【北海道】アイヌの世界へ
幻の民族を魅せる体験スポットをご紹介

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然別湖コタン

北海道の大自然を知りつくし、豊かな精神世界を育んできた先住民族「アイヌ」。アイヌの少女が登場する『ゴールデンカムイ』(作:野田サトル)をみて、心奪われた人も多いのではないでしょうか?舞台は日露戦争後の北海道。元軍人がアイヌの隠された金塊を探し求める物語。忠実な再現とかっこいいアイヌ民族の姿は日本中を魅了しました。「大地とともに生き、全てのものを敬う」アイヌスピリットは現代人を新しい視点へ運んでくれます。今回の記事では、そんな幻の民族、アイヌカルチャーと北海道のアイヌ文化を体験できる施設をご紹介します。

自然とともに生きるアイヌ民族

幻の民族 アイヌ

ウポポイ 民族共生象徴空間

明治時代まで北海道で暮らしていたのはアイヌの人々。歴史のはじまりは北海道に人類がやってきた3万年前ごろに遡ります。特色あるアイヌ文化ができていくのは農耕を始めた7世紀ごろ。その後、豊かな土地を持つアイヌは日本とロシアに挟まれ、荒れ狂う歴史の波に翻弄されていきます。北海道環境生活部が行った平成29年の調査では、北海道に暮らすアイヌ民族は1万3000人ほどだそう。流暢に話せる人は人口の1%に満たないといいます。消えつつある「幻の民族」の文化を守ろうと徐々に復興が進み、北海道にはアイヌ文化を伝える施設が点在しています。統一的な国家を持たなかったアイヌの文化は、地方によって大きく違うので、いくつかの地域を訪れてみるのがおすすめ。

アイヌの精神性を象徴する「カムイ」

阿寒湖アイヌコタン

「カムイ」はアイヌにとって欠かせない言葉。あらゆる「アイヌ(人間)」を取り巻くすべてのものを「カムイ(神)」であると表現しました。例えば、火、風、雷、山や湖、家や壺の道具まで、自分たちではどうにもできない物事、役立つものは神として敬い、さまざまな儀式を行っていました。アイヌの精神性は、現象やものをコントロールするのではなく、神からの贈りものである万物に感謝して、いい関係を築くことを大切にしています。

「アイヌ語」からみる世界

ユネスコが「消滅危機言語」と定める「アイヌ語」。日本語とまったく違う文法で、文字をもたず、口伝えに受け継がれてきました。意味を調べると、アイヌが世界をどう見ていたのかが垣間見えます。例えば、ヒグマは「キムンカムイ(山の神)」、鮭は「カムイチャプ(神の魚)」。稚内は「ヤム・ワッカ・ナイ(冷たい飲み水の沢)」。知床は「シリ・エトク(大地の突き出たところ)」。アイヌ語の由来を調べてみると違った景色が見えるかもしれませんね。

美しきアイヌのファッション

ウポポイ 民族共生象徴空間

アイヌ民族の服装は動物の毛皮や樹皮などから作られ、心をこめてつくられた美しい刺繍文様が特徴的。華やかなアクセサリーを身にまとい、高い美意識があったことがわかっています。アイヌといえば幾何学的な太字の文様をイメージする人も多いのではないでしょうか? アイヌ文様は自分の魂を込めて施さなければカムイが宿らないと考えられていました。
「パワー」をあらわす渦巻状の「モレウ」、「魔除け」を意味する刺状の「アイウシ」などを組み合わせ複雑な模様を描きます。家や作り手によって異なるデザインは、眺めている人を惹き込み物語を感じさせます。

また、アイヌは琉球(沖縄)と並び、トライバルタトゥーが施されていました。女性は適齢期になると前腕・手の甲・眉に。結婚後は口の周りにひげを模した大きな唇のような刺青を彫ります。死後の旅立ちをサポートする儀式的な意味、結婚のシンボルといった社会的面もありますが、女性対象であることからファッション要素も強かったと考えられています。アイヌファッションは現代アーティストたちにさまざまなインスピレーションを与えています。

