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400年以上の歴史がある
伝統的工芸品の丸亀うちわ

香川県丸亀市で生産しているうちわを“丸亀うちわ”と言います。日本で生産しているうちわの中で9割を占めている丸亀うちわは、年間1億本以上のシェアを誇ります。そこで本記事では丸亀うちわの歴史や製造工程、丸亀うちわ作り体験や無料で受講できる講座についてご紹介します。

丸亀うちわの歴史

写真提供:一般財団法人 丸亀市観光協会

丸亀うちわの技術は、江戸時代の初期にすでに確立されていたと考えられています。これは、慶長5年(1600年)に丸亀の旅僧が九州で一晩のお礼にとうちわの製法を伝授したことがきっかけとなります。これにより熊本の来民うちわが普及し、伝授した丸亀では、すでにこの頃うちわの技術が確立されていたのではと考えられるようになりました。

寛永10年(1633年)の徳川家光時代には、金刀比羅宮のお参りの際の土産品として、天狗の羽うちわにちなみ朱色の丸金印の渋うちわが売り出されていました。その後、1700年代には、丸亀藩の武士の内職としてうちわ作りを推奨されたことにより、丸亀うちわは産地の基盤を作っていきました。

材料の全てを四国内で揃えられる

丸亀城にある丸亀うちわの石碑

丸亀では「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」と歌い継がれています。つまり、竹は伊予(愛媛)、紙は土佐(高知)、のりは阿波(徳島)というように丸亀(香川)から近い地域から材料の調達が可能でした。

江戸時代は交通が不便だったため、近くに材料があることは強みでもあったのです。そしてこの歌は、丸亀城内堀のほとりにある石碑に刻まれています。

47の製造工程のほとんどが職人の技

丸亀うちわを作るには、47の製造工程があります。骨と貼りの工程で分かれており、そのほとんどを職人が手作業で行います。一つひとつの工程には、日本の伝統を守る“丸亀うちわ”の職人の技術が光っています。

丸亀うちわの製造工程

写真提供:一般財団法人 丸亀市観光協会

丸亀うちわの47種類ある製造工程から抜粋して解説します。

【ふしはだけ】
うちわの骨の工程。一定の幅に割った竹のふしを手作業で削り、穂となる方には内身を取ります。そして、竹を均一の厚みへ調整することがポイントです。

【割き】
切込機を使用して、穂となる部分を約5~10cmまで切り込みを入れます。穂の本数は、32~42本を均等に裂きます。

【もみ】
切り込みを入れた竹を左右に曲げ、ふしまでもみおろします。

【穴あけ】
穴あけ用の工具“三つ目錐”を使い、鎌を通す穴を竹のふしの部分にあけます。

【鎌削り】
切り出しの小刀で竹を加工します。丸亀うちわの曲線を表現する重要な部分。うちわの種類によって形は異なります。

【編み】
削った鎌を通して糸を巻き付けてから穂を編んでいきます。白い綿の糸を主に使用していますが、カラフルな色付きや絹糸を使用することもあります。

【付け】
編んだうちわの穂を整えながら、左右対称になるように糸をとじ付けます。昔は付師とも言われていました。

【貼り】
穂や地紙に必要な場所にのりを付けて、地紙を貼りつけます。

【たたき】
うちわの種類に応じた、たたき鎌を添わせて木づちで叩き、余分な箇所を切り取ります。

【へり取り】
うちわの縁に、へり紙と呼ばれる細く長い紙を貼ります。そして、“みみ”や“きぼし”を貼ったら完成です。

丸亀うちわ作り体験

写真提供:公益社団法人 香川県観光協会

うちわの港ミュージアムとうちわ工房竹では、伝統的工芸品である丸亀うちわの製作体験ができます。

【うちわ製作の流れ】
①デザインを選びます
②伝統工芸士の指導のもと丸亀うちわを作ります
③のりが乾くまで少し待ちます
④うちわの形を整えて完成です
※ご予約はうちわの港ミュージアムか、うちわ工房竹にて可能です。

うちわの港ミュージアム

入場料:無料
体験費用:1本800円
所用時間:約40~50分(5人以上になると約90分)
受付時間:9:30~11:30・13:30~15:30(要予約)

うちわの港ミュージアム
0877-24-7055
9:30〜17:00(入館は16:30まで)
月(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日~1月3日)
※お買い求め・お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。

うちわ工房竹

入場料:無料
体験費用:1本1,000円
所用時間:約1時間(受け入れ人数10人まで)
受付時間:10:00~14:00(要予約)

うちわ工房竹
0877-25-3882
10:00〜16:00
水(年末年始)12月25日の午後~1月4日の午前の製作体験は休み
※お買い求め・お出掛けの際には、必ず最新情報を各施設の公式ウェブサイトでご確認いただくか、各施設にお問い合わせください。

技術や技法を深める丸亀うちわの講座

写真提供:公益社団法人 香川県観光協会

丸亀うちわの技術や技法の知識を深めたい方は、丸亀うちわ技術技法講座を受講するのも良いかもしれません。伝統的工芸品である丸亀うちわの基本的な技術や技法を、16日間で習得します。また講座終了後にご希望があれば、うちわの港ミュージアムにて実践的な研修も可能です。

受講料:無料
定員:8名(要面接)年齢性別問いません
お問合せ:0877-24-7055(うちわの港ミュージアム)

風情のある丸亀うちわで“涼”をとりませんか

47もの工程を経て、一つひとつ丁寧に手作業で作られている丸亀うちわ。竹で作られたうちわは、柔らかいしなりが特徴的で、所作も美しく趣きがあります。世界でたったひとつの丸亀うちわを作ってみてはいかがでしょうか。

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どいまちこ
EXSENSES公式ライター

高知県の古民家で保護猫2匹と暮らしているフリーライター