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【サンティアゴ巡礼】
これを知ってから行けばより楽しめる!

サンティアゴ巡礼を始める前に知っておけば、より楽しめるポイントがいくつかあります。今回は、巡礼者聖ヤコブが身につけているものとその由来、巡礼のシンボルであるホタテ貝のこと、巡礼の道中に見られるモニュメントのこと、道中で買える巡礼グッズなどについてご紹介します。

巡礼者聖ヤコブの服装・持ち物とその由来

ボルドン
ボルドンとは、杖というよりも太いこん棒のようなものです。現在も巡礼中はスティックをもって歩きますが、古来の巡礼者は必ずボルドンを携帯していました。ボルドンは、先端が鉄製で人の背丈よりも長いこととされていました。橋のない川に遭遇した際、向こう側へ渡してボルドンの上を歩いて進むためだと言われています。また、狼や熊などの猛獣に出くわした時には槍がわりにして身を守るためにも使ったともいわれています。

瓢箪(ひょうたん)
多くの巡礼者は、ボルドンの先端に水筒代わりの瓢箪をぶら下げていました。

スロン
スロンとは、鹿革などで作られた小さなポシェットのことです。スロンには旅に必要な最小限の食料のみを入れ、その日に必要なもの以外は持たない事が原則でした。これは、大きな袋を持たなくても神様が与えて下さるものだけで十分と信じ、神に身を任せるためでした。スロンのサイズが小さいのは必要な施しのみが入るようにという意味があります。日本の托鉢(たくはつ)に少し似ているように思います。また、スロンには留め金類はなく、簡単に中を見ることができます。それは巡礼者が、道中で出会った貧しい人にすぐに食事を分けることができるように出し入れが簡単でかつ個人所有としないためだったのです。

ホタテ貝は巡礼のシンボル

ボルドンと瓢箪とスロン以外の巡礼者の必須アイテムといえば、ホタテ貝です。昔は巡礼者がお皿代わりに使っていたと言われています。そして、サンティアゴ市のあるガリシア県はスペインで唯一ホタテ貝が採れる場所として有名でした。11世紀頃から、サンティアゴに到着した証拠として巡礼者がホタテ貝を手に入れ、記念に持ち帰ったことから、いつしか巡礼者の象徴として広まったとも言われています。宗教的には諸説ありますが、有名な伝説のひとつにこの様なものがあります。「浜辺に漂着した船を助けようとした騎士が漂着者もろとも大波にのまれたが、聖ヤコブが全員を助けて陸へあげてくれた。その際、聖人の身体にホタテ貝がたくさん付いていた。」このことからホタテ貝そのものが聖ヤコブのシンボルとなったという説もあるようです。

現在の巡礼道標は青と黄色のホタテマーク

ホタテ貝のマークは、聖ヤコブの絵画や彫像に必ず見つけることができます。小さなものから大きなものまで様々、巡礼の道中に一番目にするマークです。

800㎞もの道程ともなると、迷わずにサンティアゴまでたどり着けるのかどうか不安になるところです。が、心配ご無用!道を見失わないようにしっかり道標があります。近年はより分かりやすくなっていて、ブルーの下地に黄色の放射線のようなマークが道案内となっています。実はこの黄色いマークがホタテ貝をかたどっているのです。

今ではサンティアゴ巡礼カラーはブルーと黄色で、場所によっては地面や壁に黄色いペンキの矢印で進行方向が記されている場合もあります。これを目印に進んでいけば迷うことなくサンティアゴへ着くことができます。

ガリシアならではのクルセイロ

巡礼の道中目につくものとして「クルセイロ」という花崗岩(かこうがん)でできた柱があります。町はずれの通りの真ん中などに建つ十字架のモニュメントです。それぞれ独自のキリストやマリア様の装飾が施されています。これは教会や墓地がこのすぐ傍にありますよという目印で、ガリシア州全土で約12000本も設置されています。最も古いものでは14世紀のものもあり、ガリシア州に入ったらクルセイロを見て歩くのが楽しみになります。ポルトガルの道のルートを辿ってくる人なら、ポルトガルでもクルセイロを見る事ができます。道標がなかった昔の巡礼者は遠くからクルセイロが見えただけでもほっとしたのではないでしょうか。

巡礼グッズは道中で買える!

巡礼者らしい装束で歩きたいという方は日本から持ってこなくても道中で購入できます。特にボルドンは長くてスーツケースには入りきれないので、多くの人は旅先で手に入れたものを帰路につくときに置いて帰る人もたくさんいます。ホタテ貝も今は飾りとしてリュックなどにぶらさげるようになっていますが、土産物としてあちこちで販売されています。時には山道で手作りのボルドンやホタテ貝の販売などもあり、それも楽しみの一つです。

サンティアゴ巡礼で見つけてみよう

今回はサンティアゴ巡礼に関する豆知識をご紹介しました。巡礼グッズ、長い時代と共に変化したホタテマーク、時が流れてもずっと巡礼者の道標となっているクルセイロなど楽しめるポイントがたくさんあります。次に巡礼に行かれる際にはこれらのポイントを見つけながら進んでみてください。

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