素材を大切にするアイヌ料理

ウポポイ 民族共生象徴空間

アイヌでは山・川・海からたくさんの魚や肉が採れ、豊かな食生活が営まれていたそう。素材を大切にした調理法が魅力で、主食は汁物。食材から出てきた養分をすべて逃さず採りこみます。塩はあまり使わず、さっぱりとしたお粥と煮込み料理を好み、山菜や木の実を香辛料にクマなどの脂で風味付けしていました。お肉もウサギ、リス、シカ、クジラ、アザラシなど盛りだくさん。叩いてタルタル状にする「チタタプ」という調理法では鮭の軟骨や白子、獣も生肉で食べていたといわれています。厳しい冬は蓄えたジャガイモや乾燥食糧、燻製と、温かい汁物で身体をあたためて乗り越えます。アイヌでは「体に良いものばかりで、終戦後の食料が乏しい時代でも栄養失調の者はいなかった」ともいわれています。

アイヌ文化を体験できるスポット

ウポポイ / 民族共生象徴空間(白老町)

日本初のアイヌナショナルセンターでアイヌ文化復興の拠点。「ウポポイ」はアイヌ語で「(大勢で)で歌うこと」を意味し、充実のプログラムが特徴です。自然と一体化したアイヌの歌は心に沁み、人間の根幹の忘れていた感情を呼び起こすと評判。他にも、ユネスコ無形文化遺産の古典舞踊、「ムックリ(竹製の口琴)」の鑑賞や、木彫や刺繍の工芸体験を楽しめます。

園内には飲食施設が4店舗あり、鮭を使ったアイヌの伝統料理「チェプオハウ」や、柔らかく旨みたっぷりの蝦夷鹿など「食」からもアイヌ文化を体感できます。おすすめスポットは、エントランスを抜けると見える森に囲まれた美しいポロト湖。園内の広さは東京ドームのグラウンド1個分とかなりの広さで、滞在時間は半日ほど長めにとるのがおすすめ。園内には無料循環バスがあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ウポポイ(民族共生象徴空間)
0144-82-3914
9:00〜17:00
月曜日および12月29日~1月3日、2月20日~2月29日
※お出掛けの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

阿寒湖アイヌコタン(釧路市)

1度は訪れたい、アイヌの人々が暮らす北海道最大級の「コタン(集落)」。民芸品店や飲食店などのお店が20数軒ほど集まり、木彫りの作品・アクセサリー・アイヌ料理を味わえるお店などが揃っています。アイヌの人によるツアー「Anytime,Ainutime!」や、古式舞踊×現代舞踊×デジタルアート作品「ロストカムイ」の上演など見所たっぷり。お土産を見ながら、異国情緒溢れる通りを散歩してみるのはいかがでしょうか。

阿寒湖アイヌコタン
0154-67-2727
※お出掛けの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館 (平取町)

アイヌファンから評判の高いこちらの美しい博物館。館内は4つの展示ブースに分かれており、衣服・靴・道具・首飾り・台所用品・家庭用品、さらには数隻の船など、アイヌに関する膨大なコレクションが展示されています。「ユカラ(叙事詩)」のビデオも見れて臨場感いっぱい。アイヌ文化に興味のある方は必見のスポットです。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館
01457-2-2892
9:00〜16:30
季節により変わります。公式ウェブサイトでご確認の上お出掛けください。
※お出掛けの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

萱野茂二風谷アイヌ資料館 (平取町)

萱野茂二風谷アイヌ資料館 は、「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」から徒歩5分ほど。一緒に立ち寄ってみるのもおすすめです。アイヌとして初の国会議員になった萱野茂個人資料館でコンパクトながら、国に指定された重要有形民俗文化財が1121点と圧倒的な展示数を誇ります。コタンごとの伝統衣装が観れたり、実際の暮らしが想像できる貴重な資料館。平取町に来たら忘れずに訪れてみてくださいね。

萱野茂二風谷アイヌ資料館(かやのしげるにぶたにアイヌしりょうかん)
01457-2-3215
9:00〜17:00
年中無休(11/16~4/15は要事前予約)
※お出掛けの際には、必ず最新情報を施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、施設にお問い合わせください。

豊かなアイヌカルチャーを体感する旅へ

魅力的なアイヌの世界をご紹介しました。消えつつあるアイヌ文化を後世に伝えるため、北海道ではアイヌ文化に触れられる施設が充実しています。歴史・食・ファッションなどを通してアイヌ文化を知ることで北海道の新たな魅力を発見できるでしょう。
次回の北海道旅行では、アイヌゆかりの地も巡ってみてくださいね。

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エクセンス編集部
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