横手市役所前道路公園」まで徒歩で10分です。車の場合は、雪まつり特設駐車場となる横手体育館周辺を目指してください。秋田自動車道「横手IC」から国道13号を経由し、約10分で到着します。例年、駐車場から会場付近までは無料のシャトルバスが運行されます。

2022年の開催日時<中止となりました>

「かまくら」は2月15日・16日に、「ぼんでん」は2月16日・17日に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、2022年は観光客の受け入れが中止となりました。詳しくは横手市観光協会のホームページをご覧ください。

HP : yokotekamakura.com

例年の「横手の雪まつり」の楽しみ方

「横手の雪まつり」では、雪の楽しさを満喫できる様々なイベントが用意されています。

雪の芸術

全国的に有名な「さっぽろ雪まつり」の雪像より、さらに長い歴史を持つのが横手の「雪の芸術」です。企業などの団体や個人の参加者が、小さく可愛らしい雪像から2mを超える大迫力の雪像まで趣向を凝らして作ります。例年、人気のアニメキャラクターや話題の有名人をモチーフとした作品が市内各地に登場し雪まつりを盛り上げます。一般の参加者が作るからこそ感じられる雪像の温かみをお楽しみください。

かまくら会場巡り

例年かまくらが設置される4箇所の会場をご紹介します。会場間をまわる無料の巡回バスも運行されますが、ゆっくり景色を楽しみたい方は歩いてまわるのも良いでしょう。

◆横手市役所前道路公園

秋田県横手市役所前のかまくら

雪まつりのメインとなる会場で、最も多くのかまくらが造られます。にぎやかな雰囲気の中で、地元の子どもたちによるおもてなしをまずはお楽しみください。

↓徒歩12分

◆横手公園

ライトアップされた横手城とかまくら

ライトアップされた横手城とかまくらが神秘的な光景を作り出します。
横手城の中は横手市街が一望できる展望台となっており、冬季は雪まつりの日限定で夜景を楽しめます。

↓徒歩15分

◆二葉町かまくら通り

秋田県横手市二葉町かまくら通り

雪まつり発祥の地区とも言われています。
一般的な住宅が立ち並ぶどこか懐かしい雰囲気の中で、また違った表情のかまくらが見られます。

かまくら先取り体験

秋田県横手市のかまくら先取り体験

雪まつりの本番である夜を迎える前にかまくらを貸し切りで楽しめる「かまくら先取り体験」。もちや甘酒などのセットが付いて1時間1組3,000円(税込み)で体験できます。かまくらの中で家族や友人と話に花を咲かせる時間は一生記憶に残る思い出となるでしょう。毎年予約が殺到する大人気のイベントなので、早めのご予約をおすすめします。

ミニかまくら作り体験

秋田県横手市のミニかまくら

地元の子ども達やボランティア団体が作る約3,000個のミニかまくら。会場の「蛇の埼川原」や「横手南小学校」では夜になるとミニかまくらにろうそくが灯され、幻想的な光の平原が広がります。雪まつりでは例年「光明寺街区公園」でミニかまくら作り体験が楽しめます。自分で作ったミニかまくらにろうそくが灯される瞬間は格別なので、ぜひ大切な人と参加してみてはいかかでしょうか。

1年中かまくらが楽しめる場所「横手ふれあいセンターかまくら館」

横手ふれあいセンターかまくら館

横手の人々に「神の宿る雪室」と呼ばれ神聖なものとされるかまくら。「横手市ふれあいセンターかまくら館」では、1年中かまくらが大切に保管されています。 館内のかまくら室「ファンタジックギャラリー」は常にマイナス10℃に保たれているので、年間を通してかまくらを楽しめます。かまくらは雪まつりの夜のように美しくライトアップされており、中に入って写真撮影もできます。館内には横手の四季を大画面で楽しめる映像室やおみやげが買える売店もあります。

 横手市周辺のおすすめホテル3選

秋田県といえば名湯や秘湯に恵まれる温泉地。雪まつりの後の温泉が楽しみ!という方も多いはずです。人気の温泉地「小安峡温泉・秋の宮温泉」が楽しめるホテルを含め、横手市周辺のおすすめホテルをご紹介します。

秋の宮温泉郷 湯けむりの宿 稲住温泉

秋田県最古の温泉地である秋ノ宮温泉郷の雄大な自然に佇む旅館。自家源泉かけ流しの湯に癒やされながら美しい景色を堪能できます。地元の旬菜を使った豪華な料理や秋田県の地酒もお楽しみください。事前予約で横堀駅と鳴子温泉駅からの送迎も頼めます。

秋の宮温泉郷 湯けむりの宿 稲住温泉(イナズミオンセン)
0183-58-1300(予約)
チェックイン 15:00 / チェックアウト 11:00
※お泊りの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

旅館 多郎兵衛

岩肌から湯が吹き出し伝わり落ちる「大墳湯」が有名な小安峡の温泉旅館。宮城県栗原市の「栗駒焼」が敷き詰められた「変わり風呂」をはじめとするバラエティ豊かな温泉を備えているので、温泉好きな人におすすめの旅館です。こだわりの食材を使った食事は、なんと全て女将の手作り。事前予約で湯沢駅からの送迎も可能です。

旅館 多郎兵衛(タロベエ)
0183-47-5016
チェックイン 14:30 / チェックアウト 10:00
※お泊りの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

横手温泉 ホテルプラザ迎賓

洗練された和モダンな客室を備える上品なホテル。横川駅から徒歩3分の好立地です。宿泊客は隣接する「ゆうゆうプラザ」の温泉を無料で利用できます。「横手黒毛和牛」など地元の旬菜をふんだんに使った食事が楽しめるほか、海鮮バーやイタリアンなど、シーンに合わせて選べる5つのお食事処も併設されています。

横手温泉 ホテルプラザ迎賓(ホテルプラザゲイヒン)
0182-32-7777
チェックイン 15:00 / チェックアウト 10:00~12:00(客室・プランによって異なる)
※お泊りの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

「横手の雪まつり」で濃密な秋田の冬を過ごそう

雪と生きる横手の人々に愛され続ける「かまくら」と、その優美さと勇ましさで見る人に感動を与える「ぼんでん」。450年の伝統と人々の願いを受け継ぐ「横手の雪まつり」の見どころや歴史をご紹介しました。2022年は残念ながら中止となりましたが、開催される年にはぜひ横手市までお出かけください。

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エクセンス編集部
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