大切な人に愛を伝え合う、イギリスのバレンタインデー

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2月14日はバレンタインデー。イギリスでもバレンタインデーを祝いますが、日本とは状況が少し異なるのをご存知でしょうか。今回はイギリスのバレンタインデー事情について紹介しましょう。

バレンタインデーの由来とは?

ハートのオブジェの周りに置かれたチョコレートや赤いバラ

バレンタインデーは、英語で「St. Valentine’s Day (聖バレンタインの日の意味)」といいますが、そもそもバレンタインデーはどのように始まったのでしょうか。

バレンタインデーの由来については諸説あり、聖バレンタインと呼ばれる司教も複数いるそうです。

一番有名なのは、ローマ時代のキリスト教司教の聖ヴァレンティヌス。当時のローマ皇帝クルディウス2世は、戦場で兵士たちが心置きなく戦えるように婚姻を禁止していましたが、ヴァレンティヌスは結婚を願う兵士のために内緒で結婚式を執り行い、その罪で西暦269年に処刑されたといわれます。

処刑日の2月14日は、ローマ神話の結婚の女神、ユーノーの祝日。古代ローマでは2月15日に豊穣の祭りが行われ、祭りの間、男性はくじ引きで決まった未婚女性と一緒に過ごしたそうで、キリスト教会はこの習わしを聖ヴァレンティヌスのお祝いと合体させ、宗教的な行事にしたといわれています。

こうして、2月14日は聖バレンタインの日として祈りが捧げられると共に、愛しあう者たちの日になったというわけです。

イギリスでは中世の時代には、聖バレンタインの日の習慣が定着していたことが記録に残っています。

14世紀の英詩人ジェフリー・チョーサーは、時の国王リチャード2世の婚約祝いに、「聖バレンタインの日には、すべての鳥が結婚相手を選ぶためにやってくる」というロマンチックな詩を贈ったそうです。

また、1840年に英国の郵便制度の進化により、1ペニーという廉価で郵便が送れるようになると、バレンタインデーにカードを送ることがより浸透していきました。

イギリスのバレンタインデーは日本とどう違うの?

イギリスの、バレンタインプレゼントを販売しているお店

日本では、バレンタインデーに女性が意中の男性に愛の告白としてチョコレートを贈ったり、友達や家族、同僚・上司に義理チョコを配ったりしますが、イギリスのバレンタインデーは少し異なります。

一番大きな違いは、男性からも女性にプレゼントを贈るということです。

どちらかというと、男性から女性に愛を伝え、男性が愛する女性を喜ばせるというのがイギリスのバレンタインデー。したがって、ホワイトデーの習慣はイギリス にはありません。

密かに思いを寄せる片思いの相手に愛を告白するほか、恋人同士や長年寄り添っている夫婦、パートナーの間でもプレゼントを贈り合います。

イギリスで女性に人気のプレゼントは?

赤いバラの花束

バレンタインデーに男性から女性へ贈るプレゼントの一番人気は、何といっても赤いバラの花束です。

ほかにもチョコレート、ジュエリー、香水、ランジェリーなども人気。

女性から男性にプレゼントする場合は、お酒やファッション小物、ガジェット、チョコレートなどが多いようです。

ちなみに、バレンタインデーにチョコレートを贈るようになったのは、イギリスの老舗チョコレート製造元「キャドベリー」社が、1868年にハート型のボックスチョコレートを発売したのがきっかけといわれています。

イギリスではバレンタインデーにカードを贈り合う

イギリスのバレンタインカード

バレンタインデーが近づくと、各店ではさまざまなカードやギフトが並びます。

カード好きのイギリス人にとって、バレンタインデーのカードはマスト。

かつては、バレンタインデーに名前を告げずに男性から女性へ愛のメッセージが入ったカードを匿名で贈るという習慣がありました。

現在でも、名前を隠して、「Be My Valentine=私のバレンタイン(恋人・特別な人)になって」「From Your Valentine / From Your Secret Admirer=あなたのバレンタインから / あなたを密かに慕う者から」といったメッセージが入ったカードを贈ることもあります。

ロマンチックにディナーを楽しむ

loveと書かれたお皿

バレンタインデーには、ロマンチックな夜を過ごすためにレストランにでかけるカップルが多いです。

2月14日の夜はどこも大忙しになるので、人気レストランは予約が絶対必要!

レストランでなくても、自宅でキャンドルを灯しながら手料理でのごちそうを楽しむカップルもいます。

この日は子持ちの夫婦も、子供をベビーシッターや祖父母に預けて、ふたりだけの時間をゆっくり楽しむのが、イギリス流のバレンタインデーです。

赤いバラを抱えたイギリス男性たち

イギリスの、バレンタイン仕様になった花屋

バレンタインデーは赤いバラの花束が一番人気なだけに、生花店は一年で一番の繁忙期。街中には花束を販売する特設売り場も登場します。

当日は、仕事帰りに花束を抱えていそいそと帰宅する男性の姿が多く見かけられ、何とも微笑ましい気持ちになります。

ハッピー・バレンタインズ!

今回は、イギリスのバレンタインデー事情を紹介しました。老いも若きも、付き合い始めたばかりの恋人も、長年連れ添った夫婦も異性・同性問わず、あらゆるカップルが「Happy Valentine’s!」と言いながら、キスやハグをし、愛を伝えるという、ロマンチックなイベントがイギリスのバレンタインデーなのです。

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名取 由恵
EXSENSES公式ライター

イギリス在住ライター・翻訳者・英国ドラマ愛好家。 ライフワークは英国文化・イギリス人の研究。

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