櫻井寛の駅弁まんぷく旅<第6回 東海編>
東海道新幹線・名古屋鉄道・近畿日本鉄道

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「漫画アクション」連載の漫画『駅弁ひとり旅』の監修を務め、全国の駅弁6000食を完食した鉄道写真家の櫻井寛氏による北海道から九州まで全国各地の櫻井氏おすすめの駅弁をご紹介していきます。第6回目は、東海編です。駿河湾の新鮮な「鰺」が味わえる駅弁がある三島駅、豊川稲荷の玄関駅で名物の「稲荷寿司」を使った駅弁がある豊橋駅、そして名物の牛肉が味わえる松阪駅などおすすめ駅弁をご紹介していきます。

駿河湾の鰺を駅弁で堪能できる「港あじ鮨」

富士山をバックに走る「こだま」号。三島〜新富士間

東京駅から東海道新幹線「こだま」号に乗って西へ向かう。今や東海道新幹線の主役は「のぞみ」号で、1時間当たり最大12本も走っているそうだが、一方、各駅に停車する「こだま」号は2〜3本と少ない。けれども、「こだま」号には「のぞみ」号では叶えられない大きなメリットがある。各駅の駅弁が味わえるのだ。ということで、「こだま」号に乗って最初に降りたのは三島駅だった。

三島駅南口の桃中軒。新幹線のホームでも販売中

熱海駅までは関東地方だが、新丹那トンネルを抜けると東海地方である。三島駅のホームに降り立てば、嬉しいことにホーム上に「桃中軒」の売店がある。明治24年創業の老舗駅弁店だ。

どれにしようか迷いながら購入したのは「港あじ鮨」。30分後にやって来る次の「こだま」号の車内でいただきます! 

パッケージを外すと目に飛び込んで来たのは3種8貫の鰺のお寿司「あじ三昧」だ。トップは「ぬまづ鰺鮨」3貫。駿河湾産の鰺を酢で締めた後、じっくり昆布の旨味を染み込ませ、しその葉を巻いた逸品である。続いて「にぎわい鰺鮨」3貫。こちらは天城山葵の茎を寿司飯に混ぜ山葵の葉で巻いた寿司。最後は「鰺わい太巻き」の2貫。しかも山葵は生ワサビを卸し金で、という本格的なもの。大いに感動しつつ雪化粧した富士山を眺めながらご馳走様!

三島駅「港あじ鮨」(1,080円税込)
http://www.tochuken.co.jp/ekiben_01_03.html

販売箇所については、下記にてご確認ください。
http://www.tochuken.co.jp/ekiben01.html

桃中軒公式ホームページ
http://www.tochuken.co.jp/

豊川稲荷の玄関駅で老舗の「稲荷寿司」を味わう

豊橋駅に到着する名鉄の「パノラマsuper」

「こだま」号は「のぞみ」号と「ひかり」号に抜かれながら静岡県から愛知県へ。次に途中下車したのは豊橋駅であった。関東と関西の境は一般的には関ヶ原と云われているが、食のボーダーは豊橋に思われてならないのだ。東京駅から東海道新幹線で西に向かうと、浜松までは関東風だが、浜名湖を越え豊橋まで来ると関西圏に入ったような気がする。

日本三大稲荷の一つ、豊川稲荷の玄関、豊橋駅で明治22年の創業以来、稲荷寿しを作り続けて来た老舗「壺屋」のお稲荷さんは甘くて実に濃厚な味わいである。

豊橋駅「稲荷寿司」(610円税込)
http://tsuboya-toyohashi.com/item/?id=6

販売箇所については、下記にてご確認ください。
http://tsuboya-toyohashi.com/shop/

壺屋公式ホームページ
http://www.tsuboya-toyohashi.com/

松阪駅で「駅弁ひとり旅」とのコラボレーション弁当を堪能する

近鉄名古屋駅を発車した近鉄特急「伊勢志摩ライナー」

豊橋駅で私は、新幹線ではなく名鉄電車に乗り換えた。関西は関東以上に私鉄が発達しており、豊橋から兵庫県の姫路まで私鉄だけで行くことが可能となる。

松阪駅前のあら竹本店前で駅弁を手にする新竹浩子社長

そこで名鉄電車と近鉄電車を乗り継いで途中下車したのは三重県の松阪駅であった。三重県を代表する駅弁店といえば、明治28年創業の老舗、松阪駅前の新竹商店だ。駅弁業界きっての美人社長の誉れも高き、新竹浩子社長から、「駅弁を作ってみませんか?」という夢のようなお話があったのは数年前のこと。以降、足繁く松阪に通い、美味しくて楽しい試食会を重ね、ついに完成した駅弁が「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」。

牛肉は三重県産の最高級黒毛和牛。味付けには食後の匂いが気にならない絶妙なさじ加減のガーリック隠し味。さらに、いつでもどこでもアッツアツで楽しめる加熱式容器ナルホットを使用し、ご飯、牛肉、錦糸卵、青菜、人参の最高の美味しさを引き立てている。ご賞味あれ!

松阪駅「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」(1,500円税込)
https://www.ekiben-aratake.com/item/atsuatsu/

販売箇所につきましては、下記の公式ホームページにてご確認ください。
「駅弁のあら竹」公式ホームページ(新竹商店)
https://www.ekiben-aratake.com/ekiben-aratake/index.html

名物駅弁を片手に冬の東海の旅に行こう!

静岡、愛知、三重など東海エリアも、静岡の駿河湾の鰺や三重の松阪牛などの食材を使った美味しい駅弁が多くあります。東海道新幹線「こだま」でのんびりと途中下車をしながら鉄道旅のお供に名物駅弁を楽しむのはいかがでしょうか。

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櫻井 寛
EXSENSES公式ライター

1954年長野県生まれ。昭和鉄道高校、日本大学芸術学部写真学科卒。出版社写真部勤務を経て独立。93年航空機を使わず88日間世界一周。94年『交通図書賞』受賞。漫画『駅弁ひとり旅』の監修を務め駅弁6000食完食。『にっぽん全国100駅弁』、『知識ゼロからの駅弁入門』など著書多数。日本写真家協会、日本旅行作家協会会員。東京交通短期大学客員教授。

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