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厳しい夏の暑さが和らぎ、朝夕の風に秋の気配を感じる頃。「涼しくなってきたし、どこか心癒される場所へ行きたいな」と旅の計画を立て始める方も多いのではないでしょうか。
秋の絶景といえば紅葉ですが、その少し前、9月中旬から下旬にかけて情熱的に咲き誇るのが「彼岸花」です。
今回は、関東から関西まで、規模の大きな群生地や棚田、川沿いなど、景色の異なる5つの彼岸花スポットをご紹介します。この時期しか出会えない特別な景色へ、出かけてみませんか?
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彼岸花は、秋のお彼岸の時期に合わせるように9月中旬頃から花を咲かせる多年草です。花が咲く時期には葉がなく、花が終わった後に葉が伸びるという、一般的な植物とは少し変わった特徴を持っています。
また、彼岸花は田んぼのあぜ道や土手などでよく見られるますが、それには理由が。彼岸花の球根には毒性があり、昔からモグラなどによる田畑への被害を防ぐ目的で植えられてきたとされています。現在では、その鮮やかな花姿から各地で観光名所として親しまれています。

埼玉県日高市にある「巾着田曼珠沙華公園」は、約500万本の曼珠沙華(彼岸花)が群生する全国屈指の名所です。高麗川が大きく蛇行してできた土地の形が巾着に似ていることから「巾着田」と呼ばれています。
最大の特徴は、雑木林の中に彼岸花が広がっていること。赤い花と木々の緑が組み合わさり、開放的な河川敷とは異なる、奥行きのある写真を撮影できます。公式サイトでも、雑木林の中に咲く大規模な群生地は珍しいと紹介されています。
2026年の「巾着田曼珠沙華まつり」は9月21日から10月6日まで開催予定。期間中は地元のグルメや特産品の販売も行われます。ただし、まつり期間と彼岸花の見頃は必ずしも一致しないため、訪問直前に開花状況を確認しましょう。
042-982-0268
8時00分~17時00分

奈良県明日香村の「稲渕の棚田」は、彼岸花と日本の原風景を一緒に楽しめるスポットです。日本の棚田百選にも選ばれた稲渕棚田周辺では、9月中旬から下旬にかけて彼岸花が見頃を迎えます。
ここで注目したいのが、収穫を前にした黄金色の稲穂と、あぜ道に咲く赤い彼岸花の組み合わせ。平地に広がる群生地とは違い、棚田の高低差によって立体的な景色を楽しめるのが魅力です。
周辺を歩きながら散策するのはもちろん、2026年は9月26日・27日に「稲渕棚田案山子祭り」も予定されています。彼岸花だけでなく、棚田に並ぶユニークな案山子もこの時期ならではの見どころです。
0742-27-8756
https://www.pref.nara.lg.jp/n094/42455.html#p18

春の桜で知られる「幸手権現堂桜堤」は、秋になると約300万本の彼岸花が咲く名所へと姿を変えます。桜の季節とは異なり、秋は桜の木々の緑を背景に、土手一面が赤く染まります。花だけを楽しむのではなく、春と秋で異なる景色を見比べられるのも権現堂ならではのポイントです。
2026年は9月19日から10月4日まで「第19回幸手曼珠沙華まつり」が開催予定。期間中はキッチンカーやマルシェなどのイベントに加え、今年は初めて彼岸花エリアのライトアップも予定されています。
昼間に花を楽しんだ後、夕方からライトアップまで滞在するプランを組めば、1日の中で異なる雰囲気を楽しめそうです。
0480-53-1553

愛知県半田市を流れる矢勝川の堤防には、約300万本の彼岸花が東西約1.5kmにわたって咲きます。ここは、児童文学作家・新美南吉の代表作『ごんぎつね』の舞台として知られる場所です。
彼岸花の開花時期は9月中旬から10月初旬頃。堤防沿いの遊歩道を歩きながら花を眺めることができ、新美南吉記念館など周辺のゆかりの地と合わせて訪れるのもおすすめです。
2026年は9月26日から10月4日まで「ごんの秋まつり」を開催予定。期間中は地域のおもてなし企画も行われます。なお、彼岸花の群生地への立ち入りは禁止されているため、遊歩道など決められた場所から鑑賞しましょう。
https://aichinow.pref.aichi.jp/spots/detail/209/

岐阜県海津市の津屋川堤防では、約3kmにわたって彼岸花が咲き、養老山地を背景にした景色を楽しめます。例年の見頃は9月中・下旬から10月初旬です。
堤防の上は遊歩道になっているため、川沿いを歩きながらゆっくり花を観賞できます。特に人気なのが、川面に彼岸花や空、周囲の緑が映り込むリフレクション。風が弱い時間帯は水面が穏やかになり、写真撮影にも向いています。
養老鉄道「美濃津屋駅」から徒歩約10分と公共交通機関でもアクセスしやすいのもポイント。車の場合は周辺の臨時駐車場を利用し、生活道路への路上駐車は避けましょう。
https://www.city.kaizu.lg.jp/kanko/0000000478.html
| スポット | 見ごろ | 規模 | 景色の特徴 | おすすめの楽しみ方 |
| 巾着田 | 9月中旬~10月上旬 | 約500万本 | 雑木林×彼岸花 | 大規模な群生を楽しむ |
| 稲渕棚田 | 9月中旬~下旬 | – | 棚田×稲穂×彼岸花 | 里山散策 |
| 幸手権現堂 | 9月中旬~10月上旬 | 約300万本 | 桜並木×彼岸花 | まつり・ライトアップ |
| 矢勝川 | 9月下旬~10月初旬 | 約300万本 | 川沿い×彼岸花 | 『ごんぎつね』ゆかりの地巡り |
| 津屋川 | 9月中旬~10月初旬 | 約10万本 | 川×養老山地×彼岸花 | リフレクション撮影 |

せっかくの国内旅行、「思ったより混んでいた」「準備不足で疲れてしまった」なんて失敗は避けたいですよね。彼岸花の絶景を心ゆくまで快適に楽しむために、事前に知っておきたい3つのポイントをまとめました。
彼岸花は、紅葉のように長期間楽しめる花ではありません。見頃は数日から1週間程度と短く、残暑や雨などによって開花時期も前後します。旅行の日程を決める際は、事前に各スポットの公式サイトや観光協会のSNSで開花状況を確認しましょう。
今回紹介したスポットは、遊歩道や堤防、棚田などを歩いて鑑賞する場所が中心です。特に棚田周辺は舗装されていない場所もあるため、サンダルよりもスニーカーなど歩きやすい靴がおすすめです。
また、9月下旬でも日中は気温が上がることがあります。帽子や飲み物を用意し、必要に応じて日よけ対策も忘れずに。
彼岸花は美しい一方、球根などに毒性があります。巾着田の公式サイトでも、球根に含まれるリコリンや花茎の汁による皮膚への影響について注意が呼びかけられています。
群生地では花を踏まないことはもちろん、立入禁止区域に入らず、遊歩道などから鑑賞しましょう。美しい景色を守ることが、次の季節にもこの風景を楽しむことにつながります。
9月中旬から10月初旬という短い期間に見頃を迎える彼岸花。大規模な群生地、黄金色の棚田、川沿いのリフレクションなど、同じ彼岸花でも訪れる場所によって楽しみ方は大きく異なります。
「たくさんの花を一度に見たい」「日本らしい里山の風景を楽しみたい」「写真を撮りたい」など、目的に合わせて行き先を選ぶのもおすすめです。
今年の秋は、紅葉を待つ前に、期間限定の赤い景色を見に出かけてみてはいかがでしょうか。