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6月の下旬、スペインで火を焚いて夏を迎える伝統的なお祭りがあることをご存知ですか?日本ではあまり知られていませんが、このお祭りに参加するために多くの人々が街へ繰り出し、またその様子をひと目見ようと世界中からも多くの観光客が訪れます。場所によって趣の異なるイベントが行われますが、今回は中でも一番盛大なアリカンテ(バレンシア州にある港湾都市)の火祭りをピックアップ。この記事では、火祭りの起源や歴史、イベント内容、その魅力をご紹介します。
サン・ファンの火祭りとは?
夏至の時期にスペイン全土で行われる大きなお祭りで、壮大に火を焚いて本格的な夏の到来を祝福します。目の前で炎が煌々と立ち昇る様子は迫力満点。文字どおり “熱気溢れる” お祭りなのです。スペインではこのお祭りを機に、一気に夏モードへ。学校では夏休みが始まり、バケーションへ出かける人も増えてきます。
火祭りの名前の由来や起源・歴史は?
「サン・ファン」とはキリスト教の洗礼者「聖ヨハネ」のことを意味します。現在では、6月24日の聖ヨハネの誕生を祝うお祭りと位置づけされているようですが、キリスト教以前から存在しているこの火祭りには元来、別の目的がありました。
火祭りが行われるのは「夏至」の時期。夏至を過ぎると冬に向けて徐々に日が短くなるため、“太陽にもっと力を与えよう!” と火を焚いて太陽に力を送ったことが火祭りの始まりだといわれています。長らく続いていた風習でしたが、1928年に正式に「サン・ファンの日」と制定され、6月24日はスペインの祝日となりました。
開催期間はいつ?
夏至が近く、サン・ファン(聖ヨハネ)の誕生日が6月24日ということもあり、毎年6月20日〜24日に開催すると決まっています。
アリカンテではどんなイベントが行われるの?
主役の「オゲラス」
この火祭りの主役となるのは、「オゲラス」と呼ばれる、ダンボールや木で作られた巨大な人形や像。風刺の効いたウィットのある作品ですが、イベントの最終日に燃やされてしまうため、 “短命な芸術作品” と揶揄されています。
5月に各地区から推薦された候補者の中から「火の美女」と呼ばれる火祭りの女王が選ばれ、それをきっかけに「オゲラス」の設置が公式に開始されます。アリカンテの街のそこかしこに数々の人形や像が並ぶと、街中がユーモアに満ちた賑やかなムードに包まれます。
期間中のイベントの主な見どころは、次のようなものがあります。
・伝統衣装をまとった美しい女性たちを伴った、音楽隊と祭事委員の入場風景
・アリカンテ市の守護聖母であるレメディオへの献花
・世界中の舞踊団が民族衣装で参加する華やかなパレード
花火大会
さらに、6月19日〜24日の毎日午後2時にロス・ルセロス広場で開催される花火大会も人気のイベントです。ただし、花火だけでなく爆竹も鳴らすため、その音は予想をはるかに超える騒々しさ。冗談ではなく、耳栓をして観覧することをおすすめします。
ハイライト「クレマー」
そしていよいよ、6月24日の最終日。夜0時に火祭りの最大のハイライトである「クレマー」と呼ばれる焚火の時間がやってきます。華々しく花火が打ち上げられた後、街中に置かれた「オゲラス」に一斉に火が焚かれ、アリカンテの街中のあちこちで炎が燃え盛ります。その様子を見ながら人々はダンスをしたり歌ったり…と、これ以上のない歓喜に湧き立ちます。
またそれと同時に、地元の消防士たちが火祭りを楽しむ参加者たちに向かってホースで水をかけるのも、クライマックスには欠かせないイベントのひとつ。こうしてサン・ファンの火祭りは最高潮を迎えるのです。
エネルギッシュな「サン・ファンの火祭り」で、夏の始まりを感じよう
今や祝日にもなった、スペインが国をあげて開催する「サン・ファンの火祭り」。どのようなお祭りか、感じ取っていただけましたでしょうか。大迫力の炎の熱気を体全身で感じたら、ここ数年で萎縮していた心のチカラが、以前のように沸々とみなぎってくるような気がしませんか?ダイナミックで活気あるこの火祭りを、ぜひ一度体験してみてください。
